約 3,294,522 件
https://w.atwiki.jp/fedic/pages/1023.html
西牧賢一 紋章の謎、聖戦の系譜、封印の剣に参加した音楽スタッフ。 ファイアーエムブレムに関してはSE(効果音)を主に手がけている。 スーパーファミコンウォーズ、スペースバズーカ、マリオカートアドバンスなど、多くの任天堂作品に名を連ねるベテランであり、作曲や効果音、サウンドプログラムと音楽関係のスペシャリストである。 また、メイドインワリオシリーズは彼がサウンドディレクターを勤めている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7601.html
ファイアーエムブレム 風花雪月 【ふぁいあーえむぶれむ ふうかせつげつ】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 Nintendo Switch 発売元 任天堂 開発元 インテリジェントシステムズコーエーテクモゲームス 発売日 2019年7月26日 定価 6,980円(税別) プレイ人数 1人 セーブデータ 本編:25個(*1)+1個(オートセーブ専用スロット)サイドストーリー:3個+1個(オートセーブ専用) レーティング CERO B 判定 良作 ポイント 戦乱の悲惨さを生々しく描いた重厚なストーリー緻密な世界観とキャラクター設定「騎士団」「計略」システムを実装し、より戦争らしい内容に従来と大きく異なる育成システム ファイアーエムブレムシリーズ 概要 特徴・変更点など 評価点 アップデートで改善された点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 30年以上の歴史を持つ大作SRPG『ファイアーエムブレム』シリーズ第16作(*2)。据え置き機としては、12年前に発売された『暁の女神』以来となる。 本作ならではの大きな特徴として、士官学校を舞台としており、主人公がその教師として活躍するというものがある。 本作は企画内容を任天堂、開発の大部分は『ファイアーエムブレム無双』でコラボを組んだコーエーテクモゲームスが本編の開発に参加しており、長年戦記物ゲームを手掛け続けてきたシブサワ・コウ ブランドのスタッフなどがシナリオを担当している。 ストーリー 「フォドラ」と呼ばれる大地。世界は突如として現れた邪神によって脅かされるが、立ち上がった解放王「ネメシス」と女神より与えられた「英雄の遺産」を手に戦う十人の英雄「フォドラ十傑」によって危機は退けられた。しかし、やがて驕りたかぶったネメシスは、フォドラ十傑とともに女神に対して反旗を翻し、女神が差し向けたとされる聖者「セイロス」と、その仲間である「四聖人」によって討ち果たされる。当時の強国「アドラステア帝国」の建国に携わっていたセイロスは、四聖人と、投降したとされるフォドラ十傑の末裔を束ねて、「ガルグ=マク」を総本山とした「セイロス教」を興す。やがてアドラステア帝国から「ファーガス神聖王国」と「レスター諸侯同盟」が分離するが、それぞれの勢力は相争うこともなく、長い平和の日々が続いていた。時は流れ、帝国暦1180年。かつて大陸全土にその名をとどろかせた騎士「ジェラルト=アイスナー」は、現在は傭兵として活動していたが、ある日セイロス教の総本山である「ガルグ=マク大修道院」に併設された士官学校に通う3人の若者に助けを求められる。ジェラルトは、自らの子供と共に3人に助力し、彼らを襲撃した盗賊を退ける。若者たちはそれぞれ、アドラステア帝国の次期皇帝「エーデルガルト=フォン=フレスベルグ」、ファーガス神聖王国の王子「ディミトリ=アレクサンドル=ブレーダット」、レスター諸侯同盟盟主の孫である「クロード=フォン=リーガン」と名乗り、かつてジェラルトの従者であった騎士「アロイス=ランゲルト」と共に、ジェラルトたちを修道院へと招く。果たしてジェラルトは騎士に復帰し、彼の子供は、「黒鷲の学級(アドラークラッセ)」、「青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)」、「金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)」のうちの学級の内の一つを受け持ち、彼らが一人前の騎士として育つよう指導する事となる。しかしこのことが、7年近くにも及ぶ凄惨な殺戮劇の幕開けであることは、この時は誰一人として気づくことはなかった。 特徴・変更点など 特に注記がない限り、本項ではゲーム本編のシステムについて解説する。 (Ver.1.2.0にて追加コンテンツとして配信されたサイドストーリーには一部に本編と異なる部分がある) 3つの学級から一つを選択する方式 序章が終わった後、主人公は担任として3つの学級の内の一つを受け持つことになる。 受け持った学級によって加入するユニット(生徒)だけでなく、第一部終盤以降の展開が大きく変化するため、事実上のルート分岐と考えて差し支えない。前々作『if』とは異なり、ルートごとに別売りということはなく、一本のソフトで複数のルートが楽しめるようになっている。 各学級には級長を含めて8人の生徒がおり、それ以外で自動加入するキャラは僅かである(出撃枠もそれ前提で最大12と少なめ)。 選ばなかった他の学級の生徒や教団・修道院への協力者などは「課題協力」でその章だけ使えるようになったり、条件を満たせばスカウトを行う事で加入させる事ができる。ただし、総じて教団所属のキャラや、DLCで追加されたキャラは容易にスカウトできるが、他学級所属のキャラのスカウトには主人公の特定の技能レベルやステータスを高めないといけない厳しい条件が課せられる。さらに、級長と副級長は一部の例外を除いて他の学級では基本的に仲間にならない。なお、これらのシステムは第二部では使用不可能。 他学級の生徒もストーリーに絡む、外伝に絡む、散策やイベントでも多くの出番があるので進めていくうちに愛着がわきやすくなっている。「課題協力」で支援レベルをあげればスカウトの敷居も下がるのでお気に入りのキャラをスカウトしやすくなる。 なお、本作の主人公(デフォルトネーム ベレト(男性)/ベレス(女性))は外見や得意とする武器などが変更不可・自発的にしゃべることはなく(*3)支援会話を含めてプレイヤーの選択肢によって意思表示を行うなど、後述する人物像も含めて、従来のFE主人公とは異彩を放つ内容となっている。 「騎士団」と「計略」 本作の新要素として、1ユニットにつき一種類の騎士団を雇用し、配備できる。配備することで命中率や攻撃力など、さまざまなパラメータを上昇させられる(*4)が、ダメージを受けることで兵力が消耗し、兵力が0になってもロストはしないが、補正を受けられなくなってしまう。 騎士団にはランクが存在し、基本的にランクが高い騎士団ほど高い補正値を得られるが、ランクの高い騎士団を配備するには「指揮」の技能レベルを上げる必要がある。 また、騎士団を配備することで、パラメータに補正をつけるだけではなく、「計略」と呼ばれる特殊行動も発動できる。計略の内容も単純な攻撃だけでなく、魔法や弓矢による範囲攻撃、命中すれば敵を移動させる攻撃、味方ユニットの回復・補助・再行動など多岐に及ぶ。 計略は一つのマップで使用できる回数は極めて少ないものの「反撃を受けない」「範囲攻撃」「命中した敵ユニットを動揺させ、次の敵ターン終了まで全ステータスダウン・移動不可・騎士団補正の消滅」と非常に強力。単純に強力なステータスを持つ敵ユニットに有効打を与えられる他、計略に耐性を持つ特殊ボスに対しても、反撃不可を生かして決死の一撃を放つ本命の確殺ラインまで削ったりと、1人では手が出ない強敵への対策になり得る。 計略の威力や命中回避にかかわるパラメーターとして新たに「魅力」が追加。通常の成長で上がる他、お茶会で好成績を達成することで主人公とお茶会に誘った相手の魅力を上げることができる。 また、計略は一部の敵兵も普通に使用してくる。支援補正のためにユニットを固めて行動するという従来の戦略をとっていると巻き込まれて思わぬピンチを招くこともあるため、敵の騎士団アイコンにも注意する必要がある。 副官 覚醒の「ダブル」や、ifの「防陣」に似た要素。主人公の指導レベルが一定を超えると、キャラ1人に副官を1人つける事ができる。編成画面で任命するため出撃枠は取らず、また戦闘中に解除や交代などはできない。 副官には支援値や経験値等も入るが、騎士団の経験値と指揮経験値は入らない。また指導レベルを上げることで3人まで増やすことが可能。 効果はクラスによって変わり重装系(拳闘士などの格闘職も含む)は追撃の防御、信仰系はターン開始時回復、それ以外のクラスは低確率で装備中の武器または魔法による追撃が発動する。 いずれの種別においても、前衛となるユニットの行動時には追撃の有無にかかわらず連携攻撃に参加するものとして扱われ、命中・回避などに補正を得られる。また、攻撃を行わない効果種別でも装備している武器種の技能経験値は獲得できる。 所属するユニットが倒されても副官がロストする事はないので安全に経験値や支援レベルを稼ぐのが主な目的となる。 マップを最大にまでズームすると騎士団や副官がユニットに所属しているのが見える。また、戦闘や計略では副官も一緒に攻撃に参加しているのが見られる。 敵ターンでどのユニットが攻撃されるかの予測表示をよりわかりやすく視覚化するようになった。 危険範囲の表示だけでなく、ユニットを移動させる際に、攻撃される可能性がある位置では対象の敵ユニットから赤い波線が飛んでくる。この表示をきちんと見ていくことで、敵ターンにおける事故死をより防ぎやすくなっている。 最低2ピン保証 主人公と士官学校の生徒、そしてフレンとツィリルは、成長率にかかわらずレベルアップの際に必ず二つのパラメータが成長する。ファンの間では、成長の際に「ピン」という音がすることから「最低2ピン保証」あるいは「2ピン保証」と呼ばれている。 アイテム関連における設定の変更 『if』、『Echoes』の直近二作でオミットされていた武器の「使用回数」と、『新・紋章』以降、省かれがちであった「重さ」の概念が完全新作としては久々に復活した。 一方で、『Echoes』で不採用となった3すくみの概念は引き続き本作でも存在せず(*5)、魔法に関しても魔道書や杖などの消費アイテムを介するものではなくなっている。ただし魔法は、『Echoes』のようにHPを消費するわけではなく、「1マップに限られた回数だけ使用でき、マップをクリアすると回数が最大値に戻る」という仕様に変更されている。このため従来作では温存されやすかった遠距離魔法や、レスキューといった補助効果のある魔法の使い勝手が相対的に大きく上昇した。 また、武器のほかに一つだけアイテムを装備できるようになった。盾なら防御力を上げたり、杖なら魔法の威力や射程の強化などが可能となっている。 大修道院における指導と自由行動 本作では、1章につき1か月単位で進行する。平日は指導を行うことで生徒たちの技能レベルを上昇させられ、休日は大修道院の散策やフリーマップへの出撃などといった自由行動が行える。 散策では、生徒たちとの絆を深めたり、商人からアイテムを購入できるほか、大修道院で暮らす人々から情報を集めたり、栽培や魚釣りなどのミニゲームを楽しむことも可能。また、「課題協力」を依頼することで、その月のみ自軍のユニットとして使用できるが、経験値や技能レベルは獲得できない。さらに、主人公の能力を高めたり、支援レベルを上げることで、他のクラスの生徒を自分のクラスにスカウトする事もできる。スカウトしたキャラは指導やレベル上げも可能になる。 散策で生徒たちとお茶会をすることも出来る。これは「茶葉」という特定のアイテムを消費する事で主人公と生徒(もしくは教師)との1対1での交流が楽しめる。 お茶会中に最大4回の会話のチャンスがありどれも3択の選択肢となっている。正解するごとに好感度が上がり全て正解(*6)するとフリータイムとなりキャラをじっくりと眺めたり贈り物を送ってさらに好感度を上げることも出来る。 1対1の会話ということで『if』のマイキャッスル(*7)を連想する人も多いが、あちらと違い顔を触ったりせず会話するだけなので嫌う声は少ない。ただし、相手の嗜好を熟知しなくてはならないため、パーフェクトを狙う難易度は高い。 また生徒二人と食事をとる事ができるのだが、特定の組み合わせだと専用の掛け合いとなる。 「紋章」と「英雄の遺産」 『聖戦の系譜』の「聖戦士の血」及び「神器」に近い、キャラ個性のシステム。フォドラ十傑や四聖人、さらに出自が不明のものを合わせて実に20種類近くの紋章が存在し、それを身に宿したキャラクターに有利な効果がもたらされる。 紋章は、通常の「小紋章」のほか、固有効果が発生しやすい「大紋章」が存在しており、大紋章を所有しているのは一握りのキャラクターのみとなっている。また、基本的に複数の紋章を所有することはないが、例外となる人物も存在する。 「英雄の遺産」は、フォドラ十傑が女神から与えられたといわれている伝説の武器だが、その外観は異例なほどに禍々しく、さらに紋章を所有していないユニットが使用すると、戦闘後に10ダメージを受けるというデメリットがある。一方で、遺産には対応する紋章が存在しており、その紋章の持ち主が所有することで、専用の戦技を使用できたり、大盾スキルが発生して低確率で敵からのダメージを半減させるなど、強力な特殊効果が付与される。一方で、過去作のユニークアイテム/固有武器に多々見られたステータス補正効果は存在しない。 戦技の仕様が変更 前作『Echoes』にもあった戦技が続投。前作は武器の使用回数の概念が無かったためHPを消費して発動する形式となっていたが、今作は武器の使用回数を複数消費する仕様に変更となった。 あちらで猛威を振るった「ハンターボレー」や、過去作品で奥義として扱われていた「流星」・「滅殺」といったスキルも、今作ではやや弱体化し、特定のクラスに紐づけされた専用の戦技として登場している。 普通の武器ならば修理が容易であること、威力は低いが使用回数が多い「訓練用武器」が追加された事で『Echoes』に比べて戦技を使う機会が大幅に増えた。弓の射程を伸ばしたり、攻撃後に位置を変える等、計略と並んで攻撃手段の一つとして戦略の幅を広げている。 戦技も計略と同様に敵も使用してくる。中には非常に強力な戦技であっても容赦なく使うので、そういったユニットを相手にする時は特に慎重さを要する。 強力な敵である「魔獣」が登場 本作で敵対する事になる「魔獣」は、いわゆる過去作における「竜」や「魔物」に相当するのだが、本作ならではの特徴を多数備えている。 普通のユニットよりかなりHPが高く、複数のマスを占有する巨体も持つうえに、その1マスごとに「障壁」が張られており、この箇所は攻撃によるダメージを半減(*8)&種類によって必殺または特定の攻撃を無効化してくる。ただし、魔獣は個体ごとに特定の武器種が弱点となって有効扱いになる。障壁は2手分攻撃するか、弱点武器含む有効(*9)・特効・計略で1回攻撃すると対象のマスを破壊でき、混乱して次の攻撃だけ反撃不可になる。連続で障壁を壊せば反撃不可は続く上、全て破壊するとアーマーブレイクが発生して次の敵ターンもその魔獣が行動不能になり、希少な錬成素材を入手できる。 計略については指定した1マスのみ障壁を即破壊でき、巻き込む範囲部分は1手分のダメージ扱い。また、魔獣は最後に計略を当てたユニットを必ず狙うようになっている・ 複数のHPゲージをストックしており、すべてのゲージを0にしなければ撃破できない。さらに、HPゲージストックを削るたびにスキルが追加され、より強力になる。どれだけ大ダメージを与えてもストックがある限りは絶対に倒れないので一人で倒すのは時間がかかる上にリスクも大きい。計略や弱点武器を駆使して多数で袋叩きにする必要がある。 力をためた次のターンにはその場で「猛撃」という強烈な攻撃を繰り出してくる(*10)。これにより広範囲のユニットに纏めて大ダメージを与える上にせっかく破壊した障壁も復活してしまうため、素早く攻撃して障壁を全て破壊するか、安全を優先して攻撃範囲外に退避するかは状況と判断次第。 通常の敵ユニットを上回る強敵として設定されているが、すべての障壁を破壊しきることに成功すれば、貴重な武器を修理するための素材を獲得できる。魔獣の種類によっては英雄の遺産を修理するために使える「ダークメタル」も入手できるので、可能な限りアーマーブレイクを狙うのがセオリーとされる。 新たな武器種「籠手」 本作では、おなじみとなっている剣、槍、斧、弓のほかに、「籠手」という武器が新たに加わった。 威力が低い代わりに軽量で命中率が高く、自分から攻撃を仕掛けた際のみに、必ず2回攻撃(追撃が発生すると4回)を行う、いわゆる勇者系武器の特性を持つ。ただし、後述するように装備できない職業も多く存在する。 技能レベル 本作では能力値とは別に武器・魔法・兵種などに関する11個の技能レベルがキャラごとに設定されており、技能レベルが上がるごとで従来の「武器レベル」のように強力な武器や騎士団を装備できるようになる、着脱可能なスキルや戦技を覚えるなどのパワーアップの他、後述するクラスチェンジの条件ともなっている。 指導パートの平日では授業として、教師たる主人公(プレイヤー)は目標の設定と直接指導を行うことで、生徒たちの各種技能レベルを上げていく。 生徒毎に得意な科目や苦手な科目が設定されており、これと主人公の技能レベルなどによって個人指導の効果が上下する。ただし、一部の生徒は特定の科目に才能を秘めており(3つの星枠が表示されている)、12回指導を行うことで「才能開花」が起きて得意科目扱いに上書きされる。 もちろん主人公も例外ではなく、戦闘以外にも他の教師達に指導を請うたり講習に参加することでも、自ら技能レベルを上げることが可能。 本作ではすべての兵種が剣、槍、斧、弓を装備可能で、籠手は魔法系・騎兵や飛行以外のすべてのクラスで装備できる。一方で、魔法は特定のクラスにつかないと使用できなくなっている。 上記の仕様でありながら、兵種ごとに特定の技能について戦闘で獲得できる技能経験値が増加したり、技能レベルに応じて獲得できる「武器術」(剣術なら「剣術Lv.○」、斧術なら「斧術Lv.○」のような着脱可能スキル)を装備することで命中・回避・必殺回避(*11)に補正を得られるという仕組みになっている。特に今作は必殺回避を補正する要素が少なく(*12)(*13)、「武器術」の有無によって必殺率が0になるかならないかを左右するケースが多いため、所持する装備の自由度が高い一方で闇雲に多くの武器種を抱えても有効になるとは限らない設計になっている。他にも、弓の扱いに長けた兵種なら弓の射程が延長される(*14)、上位のクラスでは対応した武器種を装備していると攻撃力や必殺率が優遇されるなど、基本的にはクラスに対応した武器種を用いて技能レベルを高めるのが一番有効である点は変わりない。 クラスチェンジシステム キャラごとに基本紐付けであった クラスの概念が大幅に変更 。本作は主人公を含め多くのユニットの初期クラスが「平民」または「貴族」となっており、資格試験をクリアさせることでおなじみのクラスに変更できるようになる。例を挙げるならオウガバトルサーガが近いと言える。 各クラスには基準となる技能レベルが設定されており(例えば馬に乗り槍を主に扱うソシアルナイトならば槍術と馬術が必要であるなど)、それらの条件を全て満たしていれば必ず合格できる。技能レベルが不足している項目がある場合は不足分に応じて合格率が大きく低下するが、合格率30%以上ならば受験できる(*15)。 受験できるのは一回の休日(*16)及びストーリー進行日につき各キャラ一回ずつ。成否は休日を迎えた時点で確定されており、失敗した場合にリセットするとしても再挑戦は実質お預けとなる(後述の点によりリセットする意義自体はある)。 受験には一定以上のキャラレベルを満たし、対応する「試験パス」というアイテムを消費する必要がある(初級ならLv.5以上で初級試験パス、上級ならLv.20以上で上級試験パス、といった具合)。 一度合格した兵種には、出撃準備画面などでいつでも・何も消費せず変更が可能。下級のクラスに戻すこともできる。 『Echoes』と同様に各クラスに基準値となるステータスが設定されており、資格試験に合格した時点で基本能力値(クラスによる補正を含めない値)が基準に満たなかった場合は自動的に底上げされる。 この仕様により、守備がヘタれてしまっているキャラクターに重装と斧術を教え込み、守備の基準値が高いアーマーナイトを獲得させて守備を底上げするということも可能である。 しかし今回はユニットレベルもクラスから独立しており、クラスチェンジしてもレベルが据え置きになる。 よって、過去作の「下級職で限界までレベルアップさせてから上位のクラスへ移行する」のではなく「レベル条件を満たした後はできる限り早く上位クラスの資格を獲得し、最低保証ボーナスを獲得する」方が最終的な総合値が高くなりやすい。 ただしユニットレベルの限界値は99とそれまでよりはるかに高い数値で、通常のプレイでは終盤でもレベル40台~50程度にしかならないので、完全に取り返しがつかなくなることは一応無い。 さらに、今作はシリーズ恒例の再行動役「踊り子」も固有ではなくなり、中盤のイベントで任意の自学級に所属する生徒一人を指定して踊り子の資格を獲得させるという形になっている。一応『「魅力」パラメータが一定以上』という条件があり誰でもとはいかないものの、条件そのものは然程厳しくなく(主人公(*17)を含む先生陣や騎士団員を除いて)全員が「踊り子」になれる可能性がある。 今回の踊り子は上級相当にあたり、剣術と指揮が得意である他に貴重な「魔法を使用できる」クラスでもある。そのため補助要員として申し分のない性能である。しかしこれらの「ほぼ誰でもなれる」「魔法が使える」という特徴が とある重大な罠 に化けてしまうケースが存在し……(賛否両論点を参照のこと) 支援要素 覚醒など同様にC~Sの四種、またペアによってはC+,B+,A+というように追加の会話イベントが存在する。 全員と支援及びSがあるのは主人公のみとなり、最終シナリオ直前にプレイヤーが支援Sになりたいキャラクターを決めてクリア後のイベント、いわゆる後日談でプロポーズするようになっている。 上記の通り、他キャラ同士のカップリング要素はA、またはA+の組み合わせのみペアエンドが用意されている。(一部例外アリ) また、前述した通り、本作では主人公が自発的にしゃべる事がないため、主人公が関わる支援会話では、基本的に相手がしゃべり、主人公がそれに対してプレイヤーが選択した返答を行うという形式になっている。基本的に、どちらを選んでも得や損をすることはない(ごく一部に選択肢によって支援値が変化するものも存在する)。 主人公は支援Sを結んだ相手とペアエンドになるが、それ以外のキャラは支援A(A+が存在するペアはA+)になった相手の中でもっとも支援値を稼いだキャラとペアエンドを迎える。同時に、Bで打ち止めになる相手はペアエンドがない組み合わせということになる。 基本的に修道院でしかイベントは起こせず(*18)、シナリオの進行や特定のサブイベントをこなさないと支援会話が起きない事もある。 支援レベルを上げたキャラクターが近くにいると命中率や回避率が上昇するのは従来の作品と同じだが、本作では特別な組み合わせ(*19)に限り、与えるダメージが増加することもある。 外伝マップ 本作の外伝シナリオは、自由行動中のフリーマップの中から行える。 プレイ条件は主に、主人公と特定のユニットの支援レベルが関係しているが、大抵は出現条件として参照されるユニットが主役である事が多い。なお、他のクラスのユニットをスカウトしなければ出現しないものもある。外伝のマップは、特殊なギミックが存在する場合も多いことからメインシナリオと比較して難易度が高い傾向にあり、索敵マップなども殆どがこちらに集中している。クリア報酬は豪華な事が多いため、積極的に攻略する価値がある。 amiibo 修道院にある「amiiboスポット」でamiiboを読み取る事により、修道院に訪れる度にアイテムが出現するようになる。この際FEキャラのamiiboを1度でも読ませればアイテムの質や量がよくなり、更にamiiboに合わせたBGMがフリーバトルに追加される。 オンライン(Nintendo Switch Onlineへの加入が必要) 留学生 修道院内で生徒にアイテムを持たせて(*20)、他のプレイヤーに派遣する事ができる。また修道院に訪れる度に一回、他のプレイヤーが留学生に指定したキャラがランダムに4人出現するようになる。 留学生が所持しているアイテムを定価より安く購入でき、また派遣した側は次の休日以降に呼び戻した留学生から売り上げを受け取る事ができる。ただしオンラインの都合上、受け取った後に受け取る前のセーブデータを読み込むと売上の回収はできなくなる。 また留学生と訓練(かくれんぼ)をする事ができ、成果によって報酬が貰える。 戦死者の魂 別のプレイヤーのデータで、ステージ内でキャラが多く死亡したマスに黄色(味方)、紫(敵)の魂が現われるようになる。黄色は経験値と武器や魔法などの回数回復、紫はアイテムが入手できる。 ランキング 他のプレイヤーの「使用率の高いキャラ」「お茶会をしたキャラ」等がロード画面でランキング形式で表示され、また「その休日に他のプレイヤーが選んだ行動」がパーセンテージで表示されるようになる。 マンネリ化しがちだった「お約束」的キャラの存在が見直されたためか、「お助けパラディン(*21)」「キルソード持ち剣士」「赤と緑の騎士」など、シリーズおなじみのポジションが一部登場しない。 『覚醒』『if』と近作で採用が多かった「子世代ユニット」もシステムとしては完全に廃止されている。(*22) その他 クリア後は主人公が習得した技能や支援値など、一部データを名声値消費で引き継いで周回プレイが可能。シリーズ初となる「強くてニューゲーム」の概念が断片的に導入された。 難易度ノーマル限定で、出撃回数を消費しないフリーマップに出撃可能。これはマップを撤退しても経験値等が入るうえ、武器や騎士団の消耗、アイテムや支援値ももとに戻る。『覚醒』や『if白夜』と同様、育成面での敷居を下げる重要なステージとなる。 今作もゲーム開始後に「修道院パート」及び「進撃準備」のタイミングで難易度を下げることは可能になっている(ルナティック(※Ver.1.0.2以降)→ハード→ノーマル)。一度下げたら戻すことはできない。ただし『if』で可能だったゲームモード(クラシック→カジュアル)の変更は不可。よって「クラシック」で始めた場合はユニットロストが発生した後に「カジュアル」に戻して復活させることはできなくなった。 DLC 従来のものとは異なりコンテンツごとに購入する必要はなく、「エキスパンション・パス」と呼ばれる追加商品を購入することですべてのコンテンツを遊ぶことが可能。特別アイテムや追加マップは廃止し、プレイアブルキャラクターやコスチュームなどの追加が主となっている。 2020年2月に配信されたVer.1.2において、本編とは独立したサイドストーリーである「煤闇の章」をプレイすることが可能となった。 ガルグ=マク大修道院の地下に広がる「アビス」を舞台とし、各学級長に加え秘密裏にされていた第四の学級「灰狼の学級」(ヴォルフクラッセ)に属するという4名の生徒とともに謎の敵と戦いながらアビスの謎を追う短編ゲーム。加入キャラクターが固定であるうえ資格試験がなく・技能経験値や兵種経験値も完全に得られないため、あらかじめ与えられた兵種とスキルのみで戦う、従来作に比較的近い仕様となっている。強いて言うならオンラインに加入している場合、戦死者の魂が出現する分多少有利になる。 評価点 3つの国が絡み合う、壮大な物語 本作は「士官学校編」と「戦争編」の二部構成になっており、前述した通り、選んだクラスによって加入キャラやストーリーが分岐する。 士官学校編で攻略するマップは全ルートでおおむね共通だが、戦争編においては基本的に選んだ学級の国について戦う事になるため、攻略するマップが大きく変化し、場合によっては修道院や他のクラスのユニットが敵として立ちはだかる。味方ユニットが敵として現れる要素は『if』や『暁の女神』でも見られたが、本作ではなんと、主人公とDLCで加入するキャラクター以外のすべてのユニットに、敵対するシナリオが用意されている。(*23) また、『暁』や『if』では、味方同士の争いに持ち込むために強引な展開を見せることが度々あり、シナリオを重視するプレイヤーからの顰蹙を買っていたが、本作では、すべてのキャラクターや国に綿密な設定が施され、無理のある展開も非常に少なくなっている。 プレイヤーは、分身たる主人公が選んだ学級に応じて、異なる「戦争の歴史」を追体験することになる。最終的には、プレイヤーが受け持った学級の所属する勢力がフォドラの覇者となる一方で、他の学級の生徒は事前にスカウトしていない限り高い確率で破滅を迎える。とりわけ級長となるキャラはその傾向が顕著で、特に戦乱の中心に立つエーデルガルトとディミトリは、対応するルート以外では無惨な死を迎える運命にある。 結果として、近年のシリーズ作品に見られた勧善懲悪の傾向は完全に鳴りを潜めており、正義同士が血で血を洗う"戦争"が描き切られている。その中ではかつての教え子たちと刃を交える展開すらも存在する一方で、今までの「お約束」と化していた「戦いの中で説得をすることで自軍に引き入れるケース」が大幅に減少している(*24)。予めスカウトできなかった他クラスのメンバーはほとんど自らの手で殺害せねばならない。 他クラスのメンバーを敵として倒した場合でも、クラシックモードで味方がロストした時と同様の演出(散り際のセリフのみ異なる)が行われる。よって、ユニットのロストというFEプレイヤーにとっては最も見たくないシーンとしてユニークキャラクターの死は強調されることとなり、断末魔や散り際セリフにおける声優の迫真の演技もあいまって非常に堪えるものとなっている。 ルート選択によって、必ず救われる勢力が出てくることも魅力の一つ。周回プレイで別のルートを遊びなおすことなどで、教え子や仲間たちが滅びの未来から救われるそれぞれの道程を見ることが出来る。 「スカウトなどによって転籍したキャラの描写」が濃いのも特徴の一つ。例えば、イングリットは本来は王国に忠実な騎士としての姿勢を貫くが、別のルートでスカウトした場合は、「実家のガラテア家を出奔し、仕えていた王国に刃を向ける」というまったく異なる立場となるため、修道院の会話では「所属していた場所を離れたり、仲の良かった仲間たちと戦わざるを得なくなる」といった状況に対する葛藤などを聞くことになる。 本作では、最序盤の盗賊討伐からして生徒一人一人に敵ユニット撃破時の台詞が用意されていたり、レベルアップ時の台詞で 明確に相手を殺害している 事を強調しているキャラが居るなど、戦争が命のやり取りである事を意識させる発言が従来よりもかなり多い。殊更に対立が激化する2部ではこの傾向が顕著となり、元生徒が心を擦り減らしながら戦う中で発する、悲痛で凄まじい台詞の割合も増えてくる(*25)。 一方、戦いに対する決意や前向きな展望を語るシーンも多く、決して辛気臭いストーリーにはなっていない。悲痛なセリフの数々は、あくまで生徒たちの強い覚悟からくるものである。 戦争のみならず、政治劇に関しても従来より作りこまれている。紋章の有無によって人生を狂わされたり、平民と貴族の軋轢に苦しむ者や、他の国出身ゆえにフラットな視線でフォドラを俯瞰する人物など、本作ならではの魅力的な要素も多く見られる。この描写は特に外伝シナリオにおいて顕著となっている。 また、従来の作品では高貴な血を引く存在が必然的に王となるケースが多かったが、本作ではそういった血統主義にも疑問を呈する動きを中心としたストーリーが語られ、物語に深みが増している。 + 黒鷲の学級 主にアドラステア帝国出身の生徒によって構成されている学級。 口より先に手が出るタイプの「カスパル=フォン=ベルグリーズ」や筋金入りの引きこもりである「ベルナデッタ=フォン=ヴァーリ」と言った他の学級と比較するとクセのある生徒が多い。また、生徒の一人である「ペトラ=マクネアリー」は、表向きはフォドラの外にある小国「ブリギット」からの留学生ということになっているが、実際はアドラステア帝国への従属を強いるための人質であったりと、強国ならではの歪みがそこかしこに見え隠れしている。 ただし、宰相の嫡子である「フェルディナント=フォン=エーギル」がエーデルガルトを一方的にライバル視している以外は諍いらしきものはなく、曲者ぞろいながら、生徒同士の仲そのものは良い。 このルートは最大の特徴として、第1部の終盤ある選択によって、第2部のシナリオ、および加入ユニットが全く違ったものとなる。端的にいえば、敵対を余儀なくされた帝国と教会、どちらにつくかというものであり、そのため本作は3つではなく4ルート分が存在することになる。再分岐は『if』が近く、主人公・プレイヤーに上手く感情移入を促した絶妙なタイミングで発生するため、非常に悩ましい選択となり、そのどちらであっても密に接してきた仲間と相争うことになるという、本作を最も象徴する展開が待ち受ける。 このため他のルートでは普通にスカウトできる「ツィリル」や「カトリーヌ」といった特に教会への忠誠心が強い面々は、このルートに限り教会につく「銀雪の章」が確定するまで仲間にならず、級長としても生徒トップクラスの能力を持つエーデルガルト(と従者の「ヒューベルト=フォン=ベストラ」)は逆に離脱、帝国につく「紅花の章」では「イエリッツァ=フォン=フリュム」が加入する。いずれも強力な戦力だけに、攻略面でも悩ましい"選択"を強いられる。 黒鷲の学級で加入するユニットは魔法を主力とする癖のある性能を持ったキャラが他より多いうえに、英雄の遺産やそれに対応するキャラクターが非常に少ない。それを抜きにしても2部での敵陣容がラスボス(*26)含めて3ルートの中で最も強く、特に紅花では短さゆえの育成余地の少なさも相まって他のルートより難易度が高めになっている。 + 青獅子の学級 ファーガス神聖王国の出身者が集う学級。女性にだらしない「シルヴァン=ジョゼ=ゴーティエ」や、貴族でありながら戦に自らの価値を見出そうとする「フェリクス=ユーゴ=フラルダリウス」などがいるものの、ドジなところもあるがかなりの努力家の「アネット=ファンティーヌ=ドミニク」や穏やかな性格で生真面目な「アッシュ=デュラン」など、3つの学級の中では比較的模範生も多い。一方で、フェリクスがディミトリに公然と皮肉を言ったり、ディミトリの幼馴染である「イングリット=ブランドル=ガラテア」が「ダスカー」の民であるという理由で「ドゥドゥー=モリナロ」を敬遠しているなど、生徒同士の関係があまりよくない。 この状況は、数年前に起きた「ダスカーの悲劇」が背景にある。これは当時の国王ランベールなどが死亡した、帝国の関与が疑われる大規模な殺傷事件で、現在の王国の情勢が非常に危うくなっている一因でもある。級長のディミトリは事件の当事者にして数少ない生き残りの一人で、表向きは好青年であるものの、内心では帝国に対し狂気を孕んだ復讐心を抱いている。また、この事件によってフェリクスの兄であり、イングリットの婚約者でもあった「グレン」が命を落としているなど、国と学級の両方に強い悪影響を及ぼしている。 一見すると「青が持ち色で、帝国によって窮地に陥り起死回生を狙う王国」というFEシリーズ従来の定番に沿っているように見えるこのルートでは、主に「ダスカーの悲劇」の真相究明の他に、復讐鬼に堕してしまったディミトリの救済が主なテーマとなっている。特にディミトリは、別のルートを選んだ場合は悲惨な最期を遂げるため、助けられた際の感動はひとしおとなっている。 このルートでのみ、第1部で顔見せしていた「ギルベルト=プロスニラフ」を加入させられる。加えて彼が青獅子の学級に所属しているある生徒の父親であることが正式に判明し、唯一、最後まで支援を進めることができる。また、フェリクスの父親である「ロドリグ=アシル=フラルダリウス」も一定期間同行(*27)し、ディミトリの救済に一役買うことになる。 他、加入キャラはディミトリを含め英雄の遺産の継承者や物理での直接戦闘に秀でているユニットが多く、第2部での敵も比較的に若干弱めの設定となるため、他の二つの学級と比べて攻略難易度が低めとなっている(*28)。 + 金鹿の学級 レスター諸侯同盟の出身者で構成されている学級。好青年を装う傍ら「猜疑心の塊」と自称するクロードや、サボり癖がある「ヒルダ=ヴァレンティン=ゴネリル」、極度なまでの悲観主義に染まっている「マリアンヌ=フォン=エドマンド」など、黒鷲ほどではないにせよ癖の強い生徒もいるが、身分に囚われていない事が多いためか、まとまりの良さは随一。 このルートは、主にクロードの意向によって、フォドラの歴史の裏に潜む真実を暴くことに主眼が置かれている。そのため、他の学級よりも明らかになる情報量が多く読みごたえがあり、クリアした際の達成感も大きい。また、解放王ネメシスが率いる「フォドラ解放軍」と戦えるのもこのルートのみである。 初期や他ルートでこそ胡散臭さを見せるクロードも、やがて主人公を「きょうだい」と呼ぶなど無二の相棒となり、第2部では自らの生い立ちを語るシーンが描かれるなど、戦乱の種に独自に立ち向かう路線と相まってますます好青年っぷりに磨きがかかる。他の生徒たちも、2部においても前向きな姿勢をほとんど変えていない(*29)など、他のルートと比較すると明るい面が目立っている。 攻略に関しては、他ルートと比べて強力な前衛向きのユニットが少なく、弓が得意な生徒が多いなど癖の強めな陣容となる。 作り込まれたキャラクター設定 本作ならではの大きな特徴の一つとして、味方キャラのほとんどにフルネーム(*30)と、年齢、身長、経歴などのプロフィールが設定/開示されている。従来のFEでは、支援会話などである程度のバックボーンを理解できるようになっていたが、本作では設定を補強する要素を多数閲覧できる上に、生い立ちや家族構成などもはっきりとわかるように作られている。とりわけプロフィールに記載されている「好きなもの」「嫌いなもの」は、プレゼントの際に参考になるように設定されており、攻略のヒントとしても十分に機能している。 「お約束」からの脱却を図った結果として、メインキャラも従来とは大きく方向性の異なるキャラ付けが多数登場している。主人公は傭兵団団長の子供という、『蒼炎の軌跡』主人公の「アイク」に似た立場となるが、性格はそれまでのFE主人公とは大きく異なり、寡黙で感情をほぼ現さない。また、他の成長途上の主人公たちと違いストーリー開始時点からフォドラに名を馳せる熟練の傭兵として描かれている。そのため戦闘以外のイベントでも必要であれば敵国の人間を躊躇なく殺害することもある。(*31)しかし、その確かな剣術と用兵術は教え子たちの信頼を得る最大の武器となり、主人公自身も次第に教え子たちを大切に思う場面が増えていく。また、慣れない修道院生活の中で、どこか天然ともいえる仕草を取る事もあるなど、コミカルな部分もしっかり持ち合わせている。こうしたバランスの取れている性格から主人公キャラとしてプレイヤーがストレスを感じにくく、キャラクターとしても好評である。 主人公たちが所属しているセイロス教会の大司教である「レア」は、表向きは慈悲深い聖女のような振る舞いを見せるが、教会に逆らうものは容赦なく処刑しようとする、主人公の父親でありかつては彼女に従っていたジェラルトからも警戒されているなど、明らかに従来では敵側にいるような油断ならない人物として描写される。一方で、単なる腹黒キャラとも全く異なる面も多く見受けられるなど、パターンにはまらないキャラ付けがなされており、これまた癖は強いが、それだけの個性を示している。 各学級の級長たちは、主人公に並ぶ主要人物として大いに活躍する(*32)。彼らは、基本的には主人公に対して友好的だが、3人共「目的のためには手段を択ばない」面が共通している。彼らの腹の内を探り、その内面を深く理解し絆を勝ち取っていく流れが、感情移入を促す要素として機能している。 生徒たちも、それぞれに趣味や嗜好があるほか、世界観が緻密に描かれた影響から、全員がメインキャラと呼べるほどの存在感を持っている。実際、選択した学級の生徒は本編中のイベントシーンでも、ロストしていない限り全員ほぼ毎回セリフを発する。「加入章だけ目立った出番がありその後は空気化する」という扱われ方をするキャラは、本作には存在しない。 また生徒以外も、紋章の研究に命を燃やす教師「ハンネマン=フォン=エッサー」や、可憐ながらも天然な性格が魅力の「フレン」、主人公の父ジェラルトを敬愛する修道院お抱えのセイロス騎士団所属の「アロイス=ランゲルト」、元傭兵上がりで同じくセイロス騎士団に身を置くクールスナイパー「シャミア=ネーヴラント」等、生徒以外にも魅力的なキャラクターたちがストーリーに華を添えている。 敵キャラもまた例外ではない。第1部の黒幕である炎帝や死神騎士や、「闇に蠢く者」はもちろん、序盤のボス敵で、いかにも簡単にやられそうな山賊と思いきや、部下から人望を集めていたことがあとでわかるようになっている「コスタス」、アッシュの恩人でありながら教会に対して反乱を起こす「ロナート卿」、カスパルの親戚で「家族のために戦う」という大義を持ちつつも視野の狭さが命取りになる「ランドルフ=フォン=ベルグリーズ」など、個性、および魅力あふれるキャラクターが多数揃っており、今までに見られた「マップに出てきてただやられるだけの名有りモブ将」はほぼ存在しない(*33)。 名無しのモブキャストすらも、個性あふれる面々が揃っている。 本作も、戦闘マップ上で村や民家を訪れることは基本的にできない(*34)のだが、その分、修道院内で、騎士団や教会の人物などとの会話が可能となっている。会話内容は月ごとに異なっており、その場面に即した話や、裏話的な要素を楽しむ事ができる。会話できるキャラクターには、戦争で難民になったり家族を失った者、セイロス教の教義と現実との乖離に悩む者など多彩な立場の人間がおり、世界観の深さをアピールするために一役買っている。中でも人気を集めたのは、修道院の門番を務める青年。「先生、お疲れさまです!」から始まる彼の話は、癒し系として多くのプレイヤーから人気を集め、その結果、名前不明にもかかわらずメインキャラクターに匹敵する知名度を獲得した。(*35)より一層キャラクターの魅力が引き立てるように、やはり彼らモブキャラ達も例外なく全員フルボイスである。 また、会話の中にのみ触れられる登場キャラらの関連人物も多いのだが、それらの特徴づけも丁寧に行われており、プレイヤーの話題に挙げられる事が多い。中でも取りざたされやすいのは、カスパルの父親である「ベルグリーズ伯」と、ヒルダの兄である「ホルスト卿」。いずれも尋常でない強さを誇っていることが明かされており、本作中に一切登場しないにもかかわらず人気の高いキャラとなっている。他にも、イングリットの父親で、娘思いながらも婚約を進めようとする「ガラテア伯」や、虐待に近い教育を施したことで娘であるベルナデッタから憎まれている(*36)「ヴァーリ伯」など、良くも悪くもインパクトの強いキャラクターが目白押しとなっている。 緻密な世界観設定 本作では、キャラクターのみならず、領地や国の設定も非常に凝っている。たとえば、シルヴァンの実家であるゴーティエ家は、たびたび北方から攻め寄せてくる蛮族の国「スレン」と山を挟んで領土が向かい合っているため、それを撃退するための軍備が不可欠で、それゆえに家に伝わる英雄の遺産「破裂の槍」を使いこなせる紋章がないと家督を継げないという掟がある。 また、従来の作品は、舞台となる一つ、ないし二つの大陸のみで完結していたものがほとんどだが、本作ではフォドラや上記のスレン以外にも、西方の「ブリギッド」や、南方に位置する「ダグザ」など、複数の国や大陸がある事が明かされており、そういった多数の外部勢力は実際に物語にも絡んでくる。また、実際にフォドラの外からやってきたキャラクターも複数存在する。これらのように、総じて世界観が非常に練られているため、考察のしがいがある。 修道院を散策すると、その節で起こった出来事やフォドラの情勢に対して、すべてのキャラクターが異なる角度から意見を述べる。直近のストーリーを理解するために必要な情報はそこで整理されるため、設定の多さや複雑さに圧倒されることはあまりない。 これらの要素から、「キャラクターの設定や会話がテンプレ的(*37)、ノリが軽すぎる」「世界観の描写・練り込み不足」と近年のシリーズ作品で批判されていた問題点は解消されたといって良いだろう。 充実した支援会話やキャラ関連のイベント 本作では、イベントが発生した時期などに応じて、細かく支援会話の内容が変化する。 一例として、イングリットが化粧の話を振られた場合、別キャラの支援会話で化粧を勧められていると「少しだけ経験している」と話し、そうでない場合は「未経験」と返すなど。さらに食堂での食事に誘ったキャラ同士が支援会話の内容で反応もその都度変わるという凝りっぷりである。(*38)また、異なる学級の生徒同士でも支援会話を発生させることができるうえに、同じ組み合わせの会話でも、最初に選んだ学級によって内容が変化するなど、緻密かつ丁寧に描かれており、すべての会話を拾うためのプレイを楽しむユーザーなども目立つ結果となった。複数のキャラとの支援会話の内容での矛盾などは過去作から問題視されていたが、本作ではその問題を直接的に解消したともいえる。 スカウトシステムの関係で第二部では元は同じ学級だった者同士で戦闘が発生する場合もあるのだが、そんな組み合わせによる専用の戦闘前会話も多数用意されている。繰り広げられるやり取りの悲痛さはFEシリーズでも屈指のものである。 ただし上記のように時期の違いやスカウトによる所属の変化など、本当に細かい所でも変化するためそのテキスト量は膨大となっており全てを網羅するのは至難どころではない。発売から時間が経過してもなおふとした所から新たな派生会話がどんどん見つかっている程。 そしてその細かい差分も含めた膨大なテキストを、前作と同様にフルボイスで楽しめる。豊永利行氏や石川界人氏、悠木碧氏や花守ゆみり氏、長妻樹里氏などといった、豪華声優陣たちの名演をより多く楽しめるようになっている。 支援Sも含め、支援会話は基本的に特定EP間内で解放可能になる(支援値の蓄積は制限なし)という制限がつくようになった。これによって支援Sまでの過程や交流がきちんと明確に描かれているので『覚醒』と『if』のような戦争中のプロポーズや唐突なシナリオの展開など、過去作で問題視とされていた点が大幅に改善されている。どれも内容は好評で推しだったキャラクターがさらに好きになってしまうプレイヤーも多い。 加えて同じキャラの組み合わせでも、選んだルートによっては後日談の内容がガラリと変わるようになった。そのため本作はペアエンドも従来作品と比べても膨大かつ多種多様になっている。 『覚醒』と『if』から同性同士のペアエンドは続投しているが、親友や主徒等の結婚だけではない結末も多く、どちらかと言えばGBA三作に近いものとなった。こちらもまた別の信頼の形である、と好評。 支援会話は従来作のような立ち絵のスチルではなく3Dモデルによって行われる。これによってキャラクターのある程度細かい表情や動きが表現出来るようになった。特にベルナデッタはネタ的にも活用されており、ヒューベルトに驚いて立ったまま気を失うベルナデッタといった迷シーンまで生み出された。 内容も第三者が登場したり場面転換が行われるシーンも大量に増えてバリエーションが豊富になった。 クラシックモードの作りこみも充実しており、それまでのシリーズでは後のイベントで出番があったり、物語上で重要なポジションにあるキャラはクラシックモードであっても負傷撤退(ユニットとしてはロストするがイベントには参加)することが多かったが、本作の第二部では進行役のごく一部のキャラ(基本的に1名、銀雪のみ2名)を除いては戦死するようになっている。 戦死したキャラが登場するイベントでは代役が立てられたり、イベントそのものが省略されるなどの調整が図られて物語に矛盾が起こらないようになっている。またキャラの戦死によって別のキャラの支援会話や本編のセリフ、後日談が細かく変化する事もある。 第一部でロストしてしまった場合、全員がその場では撤退扱いとなるのだが、第二部には登場しない。この場合、後日談では「第二部までの間に各々の理由(別の戦場で戦死、結婚、行方不明等)で味方に合流できなかった」事が語られる。 今までのシリーズで感じられたクラシックモードでプレイしているのに死なないキャラが多いといった点、キャラの生死が関わるので、仲間になった後はほとんどメインイベントに参加しなくなるといった問題点が尋常ではない作り込みにより解消されたといえる。 章開始時のナレーションが復活 『覚醒』以降で不採用となっていた、章開始時のナレーションが新作としては久々に復活した。 独特の宗教画のようなタッチの一枚絵と共にフォドラの季節や人々の習慣を説明するパートが初登場。もちろん従来の勢力の動向を解説するマップ形式も存在している。(*39)大塚明夫氏(ジェラルトと兼役)の穏やかな声も交え、こちらも高い評価を得ている。 良質なテキスト 上記の、主にシナリオに関する評価点をさらに上質にしている要素が、テキストである。上述したシナリオ、ナレーション、散策、支援会話など、いずれも読み進めやすいうえに矛盾が少なく、没入感をさらに深めるフレーバーとして機能している。 固有名詞を除いて、いわゆる外来語(カタカナ言葉)が一切使用されていないのも、本作ならではと言える特徴の一つ。この要素は、フォドラが他国との交流が上手くいっていない、あるいは意図的に断っていることの証左にもなっている。 二つの時代をまたぐことで、大きく作風が変わる。 本作の物語は、第1部(学園編)の「白雲の章」と、第2部(戦争編)に大別される。第1部では、受け持ったクラスを指導しつつ、「課題出撃」と呼ばれる月末のイベントをこなし、フォドラにおける現状を把握していく。その中で、修道院の付近で暗躍する二つの勢力「炎帝軍」「闇に蠢く者」の存在が明らかになり、彼らの陰謀を阻止するために主人公と教え子たちが活躍していく。こちらの章は、立て続けに事件が起こるものの、戦争中というわけではないため表面上の情勢は穏やかである。しかし、終盤でガルグ=マク大修道院が大きな戦に巻き込まれ、その中で主人公は致命傷を負って行方不明となり、内なる存在によって5年にわたって肉体を修復される事となる。 5年後となる第2部は、前述したルート分岐によって「翠風の章」「紅花の章」「銀雪の章」「蒼月の章」の4つに分かれる。見てわかる通り、この4つを組み合わせて、本作のサブタイトルとなる「風花雪月」となる。 こちらは、復活を果たした主人公がかつての教え子たちと再会し、彼らと共に戦乱を生き抜くという内容になっている。主人公は生命活動が停止していたため姿は変わらないが、教え子たちは5年の時を経て、外見・精神共に大きく成長しており、中には別人のようにたくましくなる者もいる。 こちらは、1部とは打って変わってハードな展開が終始展開され、本作が「戦争」を描くゲームであることを認識させられる。基本的にストーリーの重点は第2部にあるが、いずれのルートも、比較的平穏であった第1部における展開があってこそ、という内容になっている。 なお、ギルベルトとイエリッツァ以外は、全て1部と2部の両方で使用可能となっている。 「ファイアーエムブレム」という概念が、物語と深く関係している。 本作では、前述した「紋章」の中に、ずばり「炎の紋章(Crest of Flames)」と呼ばれるものが存在する。これは、かつて「解放王」と呼ばれたネメシスが宿していた特別な紋章で、ネメシス没後の現在は主人公以外に宿している者はいないとされる。物語の中でも特に重要な存在として描かれる、「ファイアーエムブレム」である。 また、本作以前の紋章(*40)に関する描写は、ほぼほぼ婚姻による継承のみに絞られていた。しかし本作では、それ以外のケースによって紋章を与えられている事例が存在し、それらの要素がストーリーにも大きく影響している。この事情は主人公の「炎の紋章」についても無視できず、素性不明(ネメシスの子孫ではないことが推察できる程度)の主人公が、なぜネメシスと同じ紋章を所有しているのかは本作最大の謎の一つとしてプレイヤーの興味を煽ることになる。 自由度が高い 本作の技能レベルは、扱える武器の種類などだけでなく、クラスチェンジや魔法、戦技、スキルの修得などありとあらゆる能力育成要素に関わっているため、従来よりも重要になっている。講義や訓練の時間は主にこの要素を伸ばすためにあてがわれるため、どの生徒をどういう風に育てるかを、ある程度自由に調整できる。 主人公や級長は、それぞれ専用クラスがいくつか存在するが、あえて他のクラスにつかせる事も可能で、場合によってはそのほうが有利に働く事もある。 個人スキルや紋章を変更する事はできないが(*41)、『聖戦』とは異なり、紋章の有無が性能に直結する事はない。育成を怠らなければ、すべてのユニットを活躍させる余地が十分にある。プレイング次第では意外な適性を見出すことも可能で、同じキャラクターをまったく別のクラスに就かせて活躍させるのも楽しみの一つとなっている。 『外伝』と同様にキャラクター毎に習得魔法は異なる。中には意外なキャラが強力な魔法を覚えたりするのであえて魔法職にしてみるというプレイも可能。「戦技」も同様にキャラ毎に個別となるので高い自由度を維持しつつ無個性にならないように配慮されている。 シナリオにおいても例外ではない。一切スカウトをせずに自学級の生徒のみで攻略したり、好きなキャラのスカウトのために交流を繰り返す、といったプレイのほか、メルセデスとイエリッツァや、アネットとギルベルト、リンハルトとカスパル、フェリクス、イングリッド、シルヴァンの幼馴染トリオなど、あえて仲の良いキャラクター同士を対立させるためにその片方だけをスカウトする、といった 鬼畜 プレイも可能。さらに、他学級の生徒同士で支援を結び、独自のペアエンドを見ることもできるうえ、選択した学級によってその内容が変わることもあるため、繰り返し遊ぶモチベーションの増加につながっている。 良質なグラフィックとBGM 昨今において高い評価を得ていたグラフィックとアニメーションは、本作においても好評。 本作では、舞台となるマップの拡大が可能となっており、ユニットが騎士団と共に戦っていたり、マップの中に様々な要素を見ることができる。 倉花千夏氏によるキャラクターデザインもおおむね評価が高く、据え置き機ならではの、高クオリティのイベントムービーがそれらを彩ってくれる。前述したナレーションにおける一枚絵も、独特の味があると好まれている。 BGMも、戦闘曲から日常曲まで優れた出来のものが多数揃っている。 戦闘曲に関しては特に評価が高く、勇ましさを前面に押し出した曲調の「天裂く流星」や、戦争の重々しさを体現したかのような「野望の地平」、三つの勢力が相争う「鷲獅子戦」で「鷲獅子たちの蒼穹」や「天と地の境界」、かつての味方同士の戦闘シーンという悲惨なシチュエーションをより強調する「交わらぬ道」、シリーズでも特に異質でメカニカルな雰囲気を放つ「シャンバラEx-エリア017」、そして、最終マップで流れる「花片の葬列」「この世界の頂で」「神を屠る星」などなど、シリーズの中でも名曲が多いことで知られている。「風塵回廊」や「鉑鎖の群狼」などといった、DLCによって追加された曲も高い評価を受けている。 また、主題歌である「フレスベルグの少女」も、歌曲自体の美しさや、シチュエーションに即していることなどから人気が高い。 魔法の使い勝手が向上 本作の魔法は、魔導書ではなく魔法特有の使用回数を消費することで使用可能。さらに、マップをクリアすることで使用回数が最大値まで回復するため、非常に使い勝手がよくなっている。 「外伝」「Echoes」で搭載されていた「地形効果無視」も健在で、戦技や射程の面でリードしている弓と差別化が図られている点も魅力。 DLC『煤闇の章』について 「級長3名が共闘する」という本編では冒頭にしかない希少なシチュエーションを楽しむことが可能。また、自由行動が制限されているが、兵種変更自体はある程度可能なので、攻略するにあたって試行錯誤を楽しむことができる。また、敵のほとんどが剣殺し、槍殺し、斧殺しのいずれかを所有しているため、疑似的に3すくみを体験することも可能。 戦術マップは、従来の伝統に則ったシビアなシステムを継承した上で、本編よりも一段手強い難易度で組まれている。ノーマルモードでもある程度の歯応えが楽しめ、ハードモードは本編におけるルナティックに匹敵する(*42)。本編以上に個性的なギミックも多い。 シナリオそのものも、本編に劣らず優れており、華々しい雰囲気の修道院の暗部である「アビス」の探索や、その住人たちである「灰狼の学級」の生徒をはじめとした個性あふれる面々とのふれあいを楽しめる。さらに、主人公の母親である「シトリー=アイスナー」についての情報を得ることで、彼女とジェラルトの馴れ初めなどもある程度知ることが可能となっている。 アップデートで改善された点 難易度「ルナティック」の追加 発売当初は「ノーマル」と「ハード」のみだったが、Ver.1.0.2最上級難易度「ルナティック」が追加された。 『Echoes』から引き続き実装された行動巻き戻し機能「天刻の拍動」をはじめとしてプレイヤー側に有利なシステムが多く、「ハード」までの難易度はシリーズの中でも簡単な方だと言われていたため、高難易度の追加は喜びをもって受け入れられた。 敵の能力とスキルが飛躍的に強化されており、「手ごわいシミュレーション」に相応しい布陣がプレイヤーを迎え撃つ。システム面でも距離3以上の弓攻撃に対する命中補正がより厳しめ(*43)、レベル帯の近い敵ユニットから得られる経験値が激減、一部を除いた敵増援が出現ターンから即行動に変化するなど、「ハード」以下とは打って変わって大幅にシビアな戦闘バランスへと変化している。その結果、味方の能力値を上昇させる「応援」コマンドや、命中率を上昇させるスキルの重要性が向上しており、ハード以下では活躍させづらかったアネットやイグナーツの使い勝手がよくなり、スタメンとして起用されやすくなっている。 修道院パートなどの仕様は据え置きなためプレイヤー側が対応する余地も十分に残されており、先述のセーブデータ引継ぎを利用してかなり楽にすることも可能。この点は後の週刊ファミ通による開発者インタビューにて「引継ぎ前提のゲームバランス」であることが本作のディレクターより明言されている。セーブデータを引継がずに「ルナティック」をクリアした場合はタイトル画面が変化するというささやかな特典が存在する。 回想モード 本作の回想モードでは、従来から可能だった支援会話やムービーに加えて、ストーリー上の会話パートに関してもある程度閲覧できるようになっているのだが、当初は第1部中盤で発生する「女神の塔」でのキャラクター別固有イベントは後から見返すことができなかった。 このイベントは主人公と一定以上の支援レベルにあるキャラクターから1人をあらかじめ指定して、それぞれの人物像について少し踏み込んだ会話がされるというもので、性質上発生・回収に手間がかかるため、見返すのに苦労しやすい部分だった。 Ver.1.0.2以降、発生させたことのあるキャラクターについては再生できるようになった。 UIまわりの改善 各キャラクターは最大6個のアイテムを所持でき、ドロップや報酬などで所持数が7個以上になった場合は超過分を輸送隊に預けるか廃棄することになる。 しかし当初は「輸送隊に送るアイテムを選択する」ダイアログと「廃棄するアイテムを選択する」ダイアログが非常に紛らわしく、且つ「Bボタンを押すだけで廃棄と輸送隊が切り替わる」という仕様から、誤操作で預けるべきアイテムを廃棄してしまう事態が起き得る状態であった。 Ver.1.0.2以降、「輸送隊モードから廃棄モードに切り替える際はその旨をポップアップで通知する」「廃棄モードにて廃棄を赤文字で強調する」改善がなされた。 支援会話関係 Ver.1.2.0以降はエキスパンション・パスを導入し「アビス」の「占星術師」という機能を解放することで、ペアエンド成立の条件を満たしていれば1周回につき1組だけ組み合わせを固定することが可能になった。ただし消費する名声値が 10000Pt と非常に高額であり、クリアデータ引継ぎなしでの周回で利用するのは非現実的。 当初はセーブデータの最大保存数が5つしかなく、ルート分岐があり内容が細かく変化するゲームとしては物足りない数であった。 2019年11月に配信されたVer.1.1.0によって、セーブデータの数が大きく増えた。 新たな仲間の加入 2019年11月に配信されたVer.1.1.0以降、サイドストーリーによる追加キャラを含めて6名の仲間キャラが追加されている。 無料(パスなし)で使用できる1名はルート限定キャラで、ストーリー上は加入してもおかしくない流れであったにも拘わらず当初は序盤で姿を消していたため、多くのプレイヤーが加入を喜んだ。 エキスパンション・パスによる追加キャラ5名は、いずれもクリア後の特典である紋章の付け替えでのみ存在を見ることができた、発売当初の本編には登場しない紋章を持ったキャラである。 中には既存のキャラクターに縁が深いキャラもいるが、導入しなくともストーリーには問題がなく、いずれも世界観に深みをもたらす存在になっている。 サイドストーリーの、本編へのフィードバック サイドストーリー「煤闇の章」の最初のエピソードをクリアすれば、本編の散策でアビスに行けるようになり、新たに追加されたクラスの資格試験を受けるための「特級試験パス」の入手等をすることができる。また、さらにエピソードを進めると、本編において灰狼の学級のメンバーを主人公の能力にかかわらずスカウトできるようになる。 灰狼の学級の生徒にも、主人公や同じ学級のみでなく他の学級の生徒との支援会話も用意されており、散策時のイベント等も遜色なく用意されているため、再度プレイするためのモチベーションの増加にもつながっている。 サイドストーリーをクリアしてさえいれば、スカウトが解禁される時期は非常に速い上に技能や能力関係なくスカウトできるので攻略の幅を広めてくれる。得意不得意がはっきりしているキャラが多く、前衛アタッカー・壁役・魔法役とどの学級においても非常にありがたい精鋭が揃っている。 賛否両論点 一部シナリオ + ネタバレ注意 「銀雪の章」は黒鷲の学級から分岐し、三級長のいずれにもつかず教会に味方するルートとなるが、シナリオの中でやることは「翠風の章」とほとんど変わらない。明確に分岐するのは最終エピソードに入ってからで、銀雪の章ならではの展開は、主人公の出生の秘密が判明することや、あるキャラとのペアエンドくらいと、比較的少ない。 ただし加入メンバーは大きく異なり、修道院の散策や支援会話、登場するNPCや敵ユニットも変化する。同じ状況であっても同じストーリーではないので、局地的なキャラクター描写やテキストを重視する上では気にならない。 また、本作最大のキーパーソンであるエーデルガルトを自学級の生徒として接してきたか他学級の級長として接してきたかでは、同じ道のりでも印象は異なるものとなる。また、銀雪の章は教会の中心人物であるセテスが他のルートの級長の役割を担っているので、彼をはじめとした教会関係者を好むプレイヤーには、一見の価値がある。 「蒼月の章」「翠風の章」ルート(*44)における第2部に存在するマップ「グロンダーズの会戦」では、帝国、王国、同盟、それぞれの盟主が集い、三つ巴の争いを繰り広げる。この点は、第1部で行われた「鷲獅子戦」の再来として、大いに盛り上がる場面となっている。 ただし、この段階において王国と同盟は敵対しているわけではない。「翠風の章」では、王国の盟主であるディミトリが帝国への憎しみのみで動いているため、同盟を邪魔ものとみなして攻撃をしかける事も不自然ではないが、「蒼月の章」では、同盟側のクロードが特に王国に敵意を持っていないにもかかわらず(*45)、容赦なく攻撃を仕掛けてくる。「霧が濃くて様子が分かりにくい」という旨が語られたり、エーデルガルトが「敵も味方もわからないほどの乱戦に持ち込んであげる」と発言するなど、不自然ではない状況にするための描写は見られるのだが、実際のマップであまり反映されていないのが惜しいところである。もっとも、実際に索敵マップになった場合、もともと高い難易度がさらに激増するため、やむを得ない措置とも言える。 「闇に蠢く者」について + 複数のルートにまたがるネタバレ 「闇に蠢く者」は基本的に敵として扱われ、最終的に壊滅させられることになる。それ自体は作中で働いた悪行を考えれば当然であるものの、いずれのルートであっても完全な決着には至らない。 それぞれ互いの勢力との激突が主軸となっている「紅花の章」および「蒼月の章」ではプレイヤーのあずかり知らぬ所で倒されてしまう(*46)一方、他の2ルートとは違い、彼らが保有する禁術に関する情報を十分に得ることができず(*47)、残党との戦いにおいて不安要素を抱えた状況で終わっている。 「翠風の章」「銀雪の章」では直接の総力戦となるが、他の2ルートでは倒すことができていた幹部の一部が登場せず、取り逃がした可能性が残っている。 いずれにしても、彼らの組織構造や技術の出所、行動理念などの詳細を彼ら自身の口から聞くことはできない。特に「紅花の章」では闇に蠢く者と一時的に共闘する展開が存在する(*48)が、なぜ帝国と彼らの利害が一致するのか、メインストーリーだけを見て理解することは難しい。 ただし、こうした未決着の部分は、複数のルートの情報を照らし合わせることで初めて浮かび上がってくるものであり、考察に深みを与える要素として意図的に残されている節もある。DLCではこの点が補完されており、かなり核心を突いた手がかりが提示されている。 現在有力な考察の中には作中で描かれる価値観を根底から覆しかねないものもあり、味方側から見れば単なる悪党でしかなかった彼らの「正義」らしき側面も示唆されている。それを踏まえると、全ルートで決着がつかず戦いが続く結末にも含蓄を感じられるかもしれない。 なお、スピンオフ作品にあたる『無双 風花雪月』では、闇に蠢く者に限りなく近い存在でありながら良識的な考えを持つキャラクターが登場するため、こちらをプレイすることでより深く理解することが可能となっている。 大団円を迎えるルートは無いため、全ての味方キャラが救われるわけではない。第1部でのスカウトや第2部での行動(*49)で犠牲を減らすこともできるが、それができない他学級の生徒は、紅花の章のリシテアなど、一部の例外を除いて悲惨な結末に至る。 このことも、「戦争らしくて良い」とする意見と、「仲間になるキャラを殺害するのはきつい」という意見により、賛否が分かれている。 修道院での行動について 本作はとにかくできる事が多く、戦闘マップ以外にも様々な事柄に挑戦できる。 それだけに手間も大きいため、面倒に感じるという声も存在する。 戦闘マップ以外の行動をスキップすることもできるが、その場合は技能レベル・指導レベルやアイテムの面で不自由することになる。 兵種関連 本作の兵種は、「特殊職」「初級職」「中級職」「上級職」「特級職」「最上級職」とわかれているが、特級職と最上級職は「複数の技能を組み合わせた兵種」という、やや癖の強い性能をしている事が多く、今まで全く触れてこなかった技能を高レベルで要求されてしまうことがある。また、「馬術」「飛行」「重装」は、対応するユニットでなければ戦闘で経験値が入らないため、そちらの資格試験を受験する必要も生じる。そのうえ、最上級職になるために必要な技能は1周目ではある程度レベルを上げなければ確認すらできない。そのため、ルートによってはクリアまでに最上級職にチェンジできないユニットが多くなりがち。 ただし、一芸特化のユニットは、最上級職より上級職の方が十二分に実用化できることがある。たとえば、剣使いとして運用するならば魔法も扱える最上級職の「エピタフ」よりも上級職の「ソードマスター」が力,速さ,必殺率などの攻撃性能が優れており(*50)、理学が苦手なカトリーヌなどは、剣と格闘を鍛えた方が強くなりやすい。弓兵の最上級職は騎乗による高移動力と弓射程+2の兵種スキルにより強力な移動砲台となる「ボウナイト」だが、クラス成長率がほぼ無くなるという弱点もある。上級職「スナイパー」では成長率の補正はボウナイトよりも高く、加えての専用戦技「ハンターボレー」はそれらの長所と比肩する強力な攻撃である。あらゆる魔法の使用回数を2倍にできる最上級職「グレモリィ」も、使用するのが白魔法のみ且つ回復量を重視するのであれば使用回数が2倍かつ「白魔法回復+10」を持った上級職「ビショップ」のほうが有利となる(*51)。 一方、上級職の「勇者」は、男性限定であるうえ適性武器が一致する最上級職が存在しない(*52)ため、スキル以外の面ではクラスを獲得する意義を見出しづらい。さらには「斧の達人」を持っていないため、斧を装備する意義が薄い事や、すべてのクラスがあらゆる武器を装備可能になった事で、剣と斧を使い分けて戦うという従来の優位性が無くなった事も向かい風となる。 闇魔法を得意とする「ダークメイジ」・「ダークビショップ」の資格を獲得するには「闇魔法試験パス」という専用アイテムが必要(*53)になるのだが、この入手が初見だとかなり難しい(*54)。また、これらは男性のみしか資格を得られない。 「闇魔法試験パス」という名前の割に闇魔法に直接影響があるスキルはドーラΔのみ。その他のスキルも弱くはないものの、ウォーロックやビショップと異なり「魔法回数×2」がない分それらよりやや使いづらい。 格闘系の最上級職「ウォーマスター」が男性限定、理学・信仰を統合した最上級職「グレモリィ」が女性限定のため、逆の性別でそれらが得意武器の場合最終目標にできないためやや勿体ない事になる。 女性は、格闘技能ボーナスが2以上ある兵種が、女主人公の専用職「ニルヴァーナ」とエキスパンション・パス導入後に追加される特級職「バトルシスター」の二種類と少なく、戦闘で技能値を上げづらい傾向にある(*55)。また、グレモリィのほか、エキスパンション・パスで追加された攻撃魔法系の強力なクラス「ダークペガサス」「ヴァルキュリア」も同じく女性専用であり、男性専用の「ダークビショップ」の性能が微妙なことも重なって「魔法系が得意な男性キャラ」が不遇な立場にあると言える。しかしいずれも該当キャラは少なく、実戦的な運用に困るほどではない。 性別制限のないクラスのほとんどは「槍術」「馬術」「飛行」のスキルが必要(*56)となる。魔法職の「ホーリーナイト」「ダークナイト」や重装職の「グレートナイト」も例外ではない。 これらの点は、さまざまな育成方法を模索する楽しみを与えてくれる反面、終着点を定めにくいという難点があり賛否両論となっている。 回避有利、受け不利のバランス 本作では回避を高める方法が豊富であり、敵の命中率を比較的容易に0%にできる。そのため、いわゆる「回避盾」のユニットが非常に強力。 特に手軽に回避を上げるスキルに「警戒姿勢(*57)」があり、敵の真っ只中に待機させて反撃する地雷戦術が通用しやすく、最高難易度「ルナティック」の最適解とされることも多い。このスキルは飛行技能の育成で習得できるため、後述する飛行と騎馬のクラス格差にも繋がっている。 「計略」の命中率は魅力に依存するため、騎士団持ちが相手の場合は回避地雷を破られることもある。逆に言えば、魅力さえ上げればあまり脅威にならなくなる。 一方、アーマー系など、攻撃を喰らうことが前提の盾役ユニットはやや不遇気味。 最大のデメリットは、ダメージを受けると騎士団の戦力が削られてしまうこと。騎士団の戦力はマップ内で回復する手段が限られており、いったん壊滅してしまうとユニットの性能がガタ落ちする。このシステム上、長丁場のマップでは細かな被弾すら避けて進むのが本作のセオリーであり、それが難しい受けユニットは活躍させにくい。広大なマップが多いのも逆風で、移動力の低さが足を引っ張りがち。ただし、グレートナイトになればこの点は克服できる。 反面、新要素の「副官」として起用した場合の能力は強力であり、デメリットも無視できる。少数ながら回避盾が苦手とする状況で代打を務められるポテンシャルもあり、総じて過去作の常識が通用しない、玄人向けに仕上がっていると言える。 前述した通り、アーマー系はクラスチェンジ資格を得るだけで(実際にそのクラスにならなくても)守備の最低値にボーナスが付くことも無視できない。特に、リシテアのように守備の成長率が低いユニットにとってはかなりのメリットとなる。このほか、速さが低いというデメリットは、ウォーマスターのマスタースキル「切り返し」である程度相殺できる。そのため、ドゥドゥーのような、守備に特化した性能を持つ男性ユニットは、アーマー系の方が役立つことも多い。 難易度「ルナティック」の調整 ルナティックで出現する敵の力と速さが、凄まじい(*58)インフレを起こしている。 このため、速さに特化して育てたエースユニットでもなければ一回の攻撃に耐えることすら難しい。特に相手の弓兵にはスキル「蛇毒(攻撃がヒットした場合その攻撃がノーダメージであっても相手の最大HPの2割のダメージを与える)」が追加されており、どれだけ守備をあげても避けなければ体力をじわじわ削られてしまう。結果、前述の回避狙いに頼らざるを得ない場面が多々あり、HP・守備・魔防が半ば形骸化している。 他方、こちらも計略や戦技を連発すれば一方的に敵を薙ぎ倒せるようになっているので、やや大味ながらもバランスは取れていると言える。「攻撃を耐えられない/避けられないユニットだから活躍できない」といったことはない。 ルナティックに限り、過去作のように増援が出現後即行動となる。不意に現れた増援に脆い味方が一撃で落とされる事態が起こりやすい。 「天刻の拍動」でターンを巻き戻せるようになったので、過去作の増援即行動に比べれば温情はある方。半強制的な巻き戻しポイントが存在することにより、巻き戻し回数が増える終盤でも緊張感が保たれるという評価点もある。それでもなお、理不尽なやり直しを強いられることを嘆く意見は少なくない(*59)。 魔法武器関連 「サンダーソード」や「ボルトアクス」などの「魔法武器」は、鍛冶屋で鍛えることで射程が1-3となる。そのため、普通に魔法を使うより、魔法武器を使ったほうが有利なこともあり、魔法を修得する意味が薄いのでは、と考えるプレイヤーもいる。 ただし、魔法の方も、特殊な装備やスキルによって射程を伸ばすことが可能となっている。技能経験値を稼ぎにくい高難易度では魔法系ユニットの武器技能を磨く余裕がないこともあり、魔法を使う利点が大きい。 第2部のキャラクターボイス 第2部では第1部から5年が経過したことで、主人公や士官学校の生徒たち、ツィリルのあらゆるボイスが差し代わり、雰囲気も大きく変わる。これはシリーズの中でも唯一無二の要素で、5年間でそれぞれに大きな変化が起こったことを物語っている。中でも、主要人物であるディミトリとクロードの変化は著しく、ファンからも好評を得ている。 一方で、一部のボイスが第1部と共通なので、場合によっては違和感が感じられる事がある。特にイグナーツは第2部では声変わりで声が低くなるのだが、一部の支援会話、食堂のやりとり、修道院で近づいた時の挨拶、お茶会の選択肢などで声変わり前の第1部のボイスが使われており、突然甲高い声で喋りだすので違和感が激しい。 なお、セイロス聖教会・士官学校の大人たちも、すべてでこそないが一部のボイスが差し代わる。ただしDLCで加入させられるアンナのみ、第1部と第2部でまったくボイスの変更がない。 問題点 騎兵と飛兵の差が激しい。 評価点において記述した通り、本作では基本的に、兵種問わず全ての武器を使用できる。そのため、兵種を選択する際には、兵種スキルや移動適性、武器技能や成長率などを主眼において選択することになる。歩兵は移動力が低い代わりに成長率が高く、ソシアルナイトやパラディンなどといった「騎兵」は移動力の代わりに成長率が低い傾向にある。 騎兵は、移動力そのものは高いものの、地形によって移動を大幅に制限される事が多いうえに、アーマーナイトなどの重装職と同じく重要なステータスである「速さ」の成長率にマイナスの補正が与えられる(*60)。「任意のタイミングで下馬して歩兵になるor乗馬する」コマンド(*61)や「再移動(*62)」が使えることもあり、過去作の不遇クラスほどではないが、レベルを上げる際などには使用を躊躇するプレイヤーも少なくない。 本作では他学級の場合、自動的にソシアルナイトのクラスに就く生徒が4人存在する。そのままゲームを進めていくとクラス補正によって「速さ」のステータスが伸び悩んだまま成長することが多く、スカウト時の懸念事項の1つと言える。早期スカウトを狙おうにも、それらの生徒達は全体的にスカウト難易度が高めに設定されているのも嫌らしいところ。 一方、「ペガサスナイト」「ドラゴンナイト」などの飛行職は騎兵同様の高い移動力を保持していながら従来通り地形に左右されず移動可能。さらに騎兵と同様に「再移動」が使え、速さの成長率もプラスされる。さらに歩兵クラス並かそれ以上の高い成長率を誇る(*63)。 弱点と言えるのは、従来通り弓に弱く地形効果を受けられない点や、副官と雇用できる騎士団に厳しい制限がかかるという点。(*64)。このうち前者は、過去作にも見られた「降りる」コマンドを使ったり、「アウロラの盾」を装備することで対策できる。ただし飛行に限ったことではないが、降りることでパラメータは多少下降する。 敵の飛兵も強く、苦戦を強いられることが多い。特に中盤以降に出現する敵ペガサスナイトは明らかに味方のものより優遇されており、ステータスが高いうえに上級職のスキルである「槍の達人」を所持している。 一部の戦闘アニメーション グラフィックの凝りようが評価されている一方で、戦闘デモにおけるモーションのいくつかに、以下のような不自然な点が見受けられる。 通常攻撃:近接攻撃では敵との距離が安定せず、明らかに武器が届いていなかったり、逆に近づきすぎて重なるような動きをすることも。反撃を挟まない2回攻撃の際は流れるように攻撃することはあるのだが、攻撃後距離を取り、同じモーションで再攻撃するなどテンポが悪いケースも。 戦技 前作『Echoes』ではすべての戦技に固有のモーションが用意されていたが、本作では同じ武器を用いた戦技が同じモーションになっていることが多い。 計略:兵士が集団で体当たりを仕掛けたり、敵軍に火薬樽、毒薬樽の乗った荷車がゆっくりと近づいて爆発するなど、「計略?」と首をかしげざるを得ないものとなっている。 ゲームそのものの動作 場面が切り替わるときのロードがかなり長く、ストレスの原因となりやすい。 途中で挿入されるムービーや章間のイベント会話はそれほど長くはないが、戦闘マップや修道院パートへの導入は読み込みがかなり長い傾向にある。 第1部ではほとんど処理落ちも起きないのだが、第2部の指導パートでは処理落ちが起きる事が多々あり、カーソル移動などが少し重くなる。 システム関連 第2部のオープニングマップとなる「夜明けの追討戦」では、一つ前のシナリオに該当する第1部最終マップのクリア後から当該部分まで2回のオートセーブを挟んで自動進行するため、戦闘開始前に進軍準備(身支度やアイテムの売買など)、難易度の変更が行えない。マップクリアないしキャラ生存に支障が出る事態となった場合、古いセーブデータを残していない限りリカバリーが効かない詰みポイントと化してしまう。 次回作にも連戦マップが存在するが、進軍準備ができるようになった他、前の章のマップからやり直しができるように改善された。 危険範囲表示(敵ユニット行動予測機能)は、射程が変化する戦技は危険範囲として勘定されず予測線も表示されない。大半の一般兵は戦技を装備しておらず、射程が延長される戦技自体がほぼ弓系統だけなため普段は実害のない要素なのだが、難易度「ルナティック」ではごく一部の敵弓兵が狙撃(*65)を装備していることがあり、射程外と思っていたエリアから攻撃されるという状況が発生しうる。 また、ごく一部の外伝では敵が射程2-3の「一斉射撃」が使える騎士団を装備しており、しかもこちらは弓兵に限らず近接物理歩兵も平気で撃ってくる。こちらも危険範囲表示に反映されないため、範囲外ギリギリで待機していたつもりが、表示されていないはずの範囲外から奇襲される、という事態が起こりうる。上述の戦技の件とあわせ、些か不親切とも言える。 支援会話の問題点 主人公以外のキャラは支援A(+)で打ち止めという仕様もあって、その時点で好意を匂わせる将来が確定したような会話が行われる事が多い。しかし、本作は支援A(+)は相手がいる限り全て起こせるため、場合によっては複数の相手に好意を持っているような状況に見えてしまう事がある。また、好感度が下がることは主人公を除けばないため、主人公以外は支援会話Aを発生させた後で全員の好感度がカンストすると、エンディングの組み合わせがリスト順で固定されてしまう。そのため、エンディングで後日談を自由に見るためには、戦略性を度外視し敢えて支援Bで止めておく事や前述した占星術師の活用が必須となる。 ごく一部の「キャラクターの外見に言及する」ような内容であったり「特定の第三者の生死が前提」であるものなどは時期を逸すると一定の支援値を満たしても支援会話を発生させられなくなる(*66)。とはいえ、時期を制限しないがために話の辻褄が合わなくなる方がより問題なため致し方ない部分もある。 支援会話の中には「仲違いし、次の支援会話で関係修復」というものもあるのだが、大抵喧嘩が支援B、修復されるのが支援Aであり、支援Aは第2部でしか起きないため場合によっては5年間喧嘩しっぱなし、という結構な違和感を感じる展開になってしまう(*67)。特にアネット&メルセデス等仲違い中専用の食事会話があるキャラが複数グループあるため、この違和感が目につきやすい。 アップデートで加入するようになったアンナは、支援相手が一人もいないという欠点を持つ。レアも主人公とのみ支援が可能だが、支援レベルを高めても攻略上のメリットがない。 支援Sの相手は最終章の散策で選べるようになるのだが、実際に支援イベントを見られるのは最終戦クリア後となっている。そのため、他の相手との支援を見たい場合は、選びなおしたうえで最終戦をやり直さなくてはならない。 この反省から、次回作の『ファイアーエムブレム エンゲージ』では、最終章に入る前に結婚相手を選ぶことが可能となっている。 修道院のファストトラベル どこに誰がいるのかはマップに記されているのだが、目当てのキャラの前に直接ファストトラベルをすることができない。また、レアの部屋など、移動できない部屋も存在する。 この反省から、スピンオフ作品の『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』では、キャラクターを選択することで直接移動が可能となった。 永久離脱ユニットの存在 『蒼炎』や『if』と同様に、本作でも条件次第で加入したキャラクターが永久に離脱するイベントが存在する。 黒鷲の学級では、上記の分岐次第で永久離脱するユニットが3人(*68)存在する。いずれも高い性能を誇っているうえに、これらのキャラクターは全て、クラスで一人のみ任命できる「踊り子」の資格者である。とりわけフレンは踊り子に適した性能であるため、彼女を踊り子に任命したものの、離脱されて後悔したというプレイヤーが見られた。 ただし、分岐の条件は厳しいものではなく、選択場面においても通常とは異なるエフェクトが見られるため、見落とすことはほとんどない。また、『蒼炎』における「ジル」や、『if』の「スズカゼ」のように、唐突に離脱されるわけでもなく、ストーリーの流れを追っていくとむしろ離脱は自然であることがわかる。そのため、これらほどの批判は見られない。 蒼月の章でも、ドゥドゥーが条件次第で永久離脱する。ただしこちらは、代替キャラと呼べる性能のキャラが後に加わるほか、残留の条件を満たすのも難しくはない。 総評 製作発表時こそ、学園要素というFEらしからぬ概念が賛否をもたらしたが、後に二部構成であることと、かつての味方同士で相争うという要素が明かされると、ファンの期待も一気に高まった。 そして現実の戦記をもとに、複雑に絡み合う戦争のシナリオを長年扱ってきたコーエーテクモゲームスが開発に携わる事で、今までにないほど、悲愴でリアルな戦争描写がなされている。 キャラクターや世界観、時代背景の推移などの描写も緻密に描かれており、新規プレイヤーやライトゲーマーと従来からのシリーズファンとの間で賛否両論とする所が多かった『覚醒』『if』から一転してシリーズ屈指の良作と言える優れたシナリオとなった。 難易度も、「ノーマル」「ハード」は従来より易しめだが、「ルナティック」は相応のてごわいシミュレーションとしての歯ごたえを楽しめる。 これらの要素が絡み合い、シリーズのファンを喜ばせただけにとどまらず、戦記モノを好むユーザーにオススメの一作となっている。 余談 今作は、シナリオをはじめとしたゲーム部分のほとんどがコーエーテクモゲームスのスタッフによる製作であり、インテリジェントシステムズはゲーム全体の監修及び世界観の構築、ビジュアルや音楽といった要素の製作という形で関わるにとどまっている。 このような形になった理由としては、当初は『Echoes』との並行開発となっていたもののスケジュール的に時間が足りないと判断されたため、と明かされている。ゲームの中核部分を外注するというのはIS側にとっても異例の開発体制ではあったものの、コエテク側が気を利かせて社内からFEシリーズのファンを選抜してくれたため、想像以上にスムーズな話し合いが出来たという。 特に技能育成などの一部のシステムはコーエーから発売されていた『Zill O ll』に発想のヒントを得たとのこと。 「ニルヴァーナ」「打ち砕くもの」など、一部の兵種や武器の名称に『Zill O ll』の要素がちょっとだけ混ざっているのはその痕跡。もちろんコエテクからの許可は得ている。 インタビューにて、二部構成については『聖戦の系譜』の、三国の争いについては『三國志』のイメージを取り入れたことが語られている。 『TETRIS 99』とのコラボ祭を開催していた。 発売からわずか2か月で、全世界で229万本を売り上げるという記録を残した。 さらに、2020年1月に、全世界で累計258万本の売り上げを達成。その後も継続的にセールスを伸ばし、任天堂における2020年3月期の決算説明会にて、2020年3月までの累計で287万本(国内58万本/海外229万本)を売り上げたことが発表された。 そして2022年12月には410万を上回るなど、シリーズ最大の売り上げを達成した。 「The Game Awards 2019」にて「Best Strategy Game」と「Player s voice」を受賞した。 日本語版では主人公のデフォルトネームが男女で違うが、英語では男女ともに「Byleth」で統一されている。 また、剣を得意としていることや、特殊な力を内に秘めていること、覚醒することで髪の毛の色が変わることなど、『サモンナイト3』のレックス・アティ(*69)や『英雄伝説 閃の軌跡』のリィン・シュバルツァーなど、教師の主人公のお約束を踏襲したものとなっている。 本作では、過去作に出てきたキャラクターの名前と一致する地名や人名などが多く登場する。 クロードやヒルダ、物語の中に登場する獅子王ルーグなどの人名をはじめ、アミッド大河やオグマ山脈、ミルディン大橋など。明らかに多数の名称が使用されているため、意図的なものと思われる。 黒鷲の学級の生徒の一人「フェルディナント=フォン=エーギル」は1部の戦闘での進軍時に「我が名は!フェルディナント=フォン=エーギル!」と高らかに自分の名前を叫ぶ。本作からフルネーム制が導入されたことも相まって一部のプレイヤーから「最初にフルネームを覚えたキャラはフェルディナントだった。」と話題になった。 担当声優の板泰斗氏もそのことを知っているらしく2020年8月14日に放送された「ファイアーエムブレムシリーズ30周年記念生放送」でゲストとして登壇した際に上記の名乗りを生披露する一幕もあった。 本作発売前にアプリゲーム「ファイアーエムブレムヒーローズ」から級長三人とベレス(ベレト)の出演が決定していた。前作の『Echoes』も同じように発売前から一部のキャラクターは登場していたがほとんどボイス流用だったのに対してこちらは全部新録されている。なお、ベレトに至っては条件が整って本作を購入すれば☆5で無料配布されるが2020年6月29日で配布が終了。それ以降は普通の召喚でのみと従来の入手方法へ。 第4回英雄総選挙では級長3人とリシテアが上位をもぎ取り、発売から一年後に5年後の姿が早く実装された。 どのルートも、すべてのキャラを救いきれないことから、プレイヤーからは「『if』の「インビジブルキングダム(透魔王国)」のような大団円ルートが欲しい」という要望もあった(*70)。 しかし、ファミ通のインタビューで今作のディレクター担当の草木原俊行氏によると最初から大団円を作る予定はなかった事を明かしており「大団円ルートがあると、どうしてもそのルートが正解になってしまうというのが大きいですね。本作ではどのルートもこのゲームの正史であって、遊んでくれた方それぞれに自分の正史を決めてほしい」とキッパリ発言。氏の発言から開発陣はメインシナリオで関与した追加コンテンツの「インビジブルキングダム」の内容とDLC商法の不評はISも認識済みで遠回しに失敗を認めている(*71)。 その後においてもヒーローズのイベント「想いを集めて」でその可能性を匂わす内容が触れてあるのみで最新作の『エンゲージ』もエンディングは一本道である事からISは今後追加コンテンツでメインストーリーに関与する別エンディングは作らない方針を固めている。 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』ではDLCファイターとして「ベレト/ベレス」が参戦した。また、本編の舞台となるガルグ=マク大修道院がステージとして登場。本編のキャラも何人かゲスト出演している。 高い人気を集めたゆえか、現在もパッケージ版が品薄になりやすく、中古でも定価程の価格となっている。さらに、「amazon」では後述する『無双 風花雪月』や、次回作である『エンゲージ』より高価格を保っているなど、その人気の高さがうかがえる。 2022年6月24日に、本作を題材にしたFE無双シリーズ第二弾『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』が発売された。 製作スタッフは本作のメンバーを踏襲しており、世界観はそのままだが、3人の盟主と関わりを持つ主人公が別の人物になっているなど、本作のシナリオと全く違う物語が展開される。ちなみに、サブタイトルの英題が本作だと「Three Houses」なのに対し同作は「Three Hopes」になっている。
https://w.atwiki.jp/niconicojikyouplay/pages/2627.html
【ゲーム】ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡 【作者名】ざいあくなほ 【完成度】 【動画数】 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/14230595 【備考】 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wiicheat/pages/39.html
RFEJ01 ファイアーエムブレム 暁の女神 Micaiah 99EXP [Am3692] 00886D8F 00000063 Edward 99EXP [Am3692] 0088717F 00000063 Leonardo 99EXP [Am3692] 0088756F 00000063 Nolan 99EXP [Am3692] 00884E0F 00000063 Laura99EXP [Am3692] 008851FF 00000063 Sothe 99EXP [Am3692] 0088A0BF 00000063 Ilyana 99EXP [Am3692] 0088C42F 00000063 Aran 99EXP [Am3692] 0088D7DF 00000063 Meg 99EXP [Am3692] 008855EF 00000063 Volug 99EXP [Am3692] 008859DF 00000063 Tauroneo 99EXP [Am3692] 00885DCF 00000011 Jill 99EXP [Am3692] 008861BF 00000063 Zihark 99EXP [Am3692] 008865AF 00000063 Fiona 99EXP [Am3692] 0088FB4F 00000063 Tormod 99EXP [Am3692] 0088F75F 00000063 Muarim 99EXP [Am3692] 0088FF3F 00000063 Vika 99EXP [Am3692] 0089032F 00000063 Nailah 99 EXP [Am3692] 0088795F 00000063 Rafiel 99EXP [Am3692] 0088699F 00000063 Marcia 99EXP [Am3692] 0088813F 00000063 Elincia 99EXP [Am3692] 00887D4F 00000063 Nealuchi 99EXP [Am3692] 0088B85F 00000063 Leanne 99EXP [Am3692] 0088BC4F 00000063 Haar 99EXP [Am3692] 0088C03F 00000063 Brom 99EXP [Am3692] 0088852F 00000063 Nephenee 99EXP [Am3692] 00888D0F 00000063 Heather 99EXP [Am3692] 0088DFBF 00000063 Lucia 99EXP [Am3692] 008890FF 00000063 Lethe 99 EXP [Am3692] 008894EF 00000063 Mordecai 99EXP [Am3692] 008898DF 00000063 Geoffrey 99EXP [Am3692] 0089365F 00000063 Kieran 99EXP [Am3692] 00893A4F 00000063 Astrid 99EXP [Am3692] 00893E3F 00000063 Makalov 99EXP [Am3692] 0089422F 00000063 Danved 99EXP [Am3692] 0089461F 00000063 Calill 99EXP [Am3692] 00889CCF 00000063 Ike 99 EXP [Am3692] 0088A4AF 00000063 Soren 99EXP [Am3692] 0088AC8F 00000063 Titania 99 EXP [Am3692] 0088A89F 00000063 Boyd 99 EXP [Am3692] 0088C81F 00000063 Gatrie 99 EXP [Am3692] 0088D3EF 00000063 Shinon 99 EXP [Am3692] 0088CFFF 00000063 Mia 99EXP [Am3692] 0088E3AF 00000063 Mist 99 EXP [Am3692] 0088B07F 00000063 Rhys 99 EXP [Am3692] 0088DBCF 00000063 Rolf 99 EXP [Am3692] 0088B46F 00000063 Oscar 99 EXP [Am3692] 0088CC0F 00000063 Ranulf 99EXP [Am3692] 0088EB8F 00000063 Kyza 99EXP [Am3692] 0088EF7F 00000063 Lyre 99 EXP [Am3692] 0088E79F 00000063 Reyson 99 EXP [Am3692] 0088F36F 00000063 BEXP Part 1 [Am3692] 043CAADC 48694000 BEXP Part 2 [Am3692] 043CAAE0 48694000 BEXP Part 3/Ike [Am3692] 043CAAE4 48694000 999999 part 1/Micaiah Gold [Am3692] 043CAAD2 000F423F 999999 Gold Part 2/Elincia [Am3692] 043CAAD6 000F423F 999999 Gold part 3/Ike [Am3692] 043CAAD8 000F423F Soren Slot 1 Item Quantity 121 [Am3692] 0088AD50 00000079 Ike Slot 1 Item Quantity 255 For stat boosting items [Am3692] 0088A570 000000FF Weapon Creation Character Slot # Ike Slot 1 0288A56E Slot 2 0288A596 Slot 3 0288A5BE Slot 4 0288A5E6 Soren Slot 1 0288AD4E Nephenee Slot 1 0288DCE Haar Slot 1 0288C0FE Shinon Slot 1 0288D0BE Heather Slot 1 0288E07E Value Swords 0380 Ettard FDE0 - Bronze Sword FE30 - Iron Sword FE80 - Steel Sword FED0 - Silver Sword FF20 - Iron Blade FF70 - Steel Blade FFC0 - Silver Blade FFA2 - Random Sword unknown weapon ShadowX39/Am3692 0010 - venin edge 0060 - brave sword 00B0 - killing edge 0100 - wyrmslayer 0150 - wo dao 01A0 - caladbolg 01F0 - wind edge 0240 - storm sword 0290 - tempest blade 02E0 - vague katti 0330 - florete 0380 - ettard 03D0 - ragnell(can t give away) 0420 - alondite 0470 - amiti(can t give away) Lances 0510 - Bronze Lance 0560 - Iron Lance 05B0 - Steel Lance 0600 - Silver Lance 0650 - Iron Greatlance 06A0 - Stl Greatlance 06F0 - Slvr Greatlance 0740 - Venin Lance 0790 - Brave Lance 07E0 - Killer Lance 0830 - Horseslayer 08D0 - Short Spear 0920 - Spear 0970 - Wishblade 04C0 - slim lance 0880 - javelin Axes 09C0 - Bronze Axe 0A10 - Iron Axe 0A60 - Steel Axe 0AB0 - Silver Axe 0B00 - Iron Poleaxe 0B50 - Steel Poleaxe 0BA0 - Silver Poleaxe 0BF0 - Venin Axe 0C40 - Brave Axe 0C90 - Killer Axe 0CE0 - Hammer 0D30 - Hand Axe 0D80 - Short Axe 0DD0 - Tomahawk 0E20 - Tarvox 0E70 - Urvan Bows 0EC0 - Bronze Bow 0F10 - Iron Bow 0F60 - Steel Bow 0FB0 - Silver Bow 1000 - Iron Longbow 1050 - Steel Longbow 10A0 - Silver Longbow 10F0 - Venin Bow 1140 - Killer Bow 1190 - Brave Bow 11E0 - Rolf s Bow 1230 - Silencer 1280 - Lughnasadh 12D0 - Double Bow 1320 - Bowgun 1370 - Crossbow 13C0 - Taksh 1410 - Aqqar 1460 - Arbalest 14B0 - Ballista 1500 - Iron Ballista 1550 - Killer Ballista 15A0 - Onager Knives 15F0 - Bronze Knife 1640 - Iron Knife 1690 - Steel Knife 16E0 - Silver Knife 1730 - Bronze Dagger 1780 - Iron Dagger 17D0 - Steel Dagger 1820 - Silver Dagger 1870 - Kard 18C0 - Stiletto 1910 - Beast Killer 1960 - Peshkatz 19B0 - Baselard Tomes 1A00 - Fire 1A50 - Elfire 1AA0 - Arcfire 1AF0 - Bolganone 1BE0 - Meteor 1B40 - Rexflame 1B90 - Cymbeline 1C30 - Thunder 1C80 - Elthunder 1CD0 - Arcthunder 1D20 - Thoron 1D70 - Rexbolt 1DC0 - Bolting 1E10 - Wind 1E60 - Eliwind 1EB0 - Arcwind 1F00 - Tornado 1F50 - Rexcaliber 1FA0 - Blizzard 1FF0 - Light 2040 - Ellight 2090 - Shine 20E0 - Nosferatu 2130 - Valaura 2180 - Rexaura 21D0 - Purge 2220 - Thani 2270 - Creiddylad 22C0 - Worm 2310 - Carreau 2360 - Verrine 23B0 - Balberith 2400 - Fenrir Strikes 2450 - Fang 24A0 - Fang 24F0 - Fang 2540 - Great Fang 2590 - Great Fang 25E0 - Great Fang 2630 - Fang 2680 - Fang 26D0 - Fang 2720 - Claw 2770 - Claw 27C0 - Claw 2810 - Fang 2860 - Fang 28B0 - Fang 2900 - Great Fang 2950 - Great Fang 29A0 - Great Fang 29F0 - Talon Staves 3760 - Heal 37B0 - Mend 3800 - Recover 3850 - Psychic 38A0 - Fortify 38F0 - Restore 3940 - Silence 3990 - Elsilence 39E0 - Sleep 3A30 - Elsleep 3A80 - Rescue 3AD0 - Rewarp 3B20 - Torch 3B70 - Hammerne 3BC0 - Unlock 3C10 - Ward 3C60 - Matrona 3CB0 - Ashera Staff
https://w.atwiki.jp/gabarta/pages/49.html
ファイアーエムブレム 封印の剣(かをると姉貴兄貴)
https://w.atwiki.jp/zensensyu/pages/1715.html
ファイアーエムブレム 紋章の謎(2) 722 名前:水先案名無い人 :2006/02/24(金) 11 30 55 ID oOJH5mmi0 「手強いシミュレーションをやりたいかーッ!!」 「オーーーーー!!!!」 「ワシもじゃ!ワシもじゃ、みんな!!」 全FE紋章の謎キャラ入場!! 飛行殺しは生きていた!! 更なる研鑚を積み人間砲台が甦った!!! アーチャー!! ゴードンだァ――――!!! 光の超魔法はすでに我々が完成している!! 大司祭の娘 リンダだァ――――!!! 隣接し次第踊りまくってやる!! 補助ユニット代表 フィーナだァッ!!! 手斧の投げ合いなら我々の歴史がものを言う!! タリスの戦士 バーツ!!! 真の低成長率を知らしめたい!! パレスの司祭 ボアだァ!!! 素は3流だが変身すれば全職業オレのものだ!! マムクートのコマンド チェイニーだ!!! 打撃対策は完璧だ!! グルニア将軍 ロレンス!!!! 全キャラのベスト・成長率は私の中にある!! 三姉妹の末っ子が来たッ エスト!!! 若造には絶対に敗けん!! 銀の槍の強さ見せたる 宮廷騎士団隊長 ジェイガンだ!!! バーリ・トゥードゥ(第二部・20章)ならこいつが怖い!! 放っておくと勝手に死亡 ミディアだ!!! テンプルナイトから炎の戦士が上陸だ!! 猛牛 カイン!!! 反撃の無いケンカがしたいからダークマージになったのだ!! プロの暗黒魔法を見せてやる!!ガーネフ!!! めい土の土産に「レナ… ばかなにいちゃんを許せ」とはよく言ったもの!! 最高の不運が今 実戦でバクハツする!! マケドニア騎士 マチスだ―――!!! 世界ヘヴィ級地竜こそが地上最強の代名詞だ!! まさかこの男がきてくれるとはッッ 暗黒竜メディウス!!! 母の薬代が欲しいから同盟軍まできたッ 真偽一切不明!!!! タリスの猟師(詐欺師)ハンターカシムだ!!! 私は竜族最強ではない全職業で最強なのだ!! 御存知神竜王女 チキ!!! 剣術の本場は今やワーレンにある!! オレを驚かせる奴はいないのか!! ラディだ!!! よわァァァァァいッ説明不要!! 病弱!!! 顔色悪い!!! アラン!!! 魔法は実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦司祭!! 本家カダインからウェンデルの登場だ!!! ワープの杖は私のもの 邪魔する壁は思いきり飛ばしおもいきり移動するだけ!! シスター統一王者 レナ 男を口説きにアリティア軍へきたッ!! アカネイア全王女チャンプ シーダ!!! クリティカル率に更なる磨きをかけ ”スター傭兵”オグマが帰ってきたァ!!! 今の自分に死角はないッッ!! マケドニア王 ミシェイル!!! 正体バレバレのパラディンが今仮面を脱ぐ!! グルニアから 黒騎士カミュだ!!! ミディアの前でならオレはいつでも全盛期だ!! 燃える勇者 アストリア メリクルソードで登場だ!!! 火竜石はどーしたッ マムクートの炎 未だ消えずッ!! 人も火竜も思いのまま!! バヌトゥだ!!! 特に理由はないッ 美形が強いのは当たりまえ!! 女に弱いのはないしょだ!!! 傭兵! ナバールがきてくれた―――!!! 暗黒のオーブで磨いた実戦槍術!! オレルアンのデンジャラス・皇帝 ハーディンだ!!! 屋内面だったらこの人を外せない!! 超A級盗賊 ジュリアンだ!!! 超一流スナイパーの超一流の神器だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ アカネイアのスナイパー!! ジョルジュ!!! エクスカリバーはこの男が完成させた!! アリティアの切り札!! マリクだ!!! 若き王子が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ スターロードッッ 俺達は君を待っていたッッッマルスの登場だ――――――――ッ 加えて負傷者発生に備え超豪華なシスターを4名御用意致しました! プリンセス マリア!! ハマーンの継承者 マリーシア!! アカネイア王女!ニーナ! ……ッッ どーやらもう一名は到着が遅れている様ですが、死者が出次第ッ皆様にご紹介致しますッッ 関連レス 727 名前:水先案名無い人 :2006/02/24(金) 14 59 59 ID 7p31REX/0 726 リメイクに当たって傷薬にされた男はリザーバーにも入れずか…… 756 名前:水先案名無い人 :2006/02/26(日) 01 30 59 ID NSd+NjC00 723-726 何故ミネルバ様が居ない。 しかしスター傭兵が居るから許すw コメント 名前
https://w.atwiki.jp/fedic3rd/pages/38.html
その他シリーズタイトル 創作作品 シナリオタイトル その他 ←ワ TOPに戻る シリーズタイトル 【ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣】 【ファイアーエムブレム 外伝】 【ファイアーエムブレム 紋章の謎】 【ファイアーエムブレム 聖戦の系譜】 【BSファイアーエムブレム アカネイア戦記】? 【ファイアーエムブレム トラキア776】 【ファイアーエムブレム 封印の剣】 【ファイアーエムブレム 烈火の剣】 【ファイアーエムブレム 聖魔の光石】 【ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡】 【ファイアーエムブレム 暁の女神】 【ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣】 【ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~】? 【ファイアーエムブレム 覚醒】? 【ファイアーエムブレム if】 【ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王】 【ファイアーエムブレム 風花雪月】 【ファイアーエムブレム エンゲージ】 【幻影異聞録♯FE】 【幻影異聞録♯FE Encore】 【ファイアーエムブレム ヒーローズ】 【ファイアーエムブレム無双】 【ファイアーエムブレム無双 風花雪月】 創作作品 【ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣(漫画)】 【ファイアーエムブレム 外伝(佐野真砂輝 わたなべ京版)】 【ファイアーエムブレム 外伝(箱田版)】 【小説 ファイアーエムブレム外伝】 【ファイアーエムブレム 紋章の謎(OVA)】 【ファイアーエムブレム 紋章の謎(山口版)】 【ファイアーエムブレム 紋章の謎(七月鏡一 克・亜樹版)】 【ファイアーエムブレム 紋章の謎(高屋敷版)】 【ファイアーエムブレム 紋章の謎(篠崎版)】 【ファイアーエムブレム 紋章の謎(ゲームブック)】 【ファイアーエムブレム 聖戦の系譜(大沢版)】 【ファイアーエムブレム 聖戦の系譜(藤森版)】 【ファイアーエムブレム 光をつぐもの】 【ファイアーエムブレム 光をつぐものたち】 【ファイアーエムブレム 聖戦の系譜(鈴木版)】 【ファイアーエムブレム 聖戦の系譜(竹田版)】 【ファイアーエムブレム 聖戦の系譜(ゲームブック)】 【ファイアーエムブレム トキラア776(たかなぎ版)】 【ファイアーエムブレム トラキア776(日野版)】 【ファイアーエムブレム トラキア776(篠崎版)】 【ファイアーエムブレム トラキア776(梅村版)】 【ファイアーエムブレム 覇者の剣】 【小説ファイアーエムブレム 烈火の剣~封印の剣 エレブ動乱】 【ファイアーエムブレム 聖魔の光石(小説)】 【ファイアーエムブレムif ニーベルングの宝冠】 【ファイアーエムブレム ヒーローズ 英雄たちの日常】 【ファイアーエムブレムTCG】 【ファイアーエムブレム0】 シナリオタイトル 【序章 起】 【序章 承】 【序章 転】 【序章 結】 【マルスのたびだち】 【ガルダのかいぞく】 【デビルマウンテン】 【そうげんのたたかい】 【オレルアンのせんしたち】 【ファイアーエムブレム】 【大戦のはざまで】 【レフカンディのわな】 【みなとまちワーレン】 【ペラティのかりゅう】 【プリンセス・ミネルバ】 【ノルダのどれいいちば】 【アカネイア・パレス】 【裏切りの持つ価値は】 【グルニアのもくばたい】 【かなしみのだいち・グラ】 【まどうのくにカダイン】 【アリティアのたたかい】 【スターロード・マルス】 【マクロニソスの城】 【グルニアくろきしだん】 【マムクート・プリンセス】 【ブラックナイト・カミユ】 【20章外伝 炎の洞窟】 【けっせん マケドニア】 【てんくうをかけるきし】 【あくのしさいガーネフ】 【マムクートのおうこく】 【24章外伝 異界の塔】 【えらばれしものたち】 序章 アルムとセリカ (1) だい 1 しょう ソフィアへ! (4) だい 2 しょう セリカのたびだち (4) だい 3 しょう かいほうせんそう (4) だい 4 しょう かなしみのだいち (4) だい 5 しょう さいかい そして… (7) 6章 (3) 女神の贈り物1 (1) 星の神殿 (3) 悪漢とお宝と (2) 死者は眠らない (1) 女神の贈り物2 (1) 女神の贈り物3 (1) 星の神殿~深き場所~ (2) 黄金の夢 (2) 憤怒の葬列 (2) 女神の贈り物4 (2) 女神の贈り物5 (1) 槍かざす騎士の祭壇 (1) 盾かつぐ巨人の祭壇 (1) 漆黒のカンムリドリの祭壇 (1) 闇まとう淑女の祭壇 (1) 高潔なる妖精王の祭壇 (1) 恐るべき戦鬼の祭壇 (1) 弓もち猛る巨象の祭壇 (1) 書を抱く賢者の祭壇 (1) 気高き女王の祭壇 (1) 大いなる覇王の祭壇 (1) ソフィアの港の戦い (2) 南の砦救出戦 (2) 地下遺跡からの脱出 (2) ソフィア城防衛戦 (2) 前日編1 出会い (4) 前日編2 若き従騎士たち (3) 前日編3 訓練開始 (4) 前日編4 新たな仲間 (3) 前日編5 行軍任務 (6) 前日編6 絆 (4) 前日編7 最後の試練 (4) 前日編8 英雄王暗殺 (5) 第2部 1章 グルニア遠征(1章 グルニア遠征) (13) 第2部 2章 マケドニアの反乱(2章 マケドニアの反乱) (8) 第2部 3章 連れ去られた王女(3章 連れ去られた王女) (13) 3章外伝 暗躍する影たち (5) 第2部 4章 喜びと悲しみと(4章 喜びと悲しみと) (12) 第2部 5章 グルニア解放(5章 グルニア解放) (17) 第2部 6章 悪の巣(6章 悪の巣) (12) 6章外伝 傭兵部隊 (7) 第2部 7章 紅の剣士(7章 紅の剣士) (16) 第2部 8章 ソウルフル・ブリッジ(8章 ソウルフル・ブリッジ) (14) 第2部 9章 魔道の聖域(9章 魔道の聖域) (13) 第2部10章 魔道士二人(10章 魔道士二人) (10) 10章外伝 仮面は笑う (8) 第2部11章 アンリの道(11章 アンリの道) (17) 第2部12章 火竜の墓場(12章 火竜の墓場) (8) 第2部13章 氷の大地(13章 氷の大地) (10) 13章外伝 白い闇の中 (6) 第2部14章 明かされた謎(14章 明かされた謎) (16) 第2部15章 王子の帰還(15章 王子の帰還) (15) 第2部16章 王都奪回(16章 王都奪回) (12) 16章外伝 再会 (4) 第2部17章 グラの落日(17章 グラの落日) (15) 第2部18章 峠の戦い(18章 峠の戦い) (12) 第2部19章 最後の決戦(19章 最後の決戦) (20) 第2部20章 暗黒皇帝(20章 暗黒皇帝) (21) 20章外伝 深き淵の底 (6) 第2部終章1 飛竜の谷(21章 飛竜の谷) (13) 第2部終章2 竜の祭壇(22章 竜の祭壇) (17) 23章 魔王再び (4) 終章 光と影 (7) 風と雷 (4) 暗殺者 (2) 剣に定められた者は剣に (3) 序章 聖騎士誕生 (4) 第1章 精霊の森の少女 (4) 第2章 アグストリアの動乱 (4) 第3章 獅子王エルトシャン (3) 第4章 空に舞う (3) 第5章 運命の扉 (3) 第6章 光をつぐもの (2) 第7章 砂漠を越えて (3) 第8章 トラキアの竜騎士 (3) 第9章 誰がために (4) 第10章 光と闇と (4) 終章 最後の聖戦 (6) 第1話 パレス陥落 (3) 第2話 赤い竜騎士 (1) 第3話 正義の盗賊団 (3) 第4話 始まりのとき (3) 第1章 フィアナの戦士 (3) 第2章 イスの海岸 (1) 第2章外伝 海賊島 (3) 第3章 ケルベスの門 (4) 第4章 地下牢獄 (4) 第4章外伝 風の勇者 (4) 第5章 母と娘 (4) 第6章 脱出 (4) 第7章 トラキアの盾 (2) 第8章 紫竜山 (3) 第8章外伝 ダグダの館 (5) 第9章 ノヴァの紋章 (3) 第10章 ノエル渓谷 (5) 第11章 ダンドラム要塞 (2) 第11章外伝 マーダーホレス (4) 第12章 ダキアの盗賊 (2) 第12章外伝 ダンディライオン (5) 第13章 城塞都市 (2) 第14章 総攻撃 (6) 第14章外伝 自由を求めて (3) 第15章 二つの道 (3) 第16章 ノルデンライン (2) 第16章 暗黒の森 (3) 第17章 レンスターゲイト (2) 第17章 5月の雨 (3) 第18章 王都解放 (5) 第19章 帝国の反撃 (6) 第20章 光の公子 (7) 第21章 解放戦争 (4) 第21章外伝 捕虜収容所 (5) 第22章 渡河作戦 (6) 第23章 魔王の城 (4) 第24章 黒衣の男爵 (4) 第24章外伝 ロプトの祭壇 (4) 最終章 誓いの剣 (4) 第1章 運命の息吹 (4) 第2章 ベルンの王女 (4) 第3章 後れてきた者 (3) 第4章 同盟の崩壊 (6) 第5章 炎の紋章 (5) 第6章 しかけられた罠 (3) 第7章 オスティアの反乱 (5) 第8章 再会 (5) 第8章外伝 烈火の剣 (3) 第9章 霧にけむる島 (1) 第10章 あらがう者たち (1) 第10章 対立のはざまで (1) 第11章 西方の勇者 (1) 第11章 自由への脱出 (1) 第12章 真実の敵 (2) 第12章外伝 天雷の斧 (1) 第13章 救出作戦 (1) 第14章 理想郷 (2) 第16章 王都奪還 (3) 序章 草原の少女 (1) 13章外伝 行商人マリナス (2) 14章 うごめく者たち (1) 15章 舞い降りる鉤爪 (1) 15章 キアランの公女(16章 キアランの公女) (1) 16章 謎の行方(17章 謎の行方) (1) 16章外伝 港町バドン(17章外伝 港町バドン) (3) 17章 海賊船(18章 海賊船) (1) 18章 魔の島(19章 魔の島) (1) 18章外伝 魔封じの者(19章外伝 魔封じの者) (1) 19章 竜の門(20章 竜の門) (1) 20章 新たなる決意(21章 新たなる決意) (1) 21章 二つの絆(22章 二つの絆) (1) 22章 生きた伝説(23章 生きた伝説) (1) 22章外伝 創られし命(23章外伝 創られし命) (1) 23章 四牙襲来(24章 四牙襲来)【ロイド】 (1) 23章 四牙襲来(24章 四牙襲来)【ライナス】 (1) 25章 狂える獣 (1) 24章 届かぬ手、届かぬ心(26章 届かぬ手、届かぬ心) (1) 25章 闇の白い花(27章 闇の白い花)【ケネス】 (1) 25章 闇の白い花(27章 闇の白い花)【ジュルメ】 (1) 26章 夜明け前の攻防(28章 夜明け前の攻防) (2) 26章外伝 決別の夜(28章外伝 決別の夜) (2) 27章 運命の歯車(29章 運命の歯車) (2) 28章 勇者ローラン (1) 30章 狂戦士テュルバン (1) 29章 悠久の黄砂(31章 悠久の黄砂) (1) 29章外伝 戦支度(31章外伝 戦支度) (1) 30章 背水の戦い(32章 背水の戦い) (1) 32章外伝 生の価値 (1) 終章 光 (1) 序章 ルネス陥落 (1) 1章 脱出行 (1) 2章 守るべきもの (1) 3章 ボルゴ峠の山賊 (1) 4章 異形の者たち (2) 5章 帝国の影 (1) 5章外伝 砕けぬ心 (2) 6章 憎悪の泥渟 (2) 7章 水城レンバール (1) 8章 陥穽 そして (1) 新たなる旅立ち (1) 9章 後背の刃 (1) 10章 カルチノの内乱 (1) 序章 傭兵 (3) 第8章 絶望そして希望 (1) 第9章 ガリアにて (1) 第10章 捕虜解放 (2) 第11章 流れる血の色は (3) 第12章 異邦の領域 (2) 第13章 風は導く (2) 第14章 試練 (2) 第15章 辺境の獣 (1) 第16章 ベグニオンの贖罪 (1) 第17章 黎明 (1) 第17章 黎明 Area2 (1) 第17章 黎明 Area3 (1) 第17章 黎明 Area4 (2) 第18章 クリミア軍進撃 (1) 第19章 託されしもの (1) 第20章 ダルレカの攻防 (2) 第21章 王なき王都 (2) 第25章 山岳を越えて (4) 第二部 1章 反乱の息吹 (2) 第二部 3章 騎士団出撃す (1) 第二部 終章 女王エリンシア (2) 第三部 交わされし誓約 (1) 第三部 序章 大進攻 (1) 第三部 1章 ラグズとベオク (2) 第三部 2章 迫り来る軍勢 (1) 第三部 3章 渡河作戦 (1) 第三部 4章 名将の一手 (1) 第三部 5章 撤退戦 (1) 第三部 6章 誰がための戦い (1) 第三部 7章 両雄、相打つ (1) 第三部 8章 灼熱の果て (1) 第三部 9章 略奪者 (1) 第三部 10章 クリミアの心 (1) 第三部 11章 退けぬ理由 (1) 第三部 12章 生きてこそ (1) 第三部 13章 血の代償 (1) 第三部 終章 目覚めの刻 (1) 第四部 神と人 (1) 第四部 序章 我が名は混沌 (1) 第四部 1章 帝都への道 (1) 第四部 2章 人なき世界 (1) 第四部 3章 さまざまな歪み (1) 第四部 4章 天啓 (1) 第四部 5章 許されざる罪 (1) 第四部 終章 再生 [Area1] (1) 断章 運命か、絆か (5) 序章 新たなる歴史 (3) 1章 砕かれた日常 (3) 2章 小さな自警団 (3) 3章 戦士の王国 (3) 4章 神剣闘技 (5) 5章 聖王と暗愚王 (3) 6章 未来を知る者 (2) 7章 侵略 (4) 8章 邪竜のしもべ (2) 9章 聖王エメリナ (5) 10章 再起 (3) 11章 暗愚王ギャンレル (5) 12章 海より来る者 (3) 13章 古き血脈 (2) 14章 蒼海に舞う炎 (2) 15章 解放の狼煙 (3) 16章 神竜の巫女 (3) 17章 死の運命 (3) 18章 双剣の兄妹 (2) 19章 覇王ヴァルハルト (2) 20章 真の王 (2) 21章 五つの宝玉 (4) 22章 滅びの予兆 (2) 23章 運命か、絆か (2) 24章 聖王継承 (2) 25章 神殺しの法 (2) 終章 邪竜ギムレー (4) 外伝1 弱き者、それは (3) 外伝2 秘密の行商人 (4) 外伝3 閉ざされた平和 (4) 外伝4 行商人アンナ (2) 外伝5 伝説の継承者 (1) 外伝6 花の似合う男 (2) 外伝7 気高き血統 (2) 外伝8 汚された決闘 (1) 外伝9 正義の翼 (3) 外伝10 迷いの刃 (1) 外伝11 天駆ける双竜 (1) 外伝12 時の迷い子 (3) 外伝13 傭兵戦争 (6) 外伝14 砂塵舞う地で (1) 外伝15 秘められた一矢 (1) 外伝16 幼き竜の娘 (1) 外伝17 悠久の思い (3) 外伝18 死せる愚者 (3) 外伝19 覇道王道 (3) 外伝20 幸福な少女 (2) 外伝21 剣聖再び (2) 外伝22 真実の泉 (5) 外伝23 蒼炎の勇者 (6) 異伝 英霊の魔符1 (3) 異伝 英霊の魔符2 (3) 異伝 王対王 紋章編 (1) 異伝 英霊の魔符3 (3) 異伝 金と銀 (8) 異伝 王対王 聖戦編 (1) 異伝 紅対蒼 封印編 (1) 異伝 マミーの楽園 (7) 異伝 光対闇 光編 (3) 異伝 無限の神器 (8) 異伝 王対王 決戦編 (4) 異伝 紅対蒼 蒼炎編 (1) 異伝 光対闇 闇編 (3) 異伝 紅対蒼 決戦編 (3) 異伝 光対闇 決戦編 (3) 異伝 絆の収穫祭 (4) 異伝 生と死の境に (3) 異伝 五人のアンナ (3) 異伝 迷宮の追跡戦 (1) 異伝 絶望の未来1 (3) 異伝 絶望の未来2 (3) 異伝 絶望の未来3 (5) 異伝 絆の夏 (2) 異伝 絆の秘湯 (2) 異伝 最も強き者の名 (5) 無章 その手が拓く未来 (3) 1章 暗夜の同胞 (2) 2章 魔剣ガングレリ (2) 3章 旅立ちの刻 (2) 4章 白夜の同胞 (2) 5章 母と子 (2) 6章 その手が拓く未来 (1) 6章 光へ手を伸ばす (3) 7章 寄り集まる心 (3) 8章 猛き風 (4) 9章 神々の坐す国 (4) 10章 忍の里 (6) 11章 海へ… (4) 12章 楽園の再会 (6) 13章 魂は屈せず (3) 14章 柔く光り散りて (4) 15章 人狼の峰 (5) 16章 歓楽の宮殿 (3) 17章 氷の別離 (4) 18章 暗夜王子レオン (3) 19章 虹の賢者 (3) 20章 黒竜砦 (4) 21章 燃える滝 (4) 22章 死したる王都 (4) 23章 暗夜王女カミラ (4) 24章 星竜の涙 (4) 25章 蝙蝠の正体 (5) 26章 暗夜王子マークス (4) 27章 暗夜王ガロン (5) 終章 闇の去り行く暁 (4) 6章 闇へと進みゆく (2) 7章 聞こえざる啓示 (2) 8章 氷の村の少女 (6) 9章 再びの試練 (5) 10章 望まぬ再会 (5) 11章 虹の賢者 (3) 12章 昏き企み (2) 13章 反乱鎮圧 (2) 14章 楽園の歌声 (2) 15章 鈍く崩れ落ちて (3) 16章 白夜侵攻 (3) 17章 裏切りの魔窟 (4) 18章 黒白の王子 (4) 19章 妖狐の山 (4) 20章 風の村の覇者 (2) 21章 黄泉の階段 (3) 22章 白夜王女サクラ (3) 23章 囚われし瞳 (7) 24章 白夜王女ヒノカ (4) 25章 白夜王子リョウマ (6) 26章 悪逆 (4) 27章 虚ろなる王 (4) 終章 光去り行く黄昏 (5) 6章 狭間へ沈みゆく (4) 7章 語られざる世界 (5) 8章 裏切りの汚名 (5) 9章 流浪 (4) 10章 神の声 (4) 11章 共闘 (5) 12章 凍てつく海 (4) 13章 失われた楽園 (7) 14章 暗夜軍襲来 (5) 15章 虹の賢者 (4) 16章 白き炎 (4) 17章 黒き炎 (3) 26章 我が名は透魔王 (3) 外伝 悲劇にさす光明 (3) 外伝 竜の血がもつ宿命 (3) 外伝 歌姫と共に (3) 外伝 闘わぬことの意味 (3) 外伝 心通うとき (4) 外伝 願いの薬草 (3) 外伝 父の背を追って (5) 外伝 狩猟に導かれし道 (2) 外伝 サイゾウの名跡 (2) 外伝 狩る者狩られる者 (2) 外伝 愛憎半ば (2) 外伝 眠り妨ぐもの (3) 外伝 完璧な娘 (2) 外伝 秘術の果てに (3) 外伝 秘めたる覚悟 (4) 外伝 囚われの王子 (4) 外伝 守り守られる者 (3) 外伝 風変わりな親子 (2) 外伝 寂寥と嘘と喜びと (5) 外伝 究極最強の魔法 (3) 外伝 危機に咲く笑顔 (3) 外伝 予期せぬ遭遇 (3) 異伝 覚醒との邂逅 (6) 異伝 楽園争奪戦 (2) 異伝 恐怖の霊山 (3) 異伝 決闘の博物館 (9) 異伝 遺跡の財宝 (4) 異伝 王族最強戦 (2) 異伝 見えざる史実 前編 (3) 異伝 見えざる史実 後編 (4) 異伝 神将の試練場 (4) 異伝 盗賊アンナ (2) 異伝 砲手の試練場 (3) 報酬「アンナの贈り物」 (1) 異伝 魔女の試練場 (3) 報酬「アンナの贈り物2」 (1) 異伝 絆の白夜祭 (2) 異伝 絆の暗夜祭 (2) 序章 リインカーネーション (1) 第1章 スタア誕生 (1) 第2章 あの子に首ったけ (1) 第3章 ネクストジェネレーション (1) 第4章 ザ・オーディション (1) 第5章 トゥルー・カラーズ (1) 第6章 ファイアーエムブレム (1) 1000G (3) 100G (1) 10G (1) 150G (1) 1G (1) 200G (1) 3000G (1) 3すくみ(三すくみ) (16) 5000G (1) 50G (1) 5G (1) 【7000G】 ←ワ TOPに戻る
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9376.html
ファイアーエムブレム エンゲージ 【ふぁいあーえむぶれむ えんげーじ】 ジャンル ロールプレイングシミュレーション 対応機種 Nintendo Switch 発売元 任天堂 開発元 インテリジェントシステムズ 発売日 2023年1月20日 定価 パッケージ版:7,678円(税込)ダウンロード版:7,600円(税込) レーティング CERO B 判定 良作 ポイント 歴代シリーズの英雄たちと「エンゲージ」して戦う練られたシステムにより戦略性はさらに絶妙にシナリオとキャラクターはライト路線に直近作と比べてやや不便になったUI ファイアーエムブレムシリーズ 概要 戦闘システムの新要素・変更点 ゲームの流れ 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 Nintendo Switchでは『風花雪月』に続き2作目となるファイアーエムブレムシリーズ第17作(*1)。 前作『風花雪月』はコーエーテクモとの共同開発、前々作『Echoes』はリメイク作だったため、インテリジェントシステムズ単独制作かつシリーズ完全新作としては『if』以来7年半ぶりとなる。 過去作のキャラクターが「紋章士」として登場し、「エンゲージ」して共に戦うという要素がゲームシステム・ストーリーの両面でメインテーマとなっている。 戦闘システムの新要素・変更点 エンゲージ タイトルにもなっている今作の目玉システム。 シンクロ 出撃の際、ユニットは「紋章士の指輪/腕輪」を装備し、内包された英雄の力を使うことができる。 指輪を装備したユニットは常時「シンクロ」状態となり、ステータスが上昇する他、シンクロスキルという紋章士ごとに固有のスキルを使えるようになる。 シンクロスキルには、シグルドの「再移動」のように常時発動するものや、アイクの「引き戻し」のようにコマンドを選択して発動するものがある。 エンゲージ そして指輪を装備したユニットは、マップ上で「エンゲージ」コマンドを選択することで、初期状態では3ターンの間(*2)英雄の魂と一体化したエンゲージ状態となる。 エンゲージ状態は髪色と服装が紋章士毎に用意されたものとなり、戦闘スタイルによって背中などの装飾品が変化する。鮮やかな髪色で幻想的な衣装は、『幻影異聞録♯FE』のカルネージフォームを彷彿とさせる。 エンゲージ状態ではシンクロ状態に加え、更に以下の恩恵が得られる。 なお、前作の「戦技」「騎士団」は、こちらにスポイルされる形で消滅している。 エンゲージスキル エンゲージ状態のときのみ発動可能なスキル。シンクロスキルより強力なものが多い。セリカの「重唱」やリンの「残像」がこれに当たる。 エンゲージ武器 紋章士ごとに固有の武器を使えるようになる。マルスのレイピアやミカヤのシャインが該当。 セリカのリカバーのような杖だったり、DLC限定ではあるがチキの爪やブレスといったものも存在する。 ただ、誤解されやすいが、紋章士の指輪を装備するユニットの武器種が必ずしも紋章士のエンゲージ武器の武器種と一致している必要はない。例えば剣が使えないクラスのユニットでもマルスとエンゲージすればレイピアを使用可能。 エンゲージ技 一度のエンゲージ中に一回だけ使える強力な必殺技。マルスのスターラッシュやセリカのワープライナが該当。 攻撃系のエンゲージ技はいずれも必中かつ反撃を受けない。 スタイルボーナス シンクロスキルやエンゲージスキル、エンゲージ技の中には、戦闘スタイル(後述)によって追加効果を得られるものもある。 絆レベル 指輪/腕輪を付けて戦闘などを行うと、ユニットと紋章士の絆レベルが上昇する。新たなシンクロスキルやエンゲージ武器が開放される他、ステータス上昇幅も大きくなる。 また絆レベルが一定(5・10・20)に達するごとに「絆会話」が発生。支援会話のように拠点で見ることができる。 絆会話を見ないとそれ以上絆レベルを上げることはできない。このため、1マップで上げられる絆レベルの量は実質的に上限がある。 指輪/腕輪の種類 指輪/腕輪には以下の種類がある。 紋章士の指輪 本編の進行と共に入手できる指輪。マルスやセリカをはじめ、原作の主人公に該当するキャラが多い。 紋章士の腕輪 DLC「神竜の章」をクリアすることで入手できる腕輪。 絆の指輪 ソラネルの「紋章士の間」で入手できる指輪(後述)。 装備するとステータスが上昇し、一部のランクSの指輪は絆スキル(*3)も得られる。ただし紋章士の指輪と異なりエンゲージすることはできない。 出典ごとに10人分の絆の指輪が存在する。『紋章の謎』ならシーダやナバール、『封印の剣』ならリリーナやディークなど。また、DLC紋章士もルフレとヴェロニカ以外は絆の指輪として登場している。 登場する紋章士 + 本編に登場する12の指輪の紋章士 マルス 「始まりの紋章士」。『暗黒竜と光の剣』『紋章の謎』『新・暗黒竜と光の剣』の主人公で、『新・紋章の謎』の主人公の一人。 物語冒頭から仲間になり、ストーリー中でも出番が多い紋章士の中心的存在。 スキルは「見切り」や「たたみかけ」など攻撃性能が高いものが多く、速さに優れるユニットと好相性。 セリカ 「響きの紋章士」。『外伝』『Echoes』の主人公の一人。 魔法をメイン武器にする貴重な紋章士の一人であり、スキルも魔法攻撃を強化するものが多い。 シグルド 「聖戦の紋章士」。『聖戦の系譜』前半の主人公。 シンクロ中は移動力が上がり、エンゲージスキル「迅走」ではさらに移動力が+5もされる。便利な「再移動」も含め、移動力の補助に長けた紋章士。 リーフ 「系譜の紋章士」。『トラキア776』の主人公で、『聖戦の系譜』の主要キャラクターの一人。 様々な種類のエンゲージ武器を、エンゲージスキル「即応」により自動で持ち替えることができる(*4)。ブレイクを巡る攻防が得意な紋章士。 ロイ 「封印の紋章士」。『封印の剣』の主人公。 スキル「踏ん張り」はHPが一定以上ならどんなダメージでも確実に耐えられるようになる強力な効果。回復系のスキルと組み合わせると生存性が上がる。 リン 「烈火の紋章士」。『烈火の剣』の主人公の一人。 エンゲージ技「流星群」は射程10(隠密スタイルなら20)で攻撃できるという規格外の性能。厄介な敵を遠距離からスムーズに処理することができる、攻略上とても有用な技。 エイリーク/エフラム 「聖魔の紋章士」。『聖魔の光石』の主人公たち。 「オルタネイト」コマンドを使うことで2人を随時切り替えられるほか、エンゲージすることで二人の長所を併せ持つ能力を使える。状況に応じた使い分けが重要。 アイク 「蒼炎の紋章士」。『蒼炎の軌跡』の主人公で、『暁の女神』の主人公の一人。 「勇将」や「不動」など耐久力が上がるスキルが多く、前線で壁となるユニットとの相性が良い紋章士。 ミカヤ 「暁の紋章士」。『暁の女神』の主人公の一人。 シンクロスキル「杖使い」により、装備すればどんなユニットでも杖を使えるようになる。サポート力を向上させてくれる紋章士。 ルキナ 「覚醒の紋章士」。『覚醒』の主要キャラクターの一人で、DLCシナリオ「絶望の未来」の主人公。 装備すると戦闘スタイルによらずチェインアタックが発動可能になる。原作のデュアルアタックやデュアルガード由来のスキルも使用可能で、味方との連携が重要になる紋章士。 カムイ 「選択の紋章士」。『if』の主人公。今作では女性の姿で登場。 シンクロスキル「竜脈」はスタイルごとに様々な特殊効果を地形に付与できる。組み合わせるユニットによって使い方が大きく変わる紋章士と言える。 ベレト 「風花の紋章士」。『風花雪月』の主人公(兼、『無双 風花雪月』のライバルキャラクター)。 エンゲージ技「計略:女神の舞」は隣接する味方4人を一気に再行動させられる唯一無二の効果。「指導」により味方を強化できるのでサポートに向いている紋章士。 なお、主人公を担った『風花雪月』では戦闘時以外にボイス付きの台詞がなく、「自分」という一人称をはじめとした彼の口調は主に『ヒーローズ』や『無双 風花雪月』から取られている。 + そして最後に… 「絆炎の紋章士」 最後に仲間入りする本作オリジナルの紋章士。 エンゲージ技は、剣とビーム(魔法)の二段攻撃を展開する。この際に技名を叫ぶなど、ヒロイックな部分を前面に押し出している。 + 神竜の章・邪竜の章に登場する7つの腕輪の紋章士 チキ 「竜姫の紋章士」。『暗黒竜と光の剣』『紋章の謎』『新・暗黒竜と光の剣』『新・紋章の謎』の主要キャラクターの一人。 エンゲージするとどんなキャラクターでも竜に変身し、ステータスが上昇する。味方に復活の石を与えられるエンゲージ技「女神の祝福」を始めとした強力なスキルを数多く持つ。 ヘクトル 「天雷の紋章士」。『烈火の剣』の主人公の一人。 アイクと同様防御に長けたスキルが多く、壁役に最適な紋章士。 セネリオ 「賢風の紋章士」。『蒼炎の軌跡』『暁の女神』の主要キャラクターの一人。 魔法攻撃に長ける紋章士。エンゲージ武器「サンダーストーム」は貴重な遠距離攻撃が可能。 クロム/ルフレ 「絆の紋章士」。『覚醒』の主人公たち。ルフレは男性の姿で登場。 2人が同じ腕輪に宿っており、攻撃とサポート、両方のスキルをバランスよく持つ。 カミラ 「暗夜の紋章士」。『if』の主要キャラクターの一人。 カムイと同様「竜脈・暗」で地形に効果を付与できる他、移動力サポートや魔法攻撃など様々な役割をこなせる紋章士。 エーデルガルト/ディミトリ/クロード 「三鼎の紋章士」。『風花雪月』『無双 風花雪月』の主要キャラクターたち。 3人が同じ腕輪に宿っており、ターン開始時にランダムで紋章士が切り替わるという仕様。紋章士に合わせて戦術を変えるといった柔軟性が求められる。 ヴェロニカ 「英雄の紋章士」。モバイルアプリ『ファイアーエムブレム ヒーローズ』の主要キャラクターの一人。 エンゲージ技「英雄召喚」によりランダムで味方ユニットを召喚することができる(*5)。マルスなど強力な英雄が呼び出せることもあれば、名もなきモブ兵士しか引けないことも…。 エンゲージカウント シンクロ中のユニットは、「エンゲージカウント」が最大の状態の時のみエンゲージすることができる。 基本的に戦闘開始時点で全ユニットのエンゲージカウントは最大なので、即エンゲージすることが可能。 エンゲージ状態が終了するとエンゲージカウントは0に戻る。この状態で「攻撃する」「攻撃される」「杖を使用する」のいずれかを行うと、その都度カウントが溜まっていき、最大になれば再びエンゲージすることが可能になる。一度の戦闘で増やせるカウントに制限はなく、追撃などで二回以上攻撃したり、されたりした場合、3ポイント以上増加することもある。 またマップ上には「紋章氣」というポイントが存在し、そこにユニットを移動させるとエンゲージカウントが最大まで回復する。 敵のエンゲージ 一部のマップでは、敵も指輪を装備してエンゲージしてくる。 スキルやエンゲージ技などの仕様は一部異なるものもある。 武器種 剣・槍・斧・弓・魔法・杖といったおなじみの武器種に加え、以下の武器種が登場している。 体術 『風花雪月』の籠手のような格闘攻撃。 本作の体術は力と魔力の平均で物理攻撃力が決まる(使用ユニットの「(力+魔力)/2」 - 敵ユニットの「守備」=体術のダメージとなる)。力と魔力がどちらも高めなユニットと好相性。 射程は1だが自分から攻撃時に二回攻撃できるものが多い。 短剣 『暁の女神』以来の復活。 1~2射程のものが多く、ダメージを与えると相手を毒状態にする。デバフを与える武器という点では『if』の暗器に近い。 毒を受けたユニットは被ダメージが一定値増加する。毒は3回まで蓄積し、ダメージ増加も1→3→5と増えていく。 武器レベル 過去作にあったキャラ毎の武器レベルは廃止。クラス毎に使用可能な武器レベルが設定され、レベルアップもしないようになった。 代わりにキャラごとに「天性素質」といういわゆる得意武器が設定されている。天性素質に該当する武器種は、使用可能な武器レベルが1段階上昇する。 ただし、天性素質の補正があっても武器レベルがS到達できる兵種は限られている。原則、武器を1種類しか持てない兵種のみSに到達可能。 シリーズ経験者には、クラスによって武器レベル固定+素質(血統)によって決まる『聖戦の系譜』を彷彿とさせる仕様、と言えばわかり易いだろうか。 ブレイク 自分から攻撃した際、相性有利な武器で攻撃がヒットすると相手を「ブレイク」することができる。ブレイクされたユニットは、その戦闘と次の戦闘が終了するまで武器を持っていない状態となり、反撃できなくなる。 武器の相性は、シリーズおなじみの「剣→斧→槍→剣→…」という3すくみの他、前述の「体術」が「弓・魔法・短剣」といった2射程武器に対して有利となっている。 その代わり、過去作にあった武器相性による命中率やダメージの補正はなくなった。不利な武器で攻撃を仕掛けても、反撃さえ食らわなければデメリットは特にない。 スマッシュ 「てつの大剣」など一部の武器で自分から攻撃すると「スマッシュ」が発生。ヒットすると相手を1マス後ろに移動させる(*6)。 これによって別のユニットや壁などの移動不可な地形に叩き付けると、強制的にブレイク状態を付与する。 ただし、スマッシュを起こせる武器は自分から攻撃した場合でも必ず後攻で攻撃し、追撃が発生しない。 武器の重さ・体格・耐久値 ユニットの体格が『暁の女神』以来に久々の復活。武器の重さが体格を上回っている場合、その分攻速が下がってしまう。 『外伝』や『if』、『Echoes』と同様、武器に耐久値はなく壊れることはない。一方で杖や傷薬などの消費アイテムは使用回数が決まっている。 復活の石 一部の敵キャラは「復活の石」を所持しており、撃破しても復活の石を消費してHPを全回復する。 複数個の復活の石を持っている敵も存在する。完全に倒すには、石をすべて消費させた状態で撃破しなければならない。 更に特定の敵は復活時に「暴走」状態になってパワーアップする事もある。 戦闘スタイル 本作では兵種ごとに「戦闘スタイル」という分類があり、それぞれ異なる効果を常時得られる。また、シンクロスキルやエンゲージ技でスタイルボーナスを得られる組み合わせが存在する。 + 戦闘スタイルと効果 竜族 神竜ノ子や邪竜ノ娘などの一部ユニットの専用兵種が該当。 エンゲージ時にスタイルボーナスを必ず得ることができる。 また、エンゲージスキルやエンゲージ技の追加効果が必ず発動する。 一部ユニットは竜石を使って竜の姿に変身することもできる。 連携 アクスファイターやソードファイターなどの歩行近接兵種が該当。 連携スタイルのユニットは、味方が敵を攻撃した際、自身が「その場から動かずに同じ敵を攻撃できる」場合、「チェインアタック」という連携攻撃が発動する。 チェインアタックはユニットのステータスに関わらず、命中80%・ダメージは敵の最大HPの10%で固定。 条件を満たしていれば複数のチェインアタックが同時発動する。強敵と戦う上では重要なテクニックだが、味方が囲まれればあっという間にピンチに陥る。 今作では移動力がデフレ傾向にあるため、条件以上に発生しやすい。 スタイルボーナスでは必殺やチェインアタックに纏わるものが多いが、恩恵は控えめ。 気功 モンクやダンサーなどのサポート系兵種が該当。 気功スタイルのユニットは、自身のHPが100%の時、コマンドで「チェインガード」を発動可能。隣接するユニットが攻撃を受けた際、最初のダメージを完全無効化することができる。 ただしチェインガードが発動すると、自身のHPが20%減ってしまうので連続発動はできない。また、チェインガード発動前にHPが減ると発動できない。 スタイルボーナスでは強制ブレイクや回復への恩恵を得る傾向にある。 隠密 アーチャーやシーフなどの歩行間接兵種が該当。 隠密スタイルのユニットは、地形効果の回避上昇効果が倍になる。 スタイルボーナスでも回避に重点が置かれている。 魔道 マージやハイプリーストなどの魔法を扱う兵種が該当。 魔道スタイルのユニットは、魔法で攻撃した際相手の地形による回避効果を無効化できる。 スタイルボーナスでは魔力やダメージ上昇といった火力への恩恵を得る傾向となっている。 重装 ランスアーマーやジェネラルなどの守備の高い兵種が該当。 重装スタイルのユニットは、相性不利な武器で攻撃されてもブレイクされない(*7)が、移動力が低く重装特効を受ける。 スタイルボーナスでは守備の更なる上昇の恩恵を得やすい。 飛行 ランスペガサスやドラゴンナイトなどの空を飛ぶ兵種が該当。 飛行スタイルのユニットは、地形を無視して移動できて移動力も高く、地形効果にも影響されないが、飛行特効を受ける。 スタイルボーナスでは魔防の恩恵を得やすく、やや移動もさらに上昇させる傾向にある。 騎馬 パラディンやウルフナイトなどの馬や狼に乗る兵種が該当。 騎馬スタイルのユニットは、移動力が高いが、騎馬特効を受ける。 従来の騎馬兵種は林や砂漠等の悪路で歩行より移動力が落ちやすいデメリットも存在していたが、本作に置いてはそれが無くなり純粋に移動力に長ける兵種となっている。 スタイルボーナスでは長所である移動の恩恵を特に得やすい。 クラスチェンジ 前作の資格試験が撤廃され、下級から上級にクラスチェンジするオーソドックスな形式に戻った。細かな仕様は『覚醒』のものを踏襲している。 過去作では、下級職のレベルが低いうちにクラスチェンジすると「経験値が入手しづらくなる」「レベルアップ可能回数が減り、最終的なステータスが弱くなる」といったデメリットが大きかったため、「下級レベル限界(概ね20)まで育ててクラスチェンジ」というのがセオリーだった。 しかし本作では、「チェンジプルフ」を使えばいつでもレベルを1に戻せるため、レベル上限を気にせず育成することができる。…が、経験値の入りやすさは累計レベルからなる「内部レベル」のマスクデータで管理されており、クラスチェンジのタイミングで経験値量が変動することはない。 よって、過去作と異なり基本的には最速でクラスチェンジするのが得な仕様になっている。 クラスチェンジには、兵種ごとに対応する武器種の素質を持っている必要がある。 素質はユニットごとに最初から所持しているものと、レベル10で自動的に取得するものの他、紋章士の絆レベルを上げることで増やすことができる。 性別によるクラス制限もほぼ存在しない(*8)。 これにより、基本的に素質さえ修得すればどんなキャラでも好きな兵種につけるようになっている。 また特定のユニットのみがつける専用職も存在する。 スキル 上記のシンクロスキル・エンゲージスキルの他、さらにいくつかの種類がある。 個人スキル 『if』『風花雪月』と同様、ユニットごとに最初から保持している着脱不可のスキル。 兵種スキル 上級職レベル5や特殊職レベル25になると取得できるスキル。兵種ごとに異なり、チェンジプルフで他のクラスに変わるとスキルも消える。 継承スキル 「紋章士の間」で紋章士から継承することができるスキル(後述)。ユニットごとに2つまで装着可能。 竜の時水晶 『Echoes』のミラの歯車、『風花雪月』の天刻の拍動と同様のターン巻き戻しシステム。 序盤から解禁され、 難易度ノーマルでは無制限に 、ハード/ルナティックでは1マップに10回まで使用可能。 またノーマル/ハードでは戦闘中でも自由にセーブが可能(ルナティックでは中断のみ可)。 成長方法 一度本編をクリアすると、ニューゲーム時にユニットの成長方法を「ランダム」か「固定」か選択することができる。 固定式の成長を選べるのは『蒼炎の軌跡』以来(*9)。 ランダム成長はこれまで通り、レベルアップ時にユニットごとの成長率に応じたランダムで上昇する能力が決まる。一方固定成長は、ユニットごとの成長率がそれぞれのステータスに隠しパラメータとして累積され、100になると能力値が一つ増える…というわかりやすいシステムになっている。 初回プレイ時の成長方法は難易度に応じて固定。ノーマルとハードはランダム成長、ルナティックでスタートしたときのみ、固定成長となる。 支援関連 従来と同様、本作でも支援による能力上昇や会話の発生などが存在する。また、同じ紋章士の指輪を身に着けて戦い続けることで「絆レベル」というパラメータが上昇し、これが一定以上に達すると「絆会話」と呼ばれる会話が発生する。 終盤で入手できるアイテムを意中のキャラクターに渡すことで主人公がその相手と「パートナー」になり、特別なイベント 一枚絵を見ることができる。 ゲームの流れ 本作は、一つのマップを終えるたびに「ワールドマップ」と呼ばれる画面に移り、次に進む場所を選択する。 本編を進行させる他、外伝や遭遇戦に挑んだり、拠点「ソラネル」で準備を整えることができる。 外伝 本編とは異なり、いつでも挑戦できる戦闘。本編の進行に応じて自動で出現する。敵のレベルはこちらの進行度に関わらず固定。 外伝はクリアするとユニットが加入するものの他、「紋章士外伝」が存在する。 紋章士外伝はその紋章士の出典のマップが再現されており、敵ボスとして紋章士自身と戦う。クリアすると絆レベルの上限が上昇(10→20)する。 なお、本作では「キャラの生存」などの条件が設定されていないため、時期が来れば必ずプレイすることが可能。 遭遇戦 リアルタイムの経過に伴い、マップ上にランダムで発生する戦闘。敵のレベルはこちらの戦力に合わせて変化する。 王宮といった一部に限り、模擬戦としてクラシックでも撤退扱いとなるマップもある。 神竜の章 DLCを購入することでプレイできるマップ。クリアすると紋章士の腕輪を入手できる。敵のレベルはこちらの戦力に合わせて変化する。 邪竜の章 DLCを購入することでプレイできるマップ。本編とは異なる世界を舞台にした章を順番に攻略していく。 出撃メンバーは固定枠の他、自由枠として本編で仲間にしているユニットを選んで出撃させることができる。ただしステータスやクラス、所持している武器は本編の状態に関わらずユニットごとに固定となっている。 紋章士の指輪/腕輪の入手状況と絆レベル、継承したスキル、支援レベルは本編のものが反映される。 本編とは別にいつでも難易度変更が可能。またクラシックモードでも倒されたユニットはロストせず以降のマップで使用可能。 すべての章をクリアすると、新たなユニットが仲間になるうえ「マージカノン」と「エンチャント」にクラスチェンジするためのアイテムが入手できる。 戦闘後の散策 『外伝』、『Echose』のように、戦闘に勝利すると、そのマップを自由に歩き回ることができる。戦闘中に映っていた背景や道のり、役物が丸ごと散策できるフィールドになり、全てを360°の視点で見て回れる。 本作では、マップに存在した砲台や砦、壊した扉や救出した民家までもそのままで残るようになり、民家の近くを再び訪れれば住民から改めてお礼の言葉を聞ける。逆に先の戦闘で盗賊に追いつけず壊されてしまった民家は散策の場面でも廃屋になっており、救出できなかったことへの無念を募らせる。 マップの光っている部分を調べることで、「絆のかけら」(後述)や錬成用の素材などを入手することができる。 出撃させたユニット(一部出撃させていないユニットも)が共にマップ上で見回りをしており、話しかけると人物毎に異なるその地域や先の戦闘内容に則した台詞を聞ける。会話後には「絆のかけら」が貰えることがある。また、ストーリー中では散策が発生しなかったマップ(*10)も遭遇戦を突破すると散策が可能になる。 内容は2行程度と簡素ながら先の戦いに対する心情や意見、時に世界観や作中情勢に関わる情報を各々の視点で述べてくれるもので、逆にストーリーと無関係な内容が主であるソラネル内での会話に代わって本作における実質の拠点会話としての役目を担っている。 マップ上には野生の動物も生息しており、「保護」してソラネルへ連れて帰ることもできる。但し、一部の動物は生息地に応じて国への「投資」をしていなければ保護できない制限がある。 ソラネル ワールドマップから行くことができる、様々な施設が詰まった拠点。『if』のマイキャッスルや『風花雪月』の大修道院に該当する要素。 ここでは仲間たちが私服に着替え、思い思いに時間を過ごしている。 以下では主な施設を解説する。 紋章士の間 絆の指輪精製・合成 絆のかけらを消費して、絆の指輪を精製することができる。 絆の指輪は紋章士ごとに10種類存在する。例えばマルスの指輪から精製する場合、出典である『紋章の謎』のキャラクター(シーダやナバールなど)の絆の指輪がランダムで入手できるという形式。 絆の指輪にはC~Sまで4段階のランクがあり、高ランクなものほどステータス補正が高くなる。また一部のSランクの指輪は、装備すると特殊なスキルが得られる。 同じ指輪は絆のかけらを消費して合成することで、高ランクにランクアップさせることもできる。 指輪磨き その名の通り、指輪を磨いて紋章士とスキンシップ(?)を図ることができるシステム。磨いたユニットと紋章士の絆レベルが少し上昇する。 コツとしては磨くで喜ぶ場所を探し、そこを強く磨くのがポイント。もっとも絆レベルを上昇させるなら他にもっと効率がいい方法があるので、あくまでおまけ要素の部類である。 スキル継承 紋章士からスキルを継承することができるシステム。継承するには、紋章士との絆レベルが5以上、かつ継承したいスキルが開放されているレベルである必要がある。 継承可能なスキルは、シンクロスキルと継承スキルの二種類。 同じシンクロスキルの効果は重複しない。例えばマルスから「見切り」を継承した状態でマルスの指輪を付けても「見切り」が二重に発動することはない。 継承スキルは、継承して初めて効果を発揮するスキル。例えばマルスとの絆レベルが2になると、継承スキル「回避+10」が開放されるが、この時点ではスキルの効果は得られない。絆レベルを5以上にして「回避+10」を継承し、スキルをセットすることで初めて効果が得られる。 継承の際はSPを消費する。SPは指輪(種類を問わない)を付けた状態で戦闘すると溜まっていく。SPの入手量は紋章士の指輪は獲得経験値の100%、絆の指輪は50%。 なお、1.3のアップデート以降は、紋章士の間だけでなく、鍛錬の間でも可能となった。 エンゲージ武器強化 紋章石というアイテムを消費して、紋章士のエンゲージ武器を強化することができる。 鍛錬の間 通常鍛錬 ユニットを選択し、紋章士含むランダムで選ばれた味方と戦って経験値を得ることができる。 『聖戦の系譜』の闘技場、もしくは『新・紋章の謎』にあった訓練所のような役割の施設だが、無料で利用できる。負けてもユニットがロストすることはなく、対戦した相手と僅かに支援値、もしくは絆ポイントを獲得する。 通常鍛錬は1マップをクリアするごとに、一人につき3回まで行える。 特別指名鍛錬 紋章士を指名して戦うことで絆レベルを上げることができる。挑む際は絆のかけらを消費するが回数制限はない。 形式上紋章士と戦うことになるが、勝敗はレベル上昇に影響しない。 絆会話が発生するレベルに到達すると、自動的に会話が発生する。 ショップ 武器屋・道具屋 アイテムを購入することができる。商品は本編の進行度によって更新される。 アクセサリー屋 拠点での仲間の見た目を変更したり、変更するための服装や装飾品の購入ができる。 錬成屋 錬成・進化 お金と晶石を支払うことで、武器を強化したり異なる武器に変化させることができる。 錬成は『Echoes』形式で、武器ごとに5段階の定められた強化を行える。 紋章刻印 紋章士の刻印により武器を強化することができる。 強化効果は紋章士によって異なる。また一人の紋章士につき刻印を与えられるのは一つの武器のみ。 カフェテラス 料理を行って、次の章まで一時的にステータスを上昇させることができる。 ステータス変化は料理の種類や出来栄えによって異なる。出来が酷いとステータスが下がってしまうことも。 掲示板から各国への投資をしたり、実績を確認したりできる。 サウンドボックスからは、ソラネルのBGMをストーリー進行に応じたものに変えることもできる。 牧場 戦闘後の散策で保護した動物を最大5匹まで放牧出来る。 出撃するごとに動物ごとに決められたアイテムを拾ってくる。 犬は武器錬成に必要な晶石を拾ってくるのだが、貴重な「ぎんの晶石」を拾ってくる事があり、気が付けばドッグランになってしまったプレイヤーも多い。 マイルーム 難易度変更や支援会話回想の他、休憩すると仲間が起こしに来てくれる「お目覚め会話」が一戦闘一回だけ発生する。 ミニゲーム ボタンをタイミングよく押す「筋肉体操」や「魚釣り」、レールシューティングの「ドラゴンシューター」などのミニゲームを楽しめる。 ソラの祭壇 ソラネルのマスコット的な動物「ソラ(名前変更可能)」と触れ合うことができる。 友好度を高めると、絆のかけらをもらえたりミニゲームで助けてもらえたりする。 祭壇近くに落ちていたり、ご飯を食べたり撫でられて嬉しかったりすると出てくる絆のかけら。それってうん… 不思議な井戸 アップデートで追加された施設。いらないアイテムを入れると、戦闘後に違うアイテムが入手できる。 amiiboスポット amiiboを読み取ることによりちょっとしたアイテムを入手できる。 ファイアーエムブレムシリーズのものを読み取れば、1日に1枚「繋戦開始チケット」が必ず手に入り、またフリーマップで使える過去作のBGMや紋章士の衣装と交換できるチケットを入手することが可能。 同じ種類のシリーズamiiboで入手可能なチケットは1枚だけなので、amiiboのみで衣装とBGMをコンプリートするには、ほぼ全てのファイアーエムブレムのamiiboを揃える必要がある。(*11) それ以外の方法で入手するには、それぞれの紋章士で仲間36人分の絆レベルを20まで上げなければならない。 試練の離れ 本編とは独立したマップで戦闘できる施設。 連戦の試練 マップを連続でクリアしていくモード。最大50の段階で細かく難易度を調整可能。 繋戦の試練 インターネットを通じて他のプレイヤーと同じマップをリレー形式で順番にプレイしていくモード。プレイにはSwitch Onlineへの加入が必要。 リアルタイムの経過(1日に1枚)で手に入る「繋戦開始チケット」を消費することでプレイできる。 異界の試練 インターネットを通じて他のプレイヤーの部隊と対戦できるモード。自分でマップをエディットすることもできる。こちらもプレイにはSwitch Onlineへの加入が必要。 いずれも報酬としてエンゲージ武器の強化素材などが入手できる。 なおここでのプレイ(*12)も出撃1回に含まれるため、ソラネルの施設の再利用が可能となる。 戦闘内でユニットがロストしたり、アイテムを消費していても開始前の状態に戻る。経験値などは稼げない。 またクラシック・カジュアルどちらのモードでプレイしていても、ここで倒されたキャラは必ずロスト時の台詞となる。 評価点 完成度の高いゲームバランス エンゲージという強力な新システムが追加されながらも、戦略性が問われ緊張感があるゲームバランスに調整されており、戦略シミュレーションとしての評価は非常に高い。 移動力が5も上昇するシグルドの「迅走」や、射程10で攻撃できるリンの「流星群」など、エンゲージスキルやエンゲージ技は非常に強力で、一見するとこれらを使えば簡単にクリアできてしまいそうに思われがち。 しかしエンゲージは3ターン+α、エンゲージ技はその中で1回のみという制限もあるため、適当に使うだけでは真価を発揮できない。強力ゆえに使い所を考える必要があるシステムになっている。 相性不利だと無防備になるブレイクや、命中率とダメージが固定のため少しずつ削られていくチェインアタックにより、強いユニットでも安易に敵に突っ込ませるとやられてしまう可能性も高い。 復活の石を持った敵などの要素も合わさり、従来作でしばしば見られた「強いユニット1体で無双する」攻略法は通用しづらい。「強い男に入れ込み過ぎてまわりの戦士はヘナチョコばかり」ではクリアは難しく、様々なユニットを育成して総動員する戦略シミュレーションらしいプレイが求められる。 以上の要素により、全体的にライトな雰囲気に反して全体的な難易度はシリーズの中でも高め。 ただし難易度ノーマルであれば敵のステータスは低めであり、初心者でも十分クリアできる程度。巻き戻しや戦闘中のセーブも無制限に行えるため、リトライのハードルは低くなっている。 一方高難易度ではエンゲージをフル活用してギリギリクリアできるように調節されており、絶妙な難易度バランスに調整されている。 戦闘スタイルシステムにより、兵種ごとの個性もより強まった。 これまでは「兵種特効を受けない」という消極的な特徴しかなかった歩行系の兵種だが、今作ではチェインアタック(連携)やチェインガード(気功)により一躍重要な役割を担えるようになった。 回避力を高めやすい隠密スタイルも強力で、地形効果のあるマスに置くと相手の命中を0%にすることも難しくない。一方で魔道スタイルは地形効果を無視できるため回避戦術への対策になるなど、スタイル間の相性も考えられている。 移動力が低く特効を受けるというデメリットがあった重装には「相性不利でもブレイクされない」というメリットが追加され、壁役としての安定感が増した。守備も極端なまでに高いので、速さが低く追撃で他のユニットよりダメージを受けやすいという弱点もほぼ無くなった。その代わり魔法防御は他より抑えめになっており、初期作での特徴だった「物理には強いが魔法には弱い」という設定が最大限に活かされている。 反面、元から移動力が高いという強みを持つ騎馬と飛行にはスタイルによる特殊効果が追加されておらず、兵種ごとの格差を減らそうという意図が見られる。とはいえ不要という扱いでもなく、地形を無視できる飛行は言わずもがな、騎馬も含めてスタイルボーナスで移動という長所が伸びるようになっており、活躍の機会は設けられる。敵に弓以外の特効武器持ちが少ないという追い風もある。 敵のユニットも、アーマー系には物理ではロクにダメージが通らなかったり、騎馬、飛行は移動力を活かして自軍に切り込んでくるなど、兵種ごとの特色がさらに多彩になった。これらの対処に追われることもあり、自軍もさまざまな兵種を用意する必要があると言える。 武器に関しても、装備デメリットの種類が多かった『if』に比べて基本的に重量の変化のみとなったことで解りやすくなっている。 一見癖の強い大剣などのスマッシュ武器も、反撃で後手に回るデメリットを抑えたり、威力のみを参照するエンゲージ技で使用したりと使い道が広く用意されている。 魔法武器もいかづちの剣と光の弓は威力が非常に高く、剣と弓の使い手は、力が低くても積極的に使っていけるようになった。これは、間接物理攻撃が強力な槍や斧との差を埋める仕様であると思われ、従来のようにいずれかの武器が大きく割を食うといった結果にはなっていない。 杖にも「アイスロック」という障害物(氷柱)を設置するものが新たに登場している。 過去作にも移動を阻害する消費アイテムは存在したが、こちらは安価で購入可能で回数も多く、離れた位置に置ける、自ターン開始時に壊れる、要求武器レベルが低いと使い勝手が良い。 設置場所によっては相手の動きを大きく制限することも可能で、汎用性はとても高い。一方で敵に攻撃されると簡単に破壊されてしまうため、大量の敵が押し寄せるような場面では壁としては心もとなく、使い所が問われる杖となっている。 戦術マップもかなり作りこまれており、過去作で評価の高かった『新紋章』や『暗夜王国』と同等以上の好評を得ている。 さらに、「特定ターンごとにステージの形状が変化する」「敵将がワープしつつ視界外から繰り返し急襲してくる」「ユニットを押し戻す雪崩が発生する」など、バランスやゲーム性を損なわない範囲で練られたステージギミックも多数用意されており、飽きさせない作りになっている。 難易度が上がるほど爽快感が増すエンゲージの仕様 エンゲージ発動に必要な「エンゲージカウント」は、敵を攻撃したり杖を使うことによって増える。つまり、敵が多く、強くなる高難易度では、それだけエンゲージカウントを溜めるチャンスも増える。 前述の通りエンゲージをフル活用しないと厳しいバランスなのもあり、高難易度になるほどエンゲージ及びエンゲージ技を大量に発動する派手な戦いになることが多い。 高難易度クリアの報酬が少ない本作において、積極的に難易度を上げるモチベーションとして機能している。 編成・育成の自由度の高さ 前述にもあるが、本作では全ユニットが専用職以外のすべてのクラスに変更できる。 成長率やクラス上限の差こそあれ、ユニット自体の上限の個人差は低めに設定されている。個人スキルとの兼ね合いで初期クラスとは全く別のクラスに変更して意外な活躍をしたという例も。 また、本作でもクラスごとに成長率補正が存在するが、以前と異なり成長率がマイナスになることはない。そのため特定の能力に伸び悩む心配も薄く、結果的にクラス選択の自由度が広がったと言える。 ユニットと指輪、スキルの組み合わせも自由度が高い。同じユニットでも付ける指輪やスキルによって運用方法がまったく変わることも珍しくなく、また同じ指輪でも付けるユニットごとに異なる強さを発揮する。 例としてシグルドは移動上昇のスキルを所持しているが、重装に装備させれば低い移動力を補って前線に立たせやすくできる。一方で騎馬が装備すれば逃げる盗賊へと容易に追いつくだけの機動力を得られる。移動補正ではなく多数の敵を攻撃できるエンゲージ技を活かすため、力の高いユニットに持たせて敵を一掃する、など。 絆レベルは絆のかけらさえあれば鍛錬場で簡単に上げられるため、様々な組み合わせを試すのも比較的容易。発売当初は、スキル習得のためにわざわざ紋章士の間に行く必要があったが、のちのアップデートで改善されている。 継承可能なスキルは強力なものからシンプルなものまで様々。しかし強力なものほど消費SPが多く、自由枠も2つだけと闇雲に付けることはできなくなっているのでバランスが取られている。 男性専用のクラスは存在せず、女性専用のクラスもペガサスナイト系列の下級職のみ。飛行職の上級には男性でも自由に就けるため、以前と比べて男女の格差は小さくなっている。 ストーリー 直近でストーリーが評価された『Echoes』や『風花雪月』とは対照的に、重厚な戦争や政治劇などは扱われておらず、展開そのものはシンプル。一方で、『暁』での「血の誓約」や、『if』の暗夜王国の主人公が白夜王国を攻める理由のような、ストーリー進行において破綻していると言える要素は比較的少ない。(*13) マップ攻略と連動した「シチュエーションの熱さ」という点では、11章での絶望的な状況下での撤退戦や、17章の敵幹部である「四狗」全員を含めた敵将6人との激突のように、盛り上がりを見せる章が随所にある。 全ての紋章士が揃う終盤以降の展開は、それまでの伏線を回収しつつ次々とピンチを乗り越えたり、意外な人物が敵将として立ちはだかるなど、見どころも多い。 豊富な支援、散策会話 『Echose』や『風花雪月』、『無双』シリーズと同様に、本作でも支援会話をフルボイスで鑑賞できる。 『風花雪月』や『無双 風花雪月』のように、A 、Sといった4段階目は存在せず、進行具合やほかの支援状況、主人公による返答の選択に応じて会話の内容が変わることはない。ただし、本作では特定の時期しか支援会話ができなかったり、C、Bまでしか上げられないということはなく、支援可能なキャラはすべての組み合わせがCからAの三種類の会話が楽しめる。また、主人公以外でペアエンドが発生しなくなった関係上、前作で問題視された「すべての支援会話をコンプリートしようとすると、複数の異性に告白しているように見える」要素もなくなった。 本作では性別問わずすべての味方キャラとパートナーになることが可能となっている。あくまでパートナーであって結婚の契りを交わすとは名言されていないものの、自由度は歴代一。また、前作ではこのイベントをキャラごとに見直すためには最終戦を経る必要があったが、本作はクリア前に組めるため、イベントの回収が容易になっている。 主人公との支援会話を見合た後に解禁されるお目覚め会話が各キャラ6つづつ用意されている。支援会話の続きとしてこちらもキャラの掘り下げに一役買っている。 ユニットの散策時のコメントは終盤に加入する味方も含めた全キャラクターに、本編ストーリーで訪れた全マップ(*14)分用意されており、全て合わせるとかなりのボリュームを誇る。 寝返った仲間を遭遇戦に連れ、まだ敵対していた頃の章のマップへ訪れれば当時への振り返りや謝罪を述べるといった様子も観られる。 クラシックモード限定の仕様として、散策前の戦いで敵に倒されて死亡した味方(*15)がいた場合、そのユニットと関わり深い別の味方(*16)の台詞がその人の死を悼む内容に差し替えられる。『暗黒竜』『紋章』のエンディングや『聖戦』でのマップ会話に近く、クラシックモードならではのメリットと言える。 死亡した味方の有無でイベントが変わるのは前作でもあったが、これに伴い支援会話などの発生が不可能になるという弊害があった。本作では支援とは別の場所で発生するため、こういった弊害は起こっていない。 邪竜の章 DLCの邪竜の章は、『覚醒』の「絶望の未来」や、『風花雪月』の「煤闇の章」と同じく、本編以上に難易度が高く戦略性が求められる内容になっている。 マップごとにユニットのレベルや使えるアイテムが固定のため、ステータスを上げて強引に突破する方法は取れない。 加えて遠距離攻撃してくるマージカノンや特殊な効果を付与するエンチャント、最大HPが削られるデバフを掛けてくる狼などといった特殊ギミック持ちの敵も多く、難易度ハード以上では熟練のプレイヤーもうならせるてごわさとなっている。 特に難易度ルナティックの最終マップは、歴代作の中でも最高クラスの超高難易度。マップ開始時に「ユニットはやられても死なないので総力戦で挑みましょう」とメッセージが出るほどであり、実際に少しのミスで誰かがあっさりやられてしまうが、やり込みを重ねれば無犠牲クリアへの道は開ける。 ステータスは固定だが、継承したスキルや絆レベルは引き継がれるため本編での育成も無駄にはならない。難易度を安定させつつ戦略の自由度も保たれている、バランスの取れた仕様となっている。 一方、難易度ノーマルなら敵は弱いので比較的簡単にクリア可能。クリア特典だけ入手したい場合は難易度を落とすとスムーズ。 ストーリー面でも、邪竜の章では本編と鏡写しのような異界が舞台となり、明るめだった本編とは対照的に比較的シリアスな雰囲気で物語が展開する。 物語の中心となる新キャラクターのエルとイルは、設定や過去が謎を交えつつ開示されていくなど演出面でも工夫がなされている。 最大の特徴は王族や四翼といった主要人物の性格や立ち位置が、異界側ではことごとく本編とは反転した状態(*17)になっていること。本編のキャラクターに思い入れがあるほどギャップが印象的になる。戦闘時に発生する会話も、キャラクターごとの組み合わせが豊富に用意されている。 過去作キャラクターの活躍 歴代のキャラクター(*18)がボイス付き(*19)の3Dモデルで登場するのはシリーズファンには嬉しい点。 『幻影異聞録♯FE』や『ファイアーエムブレム無双』は登場キャラの出典が限られていたが、今回は全作品から選出されている。 絆会話も、支援会話と比べるとそれぞれの分量は短めながら全ユニットとの組み合わせが3種類ずつ用意されている。 原作の要素を取り入れた会話も多く、シリーズファンならニヤリとできる原作ゆかりの小ネタ(*20)も多い。ただし、過去作を知らないと置いてけぼりになるということはない。 紋章士毎にその登場作品のマップをモチーフにしたマップで戦う外伝があり、いずれもマップとしての手応えは勿論のこと、モチーフ元の小ネタや隠し要素の再現(*21)に至るまでの評価に事欠かない仕上がり。 指輪はストーリー上でも重要な意味を持ち、従来の「神器」や「神将器」、「英雄の遺産」といった特別な武器の役割を吸収するに足る存在感を放つ。 全体的にセリフ量や出番はあまり多くないものの、窮地に陥れば世界を救った英雄の視点で励ましてくれたりと、頼りになる一面を見せてくれる(特にマルスは中盤までだが前作のソティスのように、主人公と一体化した相棒として描かれる)。戦闘においても、後述するように性能に差はあれど大いに活躍するため、過去作のファンからも肯定的に受け入れられていることが多い。 グラフィックと演出 キャラクターの3Dモデルは高質で、イラストの雰囲気を残しながらも表情豊かな動きを見せてくれる。 特にキャラクターデザインのMika Pikazo氏の手掛ける細かな装飾や瞳の色彩といった表現は、大勢のキャラが登場するシミュレーションとは思えないリッチなクオリティで仕上げられている。 目の描写に関しては特別拘られており、ズームすると瞳が微動したりハイライトが脈を打つように揺れたりと生理現象的な要素まで表現されている。逆に戦闘中などカメラが引いた状態においてもキャラクターたちの目線や表情が判別しやすく、3Dモデルとしての無機質感を一切与えない。 戦闘アニメもスピーディーかつケレン味のある動きで描かれており、爽快感がある。 同じ種類の武器でも、レベルが上がるにつれて攻撃や回避のモーションが上達したり(*22)、ブレイクの際には武器を取り落とす描写がなされるなど細かい部分まで凝った表現がなされている。 またエンゲージするとユニットが宙に浮いた状態となり、過去作では見られなかったようなアクロバティックで派手なモーションを楽しめる。エンゲージ技では専用のカットインが入り、切り札という雰囲気を強く感じられる。 ヒットエフェクト及び効果音にも工夫があり、同じ攻撃方法でもダメージが大きい場合は重い衝撃音と共に相手が吹っ飛ばされる演出になる他、特効を持つ武器を命中させると共振現象のような画面効果が入るなど、攻撃の手応え及び効き目が数値上だけではなく感覚でも伝わってくる。 「必殺の一撃」の演出は「覚醒」から続いていたコマ割りカットイン演出が廃止になった代わり、兵種や武器によって異なる固有のカメラワーク演出に変更。よりスピーディー スタイリッシュに。 オードソックスな刺突やジャンプ斬りですら巧みなカメラワークによりアニメの戦闘シーン中カットの如くダイナミックに映し出され、その直後に「Critical!」と共にヘビーなSEと大ダメージ表示が浮かび上がる様は非常に爽快。 攻撃モーションも兵種によって多種多様。一瞬剣を抜いただけで相手が切り刻まれるお決まり演出な居合から、空中に浮かべた魔法陣で壁キックし敵の頭上から高速一閃という独創的なもの、はたまた 騎兵なのに馬から飛び降りた勢いのまま単身で斬りかかる、体術と言いながら力を込めた掌底からビームが放たれる …など、どれも個性的かつド派手でとにかくプレイヤーを飽きさせない。 本作は会話パート等に過去作で多く見られた2D絵を殆ど用いない「フル3D」な試みであり、3Dモデルの表情差分が膨大になっている。 例えば笑顔の表情だけでも「穏やかな笑顔」「満面の笑顔」「引きつった笑顔」といった複数のパターンが眉や瞳孔の僅かな違いで描き分けられており、過去作の2D絵による差分数の2倍は優に超えている表情豊かさがテキストのみでは難しい微細な感情の揺らぎを表現する。 戦闘開始直前の画面では両者が武器を構えて睨み合う様子が映し出されるが、その際に普段のポップな表情から敵意剥き出しの険しい眼差しへシームレス変化する演出も見どころ。また、残りHPが少なかったり相手が自分に特効のある武器を持っていると苦しい表情に変化する。 総じて、同じく据え置き機種最新作として良質なグラフィックを誇りながらもモーションの面で痒い点を残した前作から更に昇華させた、ハイクオリティかつ隙の無いグラフィック・演出を備えた最新作となっている。 しかしこの良質さゆえに後述の問題点がより浮き彫りになっている惜しさも否めない。 音楽 本作も良質なBGMがゲームを盛り上げている。 各国の関連楽曲は、一国につき一人のそれぞれ異なるサウンドコンポーザーが作曲を担当しており、各担当者ごとに全然違う表現が楽しめる。特に金﨑猛氏によるソルム王国編のマップ曲「砂塵と爛漫」は人気が高い。ただし『覚醒』以降お馴染みとなっている近藤嶺氏は不参加。 本作のテーマソングである「エンゲージ」は、序盤と終盤のそれぞれ山場となるイベントで使用され、熱くヒロイックな曲調が人気を博している。またOP主題歌やED主題歌をはじめ、序盤のマップBGM「遥かなる聖地」、中盤の重要マップで流れる「涙痕〜凍」、本編最終マップBGM「ラストエンゲージ〜祈りの呪文」、邪竜の章最終マップBGM「リバースエンゲージ」など、さまざまな楽曲にフレーズが引用されており、印象にも残りやすい。 OP主題歌「Emblem Engage!」は、過去作のボーカル曲とはまた違った激しい曲調で、新鮮に感じたシリーズファンも見られた。ヒロイックな歌詞とメロディーは、王道RPGに近づいた本作の作風を象徴している。 紋章士の外伝マップでは、その出典のアレンジ曲が用意されている。古い作品が現代の技術で再現されているのは勿論、意外なイベント曲が採用されていたり、比較的新しめの作品はメドレーになっているなどファン感涙の内容となっている。 賛否両論点 初回プレイ時(ルナティック)の成長方法が固定 システムの項目にある通り、初回プレイでは難易度ルナティックだと強制的に固定成長となる。 ユニットの成長によって難易度が著しく変化しないように、ゲームバランスを安定させるための施策だと思われる。これにより、ユニットの成長が悪いせいで「詰み」状態に陥るという可能性は減っている。 一方で、過去作と同様ランダム成長で初回ルナティックをプレイしたいと思うプレイヤーにとってはありがた迷惑な仕様になっている。初回から選択できれば良かったのだが。 逆に初回ノーマルorハードで固定成長で遊びたい場合は、ルナティックで開始して難易度を下げれば可能(*23)。 システムの難解さ 紋章士の能力やスキルはトリッキーな性能を持ったものが多く、説明を読んだだけでは分からない部分が多い。実際に使いながらスキルの適用範囲や細かい仕様を把握していく必要がある。 例えばリーフのエンゲージ技「テトラトリック」は「剣、槍、斧、弓で連続攻撃」とあるものの、各攻撃でどんな武器を使うのか書かれていない。剣・槍・斧は本人のエンゲージ武器を使うだけなのでまだ分かりやすいが、弓だけはこの時専用の武器を使うという難解な仕様。 パラメータを増減させる効果が多数登場し、最終的な命中率やダメージの予測に複雑な計算を要する。 加減乗除さまざまな効果が重複することがある一方、計算の順番や小数点以下の扱いは説明されない。過去作にもこの手の問題はあったが、今作はリンのエンゲージ技「流星群(ダメージ30%で超長射程の5回攻撃)」など、戦略的に重要な技を使う中でこの説明不足が響く場面が多い。 ただし、理解しきると今までにない要素として楽しめる可能性が高い。今作の新能力は複雑な分、さまざまな応用が効くようになっており、考える意欲をかき立ててくれる。 今回は難易度ルナティックでも緻密な計算を求められる場面はさほどなく、大まかな戦略が合っていれば攻略できることも多い。多少失敗しても「竜の時水晶」でやり直せばいいだけなので、この難解さがストレスとなることはあまりない。 スキルの自由枠が2つだけになったり、武器相性の効果がダメージや命中率に影響しなくなるなど、過去作より単純化されている部分もある。紋章士が少ない序盤のうちはスムーズに進めることができ、初心者でも取っつきやすい。 武器レベル 武器レベルが兵種と天性素質によって決まるようになったため、高ランクの武器を装備しづらくなった。特にSランク武器は天性素質持ちでなければ、特定の兵種に就かない限り使うことができない。 ただし『風花雪月』は装備の自由度が高すぎてキャラクターの個性が減っているという意見もあったため、この変更は一長一短と言える。 また、天性素質も当たり外れが大きい。 優遇されているのは剣、槍、斧で、それに加えて短剣だけはAからSに到達する職が用意されているが、それ以外の武器は天性素質があってもSには到達できない。 上級職の場合、メインで扱う武器レベルが大抵Sに到達できないAであるため、剣、槍、斧以外に恩恵を得られるクラスは1~3つしかない。 とはいえ、Sランク武器は終盤に武器種毎に1~2個入手するのみで、斧は普通にプレイすると、扱いの難しいスマッシュ武器しか手に入らず、格闘と杖に至っては入手そのものがやり込みが必要であり、不便は感じづらくはされている。 パラメータ上限 本作も多くの作品と同様に、兵種ごとにパラメータの上限値が異なるのだが、この振れ幅がやたらと激しい。 顕著と言えるのが、ディアマンドの専用兵種である「スュクセサール」で、大体の兵種が30~40ほど確保できる技の上限値がわずか23と、「ベルセルク」と並んで最下位。さらに実際は、ディアマンドのユニット補正としてさらに下がっており、実質的に22以上は上げられない。そのため彼には、どこぞの格闘家のように「技22」という不名誉なあだ名がつけられている。(*24) 同じくアイビーの専用兵種「リンドブルム」も、最終的な技の上限値こそ23と1高いものの幸運の上限値が17と際立って低いため基礎命中値はディアマンド以下。ディアマンドと比べて固有スキルでの命中率のケアもしづらく、何らかの補強をしないと後半の命中率は無残なことになる。 ただし、前述したようにユニットごとの上限値の差は少なめなうえ、本作はチェンジプルフを使うことである程度自由に兵種変更が可能であるため、ユニット評価を左右する事態にはならない。上記の専用兵種にしかできないこともあるので、なんとももったいない部分ではあるが…。 ペアエンドが大幅に減少 本シリーズには、支援レベルを最大まで高めた相手との後日談を見られる、通称「ペアエンド」という要素があるが、本作でこれを見られるのは主人公とその相手のみであり、他のユニットは支援状態に関わらず後日談は固定になっている。また、ペアエンドの内容自体も後半部分(*25)が変化するのみと、従来と比べるとあまり差が見られない。 残念がる声が多い(*26)一方で、主人公の指輪譲渡関連以外では恋愛を匂わせる支援会話が非常に少なく、恋愛要素が必要ないというプレイヤーには肯定的に受け入れられている(*27)。 キャラクター 支援会話や仲間手帖(*28)では、本編では明かされなかったキャラクターの過去やパーソナリティがある程度掘り下げられる。だが、実際は性格的な個性のみを押し出したものが多い。 個性が強いのは決して悪いことではないのだが、主人公に対し「目線ありがとうございます!」「供給過多で死んじゃいそうです…!」と現代のアイドルファンのような言動を見せるクランとフランや、口癖が「ウェーイ!」なチャラい若者風のパンドロ、自分の勘違いからオーバーなモーションで土下座を始めるスタルークなど、良くも悪くも軽薄な雰囲気のキャラが多く、台詞やノリも『現代日本の特定の界隈特有の表現・スラング』を多用する傾向にあり、ファンタジーの作風にそぐわないと言われることもある。 語尾に「ですぞ」を付けたり、やっぴー、よろぴっぴといった奇妙な挨拶などステレオタイプのオタクのような喋り方をするユナカも、登場時の奇抜な演出から否定的に見る人も少なくないが、それらの言動が演技であること、そうなるに至るまでの過去設定が判明すると素の彼女とのギャップが魅力となり、トップクラスの人気(*29)を獲得するに至っている。惜しむらくは、後述するシナリオ上の問題に加えて、素の彼女の動作、表現が支援会話や戦闘での動作でしかなされていないことと言える(*30)。 一方で、主要人物であるディアマンドやモーヴのように、他のキャラクターに見られるような奇妙な個性付けが一切ない上に、質実剛健な風格や矜持に人並みの弱点を併せ持つなど、昔のFEならではといったキャラクター造詣がなされているキャラもいる。 性能面でネタ扱いされることもあるが。 主人公のリュールも、発売前のインタビュー(任天堂公式ページ「開発者に訊きました」)で「情けないことを言ったりするシーンをけっこう強めに入れていたんです」と記載されていたことから『if』のカムイの再来かと不安視するプレイヤーも散見されていたが、実際には「穏やかで優しい人柄であるが故に相手にあまり強くは出られない側面も見られるが、決めるシーンではきちんと決める」という人物像になっており、プレイヤーが悪印象を抱きづらいようなキャラクター造形となっている。性能もかなり高く、終盤で発生するイベントで大幅にパワーアップする。 もっとも情けない描写がないわけではなく、後述するように指輪が奪われるシーンではなすすべもなく立ち尽くしていたり、紋章士の指輪が奪われた際には紋章士への依存が強かったためか急に弱気になるというシーンも存在する。ただし敵が自分たちの持っていた紋章士を使用してくる次のマップの難易度が非常に高く、プレイヤー自身が紋章士に強く依存していたことを思い知るという展開でもあるためこのような情緒になるのも理解できなくはないつくりにはなっている。また、髪の色が奇妙であること(*31)や、従来の主人公のように戦いの中で名声や仲間を得ることで英雄となるわけではなく、最初から世界の神としてあがめられる展開が目立つのも、人によっては気になるところである。 『覚醒』以降味方ユニットとして加入する機会の多かったアンナに幼いという個性が設定され、過去の出演との差別化が図られている。また、他のキャラと同等の支援会話が用意されるなど、過去作から改善された部分もある。 味方ユニットの格差 本作では、最初から上級職であるユニットの内部レベルがかなり低く、取得経験値が多い。さらに、中盤以降に加入する大体の上級職ユニットは、最強格のユニットであるパネトネやカゲツをはじめ、SPとパラメータの初期値がかなり高いキャラが揃っている。そのため、主人公やルイ、アンナといった一部の強力なユニット(*32)以外は、そういったユニットと交代した方が攻略しやすいと言われがち。一方で、ヴァンドレやボネといった明らかに弱いキャラもおり、ややアンバランスと言える(*33)。 ただし全く役に立たないというユニットはおらず、スキルと指輪と兵種の組み合わせ次第ではどのユニットでも一定の活躍ができる。 敵の増援に関する賛否 難易度ルナティックの中盤の外伝や、終盤以降敵の増援が爆発的に増える。だが味方側が1対多数で攻撃できるのはごく一部のエンゲージ技のみとなっており、真っ当に相手をするのが非常に厳しい。そういった経緯もあり後述の炎ハメ、回避地雷、ワープによるマップガン無視といった戦術を取らざるを得なくなってしまう。 真っ当に相手することも全く不可能ではないが、とにかく時間がかかる上に 一部増援は獲得経験値やSPが0になる「虚無の呪い」というスキルを持っている ため相手にするだけ損というマップが多い。 ただし、本作では前作のルナティックであった増援即行動がなくなっているなど、理不尽というわけでは決してない。高難度ならではということもあり、この増援への対応が面白いというプレイヤーも少なくない。 DLC関連 DLC限定の強力なスキルについて賛否が分かれるものが存在する。 「星玉の加護」という「全ての成長率が15%上昇する」強力なスキルを入手時点から継承できる。DLCを購入する価値があると好意的に評価する人もいれば、破格すぎると否定的に考える人もいる。 成長率上昇の恩恵を得られるDLCは過去に存在したが、本作では固定成長がある関係で、その重要性が増している。ただし、レベルリセットの容易な今作では遭遇戦を縛らない限りフォローの可能な部分ではある。 当シリーズにおいて最高難易度でのクリアが一種のステータスと捉える層が一定数存在するのだが、強力な腕輪のスキルを使用して突破することへの否定的な意見がある。これはDLCが解禁される前にクリアした人が顕著。 特に挙げられるのは「囮指名」で、これは敵ユニットの移動をコントロールでき、スキル継承も可能であると至れり尽くせりな性能となっている。 DLCの存在は発売時点で告知されており、追加要素が強力なのは当然と言える。また、高難易度の名の通り難しくはあるが、当然ながらDLCを導入しなくてもクリア可能である。 また、本編で指輪が奪われる絶望的状況においても、腕輪は問題なく使用可能であるため、実質的にゲームバランスが大きく変化している。 購入金額が3割引きになるシリーズおなじみのアイテム「シルバーカード」が、DLCでプレイ可能となる神龍の章でしか入手できない。かつては本編中で入手・使用可能なことが当たり前の伝統アイテムであったため、批判された。これは『覚醒』にてシルバーカードをはじめとしたシリーズおなじみのアイテムがDLC限定になっていた点と同じである。 散策について 『風花雪月』では、ユニットの性能を大きく左右させる可能性が生じるなどマップ散策が重要だったため、特に周回時に冗長という意見が多かったが、今作では下記のように特段スルーしても問題ない点が多い。 散策時に光っている部分を調べると晶石や食材などのアイテムを入手できるが、前作同様毎回手動で回収しなければならない(*34)前作では章の変わり目にのみ確認すればよかったが、本作ではフリーマップクリア後も同様であるため、繰り返しの頻度が高い。また、食材は特になくても問題ないが、晶石は購入金額がかなり高いため、率先して集めるべき素材となっている。 ソラネルのミニゲームはいずれも単純な作業の繰り返しであり、毎回こなすのは面倒。 ただし報酬はいずれもそれほど重要ではないので、無視しても大きな問題ではない(*35)。 ソラネルで聞ける会話は基本的にストーリーとは無縁で良くも悪くもキャラクター個人のことで完結する日常的な内容に限定されており、歴史や地理を示した書物も一切存在しない。『風花雪月』、および『無双 風花雪月』のような世界観や作中情勢に直結する情報源としての機能は与えられていないものと見ていい。また、『Echose』のように章の進行によってストーリーに関する台詞が与えられることもあるが、あちらと異なり大抵のキャラクターは加入直後の1回限りで終わる。 戦闘後の散策会話の方は多少その役割を担っているものの、『Echose』に比べると一人2行分までしか話せない制約が大きく、どうしても断片的、簡素なものに留まる。 現在は修正済みだが、最後の無料アップデートが行われるまでは「 戦果報告系の台詞(*36)だけが表示され続け、章を進めても会話内容が全く変わらない 」という不具合に近い仕様(*37)が適用されていたことがあり、当初のプレイヤーはソラネル以上に戦闘後の散策の会話に情報的価値を見出せない事態にもなっていた。 このように、シナリオ面においても戦術面においても重要度が下がったため、散策が面倒なプレイヤーにとっては無視しやすくなった。一方で、主に世界観やキャラクターの作り込みの一部として『Echose』や『風花雪月』の散策を楽しんでいたプレイヤーにとっては物足りない。また、これらの作品や支援会話と異なり、フルボイスでないことも残念な点と言える。 グラフィック関連 フル3D化に伴い、会話シーンでの2Dグラフィック表示が廃止された(*38)。上述の通り3Dモデル自体は高品質で表情豊かだが、支援会話、イベント会話が味気なくなったという意見もあり、賛否両論となっている。 問題点 ストーリー・演出 前述した通り、物語的に破綻している要素が少ない一方で問題も目立つ。 代表的な意見としては「展開の起伏が乏しく、先が読めてしまう」「演出に緊張感がない」「世界観の作り込みが甘い」「テキストやセリフ回しが拙い」など(*39)。特にセリフ回しに関しては日本語より英語の方がしっかりしており、理解可能であれば英語版のプレイを推奨するプレイヤーもいる。 前作で復活した冒頭のナレーションも再び削除された。 カットシーンであっても直立したまま淡々と会話をするだけのシーンが多く、演出が単調。 キャラクターの顔のアップばかりでその場の全員が映るカットが少なかったり、敵と至近距離で会話したりとカメラワークも問題視されている。戦闘アニメの方はハイクオリティなだけに猶更浮いてしまっている。 戦争を扱うことの多い当シリーズだが、大軍同士のぶつかり合いと呼べるシーンは全体で一度だけ。それもプレイアブルキャラや宿敵でもないキャラ同士の一騎打ちにて早々に決着が付いてしまう。 ストーリーは全体で見れば王道で熱い展開であると評する声もある一方で、国同士の戦いというより過去作でも幾度か展開された「邪竜との戦い」に終始している。これは、『暗黒竜』や『無双』、『覚醒』でも類似した展開であったため、ありがちな展開で新鮮味がないという批判もある。このほか、特に序盤に後述するような引っかかりを覚えるような展開が集中しており、最後までプレイした上で全体のストーリーを好意的に評価する人からも、序盤の展開は評価できないという声も少なくない。この点は、序盤がまともで中盤以降の評判が悪い『暁』、『覚醒』とは対照的と言える。 + 世界観について(ネタバレあり) フィレネ王国は、数百年間戦争をしていないという設定になっているが、その理由が全く描かれていない(*40)。 主人公のリュールは「歴代の王の統治の賜物」と言っているが、内乱が発生していないならともかく、外国から攻められていない理由にはならない。事実、隣国のブロディア王国は領土拡大と称してイルシオン王国に攻め入っているが、寒冷地であるイルシオン王国より、「豊饒な地」とゲーム内で語られているフィレネ王国を狙う方が自然である。 火炎砲台を擁する軍艦を所有しているなど、国防を疎かにしていないようではあるのだが、その割には領土内で発生した異形兵を処理できなかったり、イルシオン将にあっさり王城内まで攻め入られるなど、あやふやな面が目立つ。 イルシオン王国は邪竜を信仰しており、中盤で敵対することになるのだが、この国に関しても描写不足が目立つ。 作品開始時点でかつて邪竜を討ち滅ぼしたとされる神竜が存命であり、それなりに権威を持っているところに邪竜信仰が興るというのは、従来の作品を鑑みれば不自然と言える。特に今作はシリーズでしばしばあった邪教の集団(*41)と違い、国家規模かつ周りの国にも知れ渡った状態である。 こちらも、いくつか間接的に推測できる要素はあるものの、どう国中が信仰するまでに至ったかの情報が一切得られないため、結局不明なまま終わる。 + よく指摘されるストーリー上の問題点(ネタバレあり) 冒頭で、ソンブルとの戦いが唐突に始まる。これは『覚醒』と似たシチュエーションのため、なんらかの伏線と思われたが、実際には何もない。 主人公は過去に実際にソンブルと戦ったことがあるのだが、主人公や紋章士の状態や仲間の存在は事実とは異なる。これ自体は本当に夢の中の話である。 主人公の母であるルミエルは最序盤で敵に襲撃され死んでしまうのだが、記憶喪失の主人公からすると出会って間もないよく知らない相手であり、プレイヤーからしてもキャラクター性を理解する前に退場してしまうため、感情移入するのが難しい。 『if』でも同様に「主人公の母が序盤で死ぬ」「ルートによっては敵として再登場する」という展開があったため、焼き直し感も強い。 一応、ルミエルに関しては後に彼女の想いや境遇、過去の主人公との関係が明らかになり、それを踏まえた上で2周目以降同じイベントを見るとまた印象が変わってくるのだが、やはり1周目の初見時にはただありがちな展開を消化しているという感想が出るのも無理はない。 6章、7章の冒頭の会話は、ユナカの奇抜なしゃべり方や、スタルークの情けない様子など、加入キャラクターの個性が悪目立ちしており、評判が悪い。仮に拠点会話や支援会話など、任意で見られる程度なら問題はなかったのだが、よりによって必ず見なければならない場面で発生したため、彼らの特徴が悪い方向に印象付けられてしまった。 10章後に敵に指輪を奪われてしまう展開があるのだが、「指輪を奪われてはいけない」と念押しされている状況であるにもかかわらず、いつの間にかすべての指輪を奪われてしまう。特に演出などはなく、「話の間にこっそり奪った」とだけ説明される。 一応、竜の時水晶の能力を駆使して奪ったと解釈できなくもないが、直接的な説明はない。 加えて敵の大ボスが指輪を一つ一つ丁寧に詠唱しながら紋章士を敵対させている最中でも、主人公は「みんなを返してください!」と懇願するのみ。仲間たちは背景で全員棒立ちであるうえ、奪われる指輪に宿った紋章士たちに至っては台詞の一つもないなど、緊迫した状況とムービーの内容の乖離が激しい。 終盤は逆に敵側が指輪を奪われる展開が多いが、やはり奪取の方法が描写されないことが多いため、大事なはずの指輪を簡単に奪われる緊張感の薄さにつながってしまっている。例えば「敵を倒すとエンゲージが解除され、その反動で指輪が指から吹き飛ぶ」等の演出があれば、それだけでもマシだっただろう。 過去作の英雄である紋章士たちが敵に使われるという事に反発するファンもおり、『幻影異聞録』のミラージュのように、過去作の敵キャラを紋章士にすべきだったという意見もある。「大切な味方が敵対してしまう」と言うシナリオであるにもかかわらず、奪われた後に入手できる指輪は最後まで味方のままなので、敵キャラにしてしまうとシナリオが全く別物になってしまうが、そちらの方がいいという意見も根強い。 後述の通り、指輪の有無は育成要素にも直結するため、その点も問題視されている。ただし、DLCを使っている場合は特に問題ない。 15章後に、指輪を奪った元凶である敵が、人格が入れ替わったうえでこちらの拠点に単独で現れるシーンがあるのだが、主人公も仲間たちも相手を糾弾するのみで拘束などはせずそのまま帰してしまう。 ただし主人公陣営は相手の人格が変化することをこの時点では知らず、追い返した後も警戒する描写はなされているため、迂闊に手出しすることを躊躇したという解釈はできる。要するに第三者目線のプレイヤーだからこそ絶好のチャンスを逃したことがわかる部分であるため、これも後述にある演出の問題であるといえる。 また、この時に主人公が敵に向けて「あなたなんて…もう、友達ではありません!!」と、小学生のケンカを彷彿とさせる発言を行う。糾弾するとしても、もう少し言いようはあったのではないだろうか…。 敵幹部「四狗」のメンバーは、中盤以降に何度も立ち塞がり、強敵としての印象を植え付けてくれるが、あまりに何度も戦うことになるため食傷気味という意見も少なくない。また、彼らに関しては設定をそのまま台詞にアウトプットしているだけ、というような不自然なシーンも多く見受けられる。 シリーズお馴染みと言える、敵幹部に悲惨なバックボーンがあるという点は健在だが、本作ではその明かし方がかなり唐突。例えば21章冒頭でやや友好的な雰囲気になった敵幹部が突然自分の過去を丁寧に延々と話し始め、その直後に死亡してしまう。 終盤のシナリオでほかのメンバーが退場するシーンも、息絶えるまでの演出が冗長。「最後くらいきれいさっぱりといきましょう」と言った後に4分近く延々と会話が続く。 会話そのものは敵幹部のキャラクター性を理解するのに重要な部分ではあるものの、そのキャラの死の直前になって初めて一気に長々と見せる、というのは表現として稚拙と言わざるを得ない(*42)。 最終盤にて、あるキャラが「礎の紋章士」という存在について語るのだが、意味深に語られるのみで正体などは明かされない。 過去作のキャラクターなのか、本作のオリジナルキャラクターなのかも不明。語られた特徴から、マルスの祖先でありアリティア王国初代国王のアンリという説もあるが推測の域を出ない。 それまでの伏線が一切ない(*43)上に、終章で唐突に語られシナリオ上仔細に述べる余裕がないまま回収されずに終わってしまうため、投げっぱなし感が強い。DLCなどでも一切言及されない。 また、そのキャラクターの動機にも「礎の紋章士」が関わっているが、した行為に対して動機のスケールが小さ過ぎるものであり、また動機の内容も非常に身勝手かつ、周りに被害を与える必要性もよくわからない、という内容であったため物語の最終盤で肩透かしを食らったというプレイヤーは多い。 終盤で主人公が自らの名前を出自とともに名乗るシーンがあり、作中でも大きな盛り上がりどころとなる大一番の場面なのだが、主人公の名前の部分だけボイスがないために締まらず演出として残念なことになっている。 本作の主人公のリュールは近年のFE主人公のように名前変更をすることが可能となっている。ただし、本作はフルボイスであり、またリュールも自分の名前を述べるシーンが多いためその弊害で名前を名乗るところだけはボイスが途切れてしまい、没入感を大きく損ねることになってしまっている。 フルボイスでも名前変更が可能な主人公なのは前作の「風花雪月」のベレト/ベレスもだが、名乗りを上げる場面どころか本人の台詞がストーリー上ないこともあってこういった問題は起きなかった。 その場面の台詞自体は悪くないのだが、名前を変えられるシステムである以上テキストを工夫するか、少なくともデフォルトネームでは名前を呼ぶ、あるいはそもそも名前を変更できなくするべきだっただろう。システムとの噛み合いの悪さ、および前述におけるテキストの稚拙さの問題にもつながってると言える。 主人公(の一人)が邪竜の化身だったり、実の父親が黒幕だったりという展開、母親的存在が序盤に死亡するという流れが『覚醒』や『if』そのままであるなど、代り映えしない展開が多く、それ故にマンネリ感を感じさせられる。 そういった過去作の焼き直しとも言える点が多いことに加え、これらのシーンが高品質の3Dモデルとフルボイスで行われる事で、同じく3Dモデルとフルボイスでありながらテキストや演出が優れていたうえ、マンネリの打破も成しえていた前作『風花雪月』との落差が目につきやすい。 そもそもとして「2Dグラフィックが並べられるだけなら動きを脳内補完出来たが、3Dモデルで並ぶと棒立ちである事が目についてしまう」「フルボイスだと説明的なテキストがより長く感じられる」と言った点は、3D・フルボイス化する上で避けて通れない課題であり、なまじ『風花雪月』の長所が継承されないままグラフィック面だけ進化した以上は必然だったとも言える。 一方で、本作ではPVの時点でシナリオを重視してないことが明らかであったため、もとからシナリオに期待せず、過去作キャラの力を使ったゲームとして楽しめればそれでいいと割り切っていたユーザーも存在する。 育成面のハードル 経験値稼ぎの主な方法である遭遇戦だが、敵が全員1ターン目から突撃してくるため単純に難易度が高い。戦力によっては経験値稼ぎどころかクリアすら苦労する。 また、マップによっては暗闇や瘴気といった厄介なギミックもそのまま残っているため戦いづらい。 本編マップに出現する遭遇戦の敵は自軍の戦力に連動して強くなるため、育成が遅れた低レベルのユニットを安全に育てるのが難しい。 神竜の章で発生する遭遇戦は敵のレベルが低めになっているので、弱いユニットを育てる場合はこちらが向いている。ただしこちらを利用するにはDLCの購入が必要。 指輪を装備していないと戦闘してもSPを得られない。また、絆の指輪での獲得量は紋章士の指輪の半分となっている。 序盤、および指輪を奪われてからは紋章士の指輪だけでは出撃メンバーの数に到底足りないので、絆の指輪の精製は実質必須なのだが、そのあたりの説明もない。 また、通常鍛錬では紋章士の指輪を付けているとSPを入手できない(*44)が、絆の指輪ではSPを入手できる。このため、SPを無駄にしないためには鍛錬の度に指輪の付け替えが必要となり煩わしい。また、仲間になるキャラクターによって初期のSPが大きく違っており、この点も前述したユニットの格差につながっている。 もっともこれで稼げるSPは微量のため、付け替えなくてもさほど問題とはならない。 初期クラスと個人成長率がまったく噛み合っていないユニットがいる。代表的なのはクランとアンナで、クランは初期クラスがマージなのに力が35%で魔力が10%、アンナは逆に、初期クラスがアクスファイターなのに力が15%で魔力が50%となっている。アンナは前作のリシテアに匹敵する成長率であるうえ、個人スキルもすさまじく有用な強ユニットなのだが、成長率はマスクデータなので、それに気づかず育成を放棄してしまったプレイヤーも少なくない。この成長率でありながらクランは魔導書、アンナは弓が天性素質のため、能力に合わせても天性素質に合わせてもチグハグな事になってしまう。 弁明するとすれば、クランは初期クラスからマージナイトになれば力と魔力が伸びて両刀の器用なユニットになり、アンナはウォーリアーになれば天性素質を活かしつつ光の弓で活躍させられる。それぞれ最初から持っている素質を活かそうとすれば容易に辿り着ける兵種ではあるため、本来の想定はこちらなのだろう。 紋章士関連 本作に登場する紋章士は基本的に過去作の主人公キャラが選出されているが、このうちクリス、アルム、セリス、エリウッド、エリンシアはDLCにおいても紋章士として採用されていない。 これらは複数主人公制の作品であり、同作の他のキャラが採用されている(マルス、セリカ、シグルド、リン、ミカヤ)。枠が限られている点を考えると、ある程度仕方のない所ではある。 「聖魔の紋章士」として妹のエイリークとセットで登場しているエフラムは、何故か台詞が全く存在せず、ストーリー中の掛け合いや絆会話などは全てエイリークが担当している。上述のキャラと比べれば出られるだけマシと見ることもできるが、なまじ出演は果たせているだけに、折角なら話している彼を見たかったと残念がる声は多い(*45)。 DLCにおいて追加された「三鼎の紋章士」「絆の紋章士」も同じく複数キャラのセット出演となる紋章士だが、どのキャラクターもボイスが豊富に用意されており、よりエフラムの不遇さが目立つこととなった。 『覚醒』では本編の主人公ではないルキナが紋章士として登場し、本来の主人公であるクロムとルフレ(*46)がDLC限定という、あべこべな仕様になっている。理由としては、男女比を1 1にするための調整や、DLC込みでクロム・ルフレ・ルキナの全員を登場させるうえで、DLCで二人組の紋章士として登場して角が立たないのがクロム ルフレのペアだったからなどと言われている。 ただし、実際はエイリーク、エフラムペアが男女一人ずつになっているため、本当に男女比を考えるなら本編でクロム 女ルフレ、DLCでルキナでもよかったのではないかという意見もある。ルキナには『ヒーローズ』や『PROJECT X ZONE 2 BRAVE NEW WORLD』で弓のイメージがある程度は定着しているため、弓使いの紋章士として採用されたという面もあるだろうが、弓を扱えるのはクロムも同様であり(*47)、総合的な判断としては首を傾げざるを得ない。 エンゲージ武器の武器種に偏りが目立つ。剣が圧倒的に多く、DLCを含めると斧と魔道書がやや多い。逆に槍と弓、杖は少なく、格闘はわずか2種類のみかつ、2種類目を入手できるのはかなり終盤。短剣に至っては一つも存在しない。 + エンゲージ武器の分布 武器種 武器数(本編) 武器数(DLC) 所持者数(本編) 所持者数(DLC) 剣 22 3 11 2 槍 5(*48) 1 3 1 斧 4 5 3 3 弓 4 1 3 1 魔道書 5 6 2 4 短剣 0 0 0 0 体術 2 0 2 0 杖 1 2 1 2 特殊 0 7(*49) 0 1 その他(*50) 3 0 1 0 剣が多いことと、短剣がないことを除けば、本編だけならバランスが取れている。だが、DLCは魔法と斧が多すぎる。 槍と弓は兼用の級長たちだけだが、斧を扱う紋章士はヘクトルに加えてカミラが存在する。カミラは主人公やヒロインでもなければ他の腕輪にも多い魔法との兼用であるため、剣を被らせてでも、主人公の一人であり同じ飛行ユニットであることに加えて杖が使えるエリンシアや、ヒロインであり『聖戦』を含めれば槍と杖も使えるナンナ、同じ『if』出身にしても槍を使えるヒロインのアクアやDLC「泡沫の記憶編」で活躍したシグレを起用すればバランスは改善されただろう。 短剣も、『暁』で準主役を務めたサザを、ミカヤと同じ形で起用すればよかったという意見がある。ミカヤを最初に宿したユナカがシーフであることから、もしかしたらサザと統合する案もあったのかもしれない。 剣しか使用できない紋章士が4人も存在する。原作でも剣しか装備しなかったマルスとロイとエイリークは仕方ないが、カムイは竜石や魔法、杖を使えればもう少し偏りは少なくなったかもしれない。 とはいえ、「FEのオールスター物で主役を集めると剣ばかり」と言うのは本作に限った話ではない。武器バランスを重視した結果主人公や人気キャラが選外となるならそれはそれで問題であり、難しい所である。 なお、重要なのは紋章士のスキルと装備者の相性、および、敵の武器と相性のいいエンゲージ武器を持っているかであるため、ブレイクを重要視しないプレイヤーからは大きな障害にならないという意見もある。 エンゲージ武器の選出にもやや疑問符が付く。 エンゲージ武器は全ての紋章士で一律3種類。このため相対的に原作で複数の武器が使える紋章士は損をしていると言える。 紋章士セリカのエンゲージ武器は魔法と杖だが、原作の彼女は魔法の他に剣も使う魔法剣士であり、専用武器の宝剣ソフィアも持つが、本作では剣のエンゲージ武器が無い。 この点は魔法・杖に加えて剣の素質も継承可能な素質に設定されているという形でカバーされている。 紋章士リンは専用武器としてマーニ・カティの他にソール・カティを持つが、ソール・カティは使えず、エンゲージ武器としてミュルグレが選出されている。確かにヒーローズではミュルグレを持ったリンが実装されているが、ミュルグレは本来烈火には登場しないため、こちらに登場するリヤンフレチェの方がよかったのではないかという意見がある。 紋章士ベレトは一度に使える武器種こそ他と同様の3種類だがスタイルによってエンゲージ武器の英雄の遺産が変わるため事実上10種類もエンゲージ武器が用意されており、不公平感が感じられる。これが許されるなら他の紋章士もスタイルによってエンゲージ武器が変わる仕様にしても良かったのではないだろうか。 紋章士の性能自体にも、偏りが見られる。 紋章士カムイは、シンクロしているユニットのタイプに合わせて違う効果の地形を発生させる竜脈というスキルを持つが、その中でも自分中心に3×3マスに回避が30上がる地形を出す霧や、自分の前方に移動しづらくなり毎ターンダメージを受けるようになる地形を出す炎はゲーム難易度を大きく変えるレベルで強力。さらにこれはシンクロさえしていればエンゲージの必要すらなく、ほぼ無条件で毎ターン発動できるため、道を塞ぐように炎を毎ターン出すなどすればハメのような状態になる。また、敵にデバフを与えるスキル竜呪、呪縛や、今作で猛威を振るっているチェインアタックを全て0ダメージにする防陣もとても強力で隙が無い性能となっている。 他方で紋章士リーフは相手の武器に合わせて自分の武器を持ち変えるというスキルを持つ。ただし本作では、前述した通り武器の相性による命中、威力の変化がないため、急所ずらしを加味しても受けの安定性が向上するといった程度で、より防御に特化した紋章士の下位互換にとどまっている。(*51)ステータス補正も速さの劣化ともいえる体格の補正が大きいうえ、エンゲージ武器は紋章士の中でもかなり弱い。エンゲージ技も、その弱い武器を使用して連続攻撃するためほとんどダメージが伸びないという、ほぼ満場一致で最弱と言われてしまうような性能になっている。ただし、絆レベルを上げると初期ではクラスチェンジできないクラスにする際に必要な素質を豊富に得られるので育成面ではメリットがある。継承ではスキルの待ち伏せが強力だったり、ささやかながらエンゲージ技で金銭の工面ができたりとサポートは優秀だったりする。 本作では紋章士から武器の素質を獲得してクラスチェンジするが、魔法、短剣、杖についてはDLC無しだと10章で奪われる紋章士からしか素質が得られない。 このため、事前情報無しで素質を継承させていないと短剣は17章、魔法と杖は19章まで継承できなくなってしまう。 特に問題なのが魔法で、DLC紋章士だと最低でも絆レベル16を求められ、最も低いレベルで継承できる紋章士セリカは20章まで戻ってこない。 上記の素質3つは全て紋章士ミカヤから獲得できるので、彼女を11章以降で加入するようにすれば解決できたと思われる。 エンゲージの任意解除が出来ない。 前述の通り強力なエンゲージ技は1回のエンゲージにつき1回しか使用できないため、「早くエンゲージを解除して、もう1度エンゲージし直したい」と言う状況が生じる事がある。それ以外でも「早めにエンゲージを切ってゲージを溜め直し、強敵に備えたい」と言う状況もある。 ターンが一定なら「そういうバランス取り」で済むのだが、この持続ターンは様々な方法で延長され、特に絆レベル11で必ず+1される。そのため、キャラを育成して絆をしっかりと結ぶほどに、エンゲージ技が使いにくくなり、小回りがきかなくなってしまう。3ターン経過以降は自由に解除できれば問題なかったかもしれない。 唯一「三鼎の紋章士」は、戦技を使用することでエンゲージ状態の解除を早めることができる。 外伝では「戦いを経て絆を深める」という名目で紋章士と戦うマップがあるが、クラシックモードの場合はそこでユニットがやられるとそのままロストしてしまう。 このため、プレイによっては戦闘後のイベントで仲間を殺した相手に絆が何だと諭されることになってしまう。 特にベレトの外伝では、あるユニットとの戦闘会話で「これは殺し合いではなく、終わったらまた味方同士に戻る」という会話が交わされるため、システムとの齟齬が発生している。勿論そのユニットも例外でなく、やられると容赦なくロストしてしまう。 前述にもあるが、遭遇戦ではマップによっては「模擬戦」としてクラシックモードでもロストしない仕様となる。そちらと同じ形の方が話の流れとしては自然だったかもしれない。 システムデータが存在しない 本作ではシステムデータが存在せず、クリアデータの引継ぎも不可能。 これにともない、『風花雪月』『無双 風花雪月』でタイトル画面から直接可能であった、イベントや支援会話、サウンドの回想が、それらが解放されたデータでゲームを開始してマイルームに移動しないと行えない。 支援会話等をコンプリートしたい場合は同一のデータで開放する必要があるため、「支援を集めながら周回プレイ」といった遊び方ができない。 戦闘中のユニットの衣装を変更できない 戦闘中のユニットの衣装は、初期兵種の場合はユニットごとの専用衣装だが、クラスチェンジすると兵種ごとの汎用衣装となってしまい、専用衣装のまま戦うことはできない。 先述の通り早期のクラスチェンジを推奨するゲーム性も災いし、元が上級職でない仲間は専用衣装のまま戦える期間が非常に短いものになってしまう。 前作『風花雪月』ではアップデートにより、一部の兵種を除いて自由に衣装を着せ替えることができたが、本作では不可。 一方で本作の敵将には元の衣装を維持したまま一時的にソードマスターやドラゴンナイトといった他兵種のモーションを適応しているユニット(*52)が平然と存在し、邪竜の章ではプレイアブルユニットと同じ3Dモデルを使っての実践までしている。にもかかわらずプレイヤー側での実装は最後のアップデートでもとうとう来ることはなかった。 またソラネルで着せ替えられる衣装も戦闘中には反映されない。戦闘モーションなどとの兼ね合いもあると思われるが、もったいない部分。 折角用意したamiiboなどで手に入る紋章士の衣装も、鎧など戦い向きであるのに戦闘では使えない。 邪竜の章関連 邪竜の章のクリア状況は本編セーブごとに個別に管理されている。前述のように、本作にはシステムセーブデータがないため、クリア特典を入手するには新しくゲームを始めるごとに邪竜の章をクリアしなおさなければならない。 難易度ノーマルならクリア自体はそれほど難しくないが、敵が多く手間がかかるマップもある。 クリア後に加入するユニットは、本編の進行度にかかわらず初期レベルが固定。 このため、終盤に仲間にした場合は前述のレベルの上げづらさも相まって育成に手間がかかる。 逆に序盤に仲間にした場合は、レベルが高すぎて本編が簡単になりすぎてしまう。 一方で神竜の章の外伝や遭遇戦は、こちらの軍のレベルに合わせて敵のレベルが決まるため、本編とは逆に難易度が大きく上がる。いずれにしても難易度への影響がアンバランス。 DLC兵種にクラスチェンジするアイテムは購入できるようになったが、エンチャント用は40,000G、マージカノン用は90,000G(*53)という法外な価格に設定されている。 クリア時に一個だけ無料で貰えるものの、複数欲しい場合はクリア直前であっても稼いで購入するのにかなり時間がかかる。DLC兵種はどちらも癖が強く、お試し感覚で合わないキャラに使おうものなら痛い目を見る。 支援効果の格差 本作の支援効果はユニットと支援レベルによって変化し、命中が上がりやすい「命中タイプ」や回避が上がりやすい「回避タイプ」、必殺率が上がりやすくなる「必殺タイプ」、これらすべてがバランスよく上がる「バランスタイプ」などが存在する。これらは支援レベルが上がるごとに効果が上昇し、例えば命中タイプの場合、支援Cなら命中が15、支援Sなら30上昇するほか、回避も5上昇する。 だが、モーヴ、および邪竜の章で仲間になるキャラクターは、どれだけ支援レベルを上げても命中が10しかあがらない「デフォルトタイプ」に分類されている。他のタイプ、支援進行度でも必ず命中は10上昇するため、このタイプは他のキャラと比較すると圧倒的に損をする仕組みとなっている。 拠点関連 ショップで同じアイテムを複数個まとめて買うことができない。 杖や道具、薬など、消費アイテムは頻繁に補給することも多く、その障害となっている。 紋章刻印で紋章がどの武器に付いているか確認できない。 同じ紋章は1つの武器にしか付けられないため管理しづらい。「刻印する」を選択した際に初めて「こちらに付け替えますか?」と表示される。 先述の通り、カフェテラスで四つの国に対する投資ができるのだが、本作は資金が稼ぎづらいうえ、必要となる資金に対する見返りがあまりにも少ない。最後まで投資することで強力な武器が入手できることもあるが、どの武器が得られるかは最後までわからないため、面倒と思われがち。 その他UIの問題点 戦闘時にユニットが指輪を装備していると、コマンドの一番上が「エンゲージ」になる。 指輪を付けていないユニットの場合、コマンドの一番上は「攻撃」なので操作ミスしやすい(行動確定前ならエンゲージはキャンセル可能)。 道具の交換など待機にならない行動をした後にエンゲージできない。予めその後の行動を考えた上で計画的にエンゲージしておかなければならない。 ステータス画面で武器の詳細を見ようとすると、「その武器を装備したユニットの能力」が表示されるため、武器自体の性能を見られない。 特に特効ダメージの計算や、武器を受け渡す際に重さを確認したい場合に面倒。ただ、格闘以外の武器の威力だけなら「攻撃力-力or魔力」で計算はできる。 物語後半に登場するステージギミックの範囲表示と、敵に攻撃される危険範囲表示の色が似ている。更にすべての敵の危険範囲を一括表示した時の色と特定の敵の危険範囲をロックした時の色も似ているので、それぞれ判別するのが難しくなっている。 ある章のギミックでは大部分を覆うステージギミックの範囲を非表示に出来ないため、攻撃範囲を確認しづらい。 内部レベルを確認できない。 前述の通り、本作では経験値の入りやすさは内部レベルというマスクデータで管理されているのだが、これを確認する方法がない。レベルいくつでプルフを使ったか覚えておく必要がある。 持ち物一覧では同じアイテムであっても個別に表示されるため、スクロールに時間がかかる上探すのが大変。 同じ武器耐久のない『if』では、強化値の同じ武器や残り回数の同じ消費アイテムはまとまって表示されていた。 また使用回数が減った杖などを統合する機能もなくなっている。 紋章士のスキルの種類が分かりづらい。 前述の通り、紋章士が持つスキルには「シンクロスキル」「エンゲージスキル」「継承スキル」の3種類があるのだが、ゲーム内はこれらの分類が表記されていない。プレイしながらなんとなく把握するしかなく、特にシステムに不慣れな序盤は混乱する。 チェインアタックのダメージ計算方法について説明がない。ゲーム内の説明だけ見ると『覚醒』『if』のデュアルアタック(攻陣)に似ていると誤解しやすいが、実際は全くの別物。 チェインアタックは相手の最大HPのみに依存する固定ダメージ。過去作と違い、参加者の攻撃力は全く反映されない。その代わり、チェインアタック可能な味方が複数いる場合は全員が攻撃に参加するので、チェインアタック可能な味方の人数を増やすことが重要である。 特に高難易度では、このシステムを理解しているかどうかで戦略が一変する。それだけに説明不足が痛い。 総評 過去作のキャラクターが大勢登場するオールスター的な要素を取り入れた一作。 SRPGとしては爽快感と骨太さを見事に両立した内容であり、従来からのファンを納得させるほどの完成度の高い戦術シミュレーションを楽しめる。 一方でシナリオ面は他社の協力を得て重厚感が売りとなった『風花雪月』とは対照的に、その実質的な前作と言える『if』ほど破綻はしていないものの凡庸・チープな部分がまだ目立つ。 また、UIの質などゲーム面でも細かな問題点はあるが、それらを差し引いても良作と呼ぶに足る魅力を備えている。 余談 集英社より漫画版が月刊誌「最強ジャンプ」より2023/2/3にて先行してプロローグが掲載され、アプリ「少年ジャンプ+」と共に2023/3/3より連載が開始されている。作者は今日和老(きょう かずろう)氏。 ゲーム本編のストーリーをなぞる形のコミカライズ作品は、オリジナル要素の強い『覇者の剣』を除けばSFCで発売された『トラキア776』以来となる。 戦闘開始後に仲間になるユニットを先行登場させたり、原作で早々に退場したルミエルを生き残らせてのシナリオの展開、違和感のある描写の補完や、ゲームでは支援会話だったキャラの掘り下げをするなど、漫画ならではの展開で進められている。ゲーム本編のシナリオに不満を持つプレイヤーからも好評だが、それゆえに「本編もこれぐらいのクオリティで出してほしかった」という声も。 要素の項にもあるが、本作では性別問わず全ての味方キャラとパートナーになることが可能となっている。 片親違いのきょうだいであっても例外ではなく、かつて『聖戦の系譜』で父親違いのサブキャラ同士が実際に結ばれたことはあったが、本作では主人公と母親違いの妹や弟とで実際に結ばれるケースも可能であるため、近親恋愛好きに好評を得た。 また、前述の理由により海外展開が困難ではないかと言われていた『聖戦の系譜』のリメイクの不安要素が一つ解消されたとも言える。 本作のシナリオディレクターは、評価の低い『if』のシナリオを監修し、ファン感情を損なう問題行動を起こした経歴もある小室菜美氏が担当している事で、それらを知るファンからの批判を招いた。 作品内容としては、「SRPGとしては好評なのにシナリオは不評で、案の定『if』の二の舞い」という声もあるが、「ハードルの高いシナリオ構造のせいで大きな破綻が目立った『if』に対して、ライトな作風なりの割り切った方向性にした点で反省が生かされている」とも言われる。 そもそも小室氏は『if』のシナリオの全てに関わっているわけではないので、比較するのも少し違う話ではある。 2023年3月に発表された決算によると、累計販売本数は161万とのこと。 Nintendo Switchソフト『超おどる メイド イン ワリオ』のナインボルトステージで、本作がプチゲームとして登場している。 本作のグラフィック表現力については発売前のインタビュー(任天堂公式ページ「開発者に訊きました」)でも主題の一つに据えられているほか、発売後もCG・映像クリエイター総合誌「CGWORLD」にて本作が取り上げられている。→(「"実在感"のあるルックでキャラクターを魅力的に見せる『ファイアーエムブレム エンゲージ』」)
https://w.atwiki.jp/fedic/pages/1900.html
横井軍平 1941年9月10日生、京都府京都市出身。 「枯れた技術の水平思考」の開発哲学や「ゲーム ウオッチ」や「ゲームボーイ」などの開発者として知られる。 ファイアーエムブレムでは暗黒竜と光の剣から聖戦の系譜までプロデューサーを務めた。 聖戦の系譜の発売から約3ヶ月後の1996年8月15日に任天堂を退社し、1996年9月11日にコトを設立。 後にバンダイから発売された「ワンダースワン」の開発などに関わっていたが、1997年10月4日交通事故で死去。
https://w.atwiki.jp/fedic/pages/1287.html
尾崎克之 ファイアーエムブレム外伝(双葉社ファンタジーノベル)をノベライズした小説家。~ 「ワルキューレの伝説」「F-ZERO」のノベライズも手がける。~ 本職はコピーライターらしい。~ 歴史小説を思わせる硬質な文体で~ ユニティやクリフとシルクの謎など、オリジナルの設定を巧みに織り込む。~ ゲーム本編と異なり、セリカを置いてアルムとシルクが国を出帆するラスト は、未だに語り草となっている。~